岡山放送局

2008年8月20日 19時0分更新

旅館で硫化水素の防災訓練


岡山県美作市の湯郷温泉にある旅館で、有毒な硫化水素による自殺が起きたことを想定した訓練が、行われました。

これは警察や消防などが湯郷温泉の旅館の協力を得て行ったもので、100人が参加しました。

硫化水素による自殺はことしに入って全国各地で増えていて、有毒なガスにより、自殺を図った本人だけでなくほかの宿泊客にも被害が出る恐れがあります。

訓練は旅館の4階で硫化水素による自殺が起きたという想定で行われ、異臭に気がついた旅館の従業員が、宿泊客を施設の外に避難誘導しました。

そして、通報で駆けつけた消防署員が防護服を着けて旅館の部屋に入り、倒れている人を救出しました。

旅館の前には、有毒ガスで気分が悪くなった人たちのための救護所が設置され、駆けつけた医師らが症状によって治療の優先順位を決める「トリアージ」の訓練も行われました。

美作市消防署の福島隆延署長は「宿泊施設の硫化水素の自殺では、2次災害が一番心配されるため旅館協同組合とも協力して被害の拡大を防止したい。」話していました。