諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘(やひろ)院長は、61歳の女性が実の娘の子を代理出産していたことを明らかにした。国内では最高齢の出産とみられる。28日に福岡市である日本受精着床学会で発表する。
クリニックのホームページによると、女性は60歳で妊娠、61歳で出産した。女性も子どもも健康という。高齢だと子宮の弾力性がなくなるなど危険性が高い。根津氏は「高齢出産は奨励しない」とした上で、「国内で代理出産が認められず、社会の支援体制がない中では、実母による出産が最もトラブルが起こりにくい」と主張している。
日本学術会議の検討委員会は今年4月、代理出産を原則禁止とし、依頼夫婦や実施した医師にも罰則を科すべきだとする報告書をまとめた。これに対し根津氏は、子宮がなかったり、摘出したりした女性では、代理出産のほかに実子を持つ方法がないと説明、「より良い形で国内で代理出産の道が開かれることを強く望む」とする。
国内では、60歳の女性2人がそれぞれ卵子提供と受精卵提供で妊娠・出産した例の報告があり、これまで最高齢とみられていた。