クリスマスゲー


登場人物

サンタ:普段はさえない電話番のフィンランド人男性。
最近上場したサンタ株式会社の派遣サンタクロースの一人。
社長は神様。夢と希望を与えることで給料がもらえる。
クリスマスだけは不思議な魔法が使えるおかげで
プレゼントが配りやすい状態になっている。
最近サラリーマンサンタが増えてるのを苦々しく思ってる。



略語

グラフィック :C
効果音 :K
音楽 :M


メインテーマ曲  待ってるとボタンが出てきます.

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M:クリスマスソング

「やっとこの季節がやってきたかぁ」


僕はニューヨークのクイーンズの安いアパートに
住むフィンランド人です。

普段はさえないインテリアデザイン会社の電話番の僕ですが
この時期になると、毎日がサルミアッキ色に
輝いて見えるようになります。



なぜなら僕はニューヨーク
マンハッタン管轄のサンタさんだからです!

クリスマスソングが聞こえる頃は僕の季節なんです!



C:ショッピングモール内


「この人には何がいいかなぁ…」

「お客さーん、さっきから挙動不審なんやけど
 ちょっと裏で話し聞かせてもらってええ?」

「あっごめんなさい!
 僕はあやしいものじゃないんです!」

「怪しくなきゃ話しかけてへんよ〜」



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C:ニューヨークの街


「はぁ…ひどい目にあった…
 後半絶対あれただの身の上話だったよなぁ…」

あのショッピングモール大好きなのに
しばらくいけない…



M:クリスマスソング

「えへへ…なんかこの曲が聞こえてくると
 嬉しくなるなぁ…」

僕はサンタになって今年で5年になります。
っていっても派遣サンタっていう下っ端も下っ端なんですけど。

クリスマスだけ契約してもらえる本当の下っ端サンタ。
だけど僕はサンタクロースという夢を与えられる仕事に
つけたことに誇りを感じています。


M:ベルの音
C:街中のクリスマスバーゲン呼び込みのサンタと親子


「メリークリスマース!」

「ハッピークリスマース!」

「わぁ、サンタさん、サンタさん」

「うん、サンタさんだねー」


(ふふ…僕が本当のサンタさんなんだよ。)

「私ねーわたしねー。
 今年お人形さんがほしいんだー」

「そう、じゃあいい子にして、毎日お星さまにお願いしたら
 きっとサンタさんがくれるからね。」

「うん!」

(お人形さん…か。メモしとこっと)


「サンタさん起きてたら見られるかなぁ」

「起きてちゃサンタさんプレゼント渡せないでしょ」


(なんかこういう会話聞くと嬉しくなるなぁ
 あ、時間の都合上、結構起きてても普通に入ってって
 そのまま手渡しもありなのが実情なんですけどね)


「くすくす…夢があってかわいいなぁ…」


C:こっちを白い目で見てる親子

「な…なんなんですかあなた…」

「えっあ…。いやその…」

「この人私のことずっと見てたよー」

「私の娘を変な目で見るなんて…
 変態ですかあなた?やめてください!」


「あっすいません…僕はあやしいものじゃ…」


C:駆け出すサンタ


「ご…ごめんなさーい!!」


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オープニングムービー



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:出発


こうしてクリスマスの日がやってきました。


C:クリスマスの街

C:部屋

今日は仕事やすんで一日中寝てたので体調も万全です!

明日から僕の席がない可能性がありますが
皆の夢や幸せには代えられませんよね!

「一年間ご無沙汰だったなぁ…この服も」


C:サンタ衣装

えっと皆さんが想像するような
あの赤いサンタ衣装とちょっと違うのは
サンタ業界の服にも流行り廃りはありますから
あのただ赤いサンタ衣装はサンタの中でも
中間職のおっさんくらいしか今着てません。

僕はどちらかというと
そういうスタンダードな方が好きなのですが
同期に「古臭い」と笑われて以来
一応新調してみた所存です。


あーそうそう4年前だったか青色が
奇麗ってことで流行ったんですけど
苦情が来たので次の年はみんな赤っぽい服でした。


C:青いサンタ服

僕も「古臭い」と言われた次の年だったので
奮発してみましたがサンタとしては一回しか着られませんでした。
しょうがないから、ハロウィーンのときに未練たらしく着ています。



C:サンタの服を着て

この服に袖を通すと、ああ僕はサンタなんだなって実感します。

「今年もがんばんないとなっ!」





K:こんこん(窓をたたく音)

「はい!」

C:窓の外にそりとトナカイ


「わぁ!一年ぶり!元気だった?
 ちょっと待ってね!今支度終わらせるから!」

「……」

彼はこの道20年のベテラントナカイです。
若いころはトナカイの花形としてサンタ界をにぎわせたそうですが
ただ最近は年をとったせいか加齢臭がするのと
昔みたいなスピードが出せなくなっているので僕みたいな下っ端についています。


「えーと靴下靴下…
 げっ!やばい!コーヒー沸騰してる!」

「ごめーん!ちょっと待って!
 コーヒー持ってこうと思ったんだけど
 なんかすごいことになっちゃってて…
 下のダンキンでコーヒー買ってってもいい?」


K:怒ったようにコンコン

「ごめんってば!」



そういえば体調万全にしたのはいいけど、ちょっとお腹すいたかも
でも昨日で最後の冷凍食品も食べきっちゃったし
ついでだしダンキンでドーナツも買っておこう…

C:ドーナッツ。

ちなみに僕が一番好きなのはボストンクリームです。
中にクリームが入ってて上にチョコレートがかかってるやつ。


「う…おなか減った…」

C:冷蔵庫の中にラップ掛けた二つ

「あ…」

「これ僕にかな?」
 
まあ普通わざわざおなじの二つに分けないよな…


隣の部屋の人はこうしてたまに僕に差し入れをくれることがあります。
でもあの人何も言わないから、僕はそれがわからなくて
腐らせてしまったことが何回かあったので
こういう状態になってるときは、ありがたく頂くことにしています。



「あっそういえば…あの人は今いるのかな?」


僕は貧乏なのでアパートの一部屋を
僕とスウェーデン人の二人でシェアしてるのです。

昔一度デンマーク人やノルウェー人とも
シェアしたことがありますが安いのはいいけど
デンマーク人がうるさすぎて
結局今みたいに二人だけでシェアしています。

この隣のスウェーデン人は物静かな人ですが
何考えてるか僕にはさっぱり分からず
ぶっちゃけると怖いと思っています。

僕たちは仕事の時間がずれてるので
あんまり顔を合わせることはありません。
時々一緒に買い物に行ったりするくらいですね。


まあでもいつも食料などお世話になってますし
一番最初に隣の方にもあげておこうっと。


「あのーすいませーん!僕ですー
 いらっしゃいますかー?」

いないみたいです。

「しょうがないか…」

ここに置いておきますね。

まあ隣の人怖いから会わなくて別にいいんですけど。



C:仕事開始。
(この絵でさっきのラップに包まれた皿の一つを持ってる)

「それでは!いってきます!」

サンタのお仕事開始です!


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:始まりの魔法

C:空の上

「まず手始めにマンハッタンに魔法をかけなくっちゃ」

僕たちサンタは管轄する地域一帯に
クリスマスだけ有効な魔法をかけることによって
活動しやすくしています。
ちなみに魔法が使えるのは今日だけ。


そして最初の魔法が、この雪の魔法です。

サンタの伝統的で、一番最初は必ずこの魔法をかけます。
前にこの魔法をかける理由について偉い人に聞かされたんですが
難しすぎてよくわかりませんでした。
僕としてはロマンチックだから、ということで納得しています。

見てる方はロマンチックですが、かけてる方は必死です。


そういえばこの雪の魔法、去年失敗しちゃったんですよね…。
雲を全部吹き飛ばしてしまいまして…
まあ星が奇麗に見られたのは良かったかな?


C:早くしろよって顔してるトナカイ
K:ドンドン

「………」

「すいません!今やります!」


「やっぱりクリスマスといったら
 雪ですよね!よしそれじゃあ行きます!」



「神様!この素晴らしき聖夜に雪の贈り物を!」



C:しばらく待ってると雪が降る


「やったー!!成功したよ!成功した〜!!
 今年はホワイトクリスマスだぞー!」



C:ニューヨークの夜景


「あっ雪!雪だし!」

「本当だ…」


「雪…かぁ…」




「よし!今夜はいい仕事ができそうだ!
 頑張りましょうね着弾鹿頭二郎さん!」

着弾鹿頭二郎さんはこのトナカイさんの名前です。
別のかっこいい名前があった気がするのですが
呼びづらいのでこうよんでます。


「はいよー!しるばー!」





あと部分的に抜粋。こんな雰囲気です。





:東ドイツ人と


「あーちくしょう見せつけやがって…」

うーん、あの人には何あげようかなぁ。

「雪まで降ってきたしよ…
 ちっくしょ!マジでやなクリスマスだ…」

そんなこと言わないでくださいよー…。
悲しくなっちゃいますよ。

「そうだな…ここはなんかこうウケ狙いで
 クスッとくるような物をあげたら…」

うーんうーんいいのないかなぁ…

あ!

よし!これしかないな!それじゃあさっそく…!


「あ…あの…うわっ」


「なにしてるのかな?」

そこにやってきたのはロシア人でした。

「うげっ何でお前ここにいるんだよ」


僕もあのロシア人は苦手です。
この人はさっき行ったソビエト寮の管理人さんです。
昔僕も無理やりあの寮に入れられそうになったんだよなぁ。
ご飯でるのはいいけど貧相なのはちょっとね…。

なんか笑顔なのに怖いし、コルコルいうし
あの人の近くに行くと寒気がするんだよなぁ。
前なんか僕の家に勝手にあがりこんでたし…。

でも、サンタクロースですから
個人的に苦手だろうがなんだろうが
プレゼントする大事な相手ですからね!

うーん…でもやっぱ怖いー。


「今、君一人?」

「家で彼女と彼女の友達の友達が
 俺の帰りを待ってるんだよ!」

「へー…」

 (抜粋)





:ロシア人と


あーやっぱりあの人に渡さなきゃいけないのかぁ…
だいたいさっきから教会の裏でなにをしてんだろう。

まあいいや。さっさと渡して次の人の所に行こう!

「あ、あの…」

「あぁ、君は…」

「あっちがいますよ!僕はサンタさんです!」

「ええ?どう見ても僕の知り合いに見えるなぁ」


ぎぎぎ…なんか威圧オーラ出てますよこの人…
やっぱ怖いよ〜


「それより僕はサンタさんですから
 あなたにプレゼントを渡しに来たんです」

「プレゼント…?僕に?」

「はい、よかったら使ってください」


C:プレゼントとロシア人

「ふーん…」



「こんなのより君がほしいな」

「え?」

「ねぇ僕と一緒に暮らそうよ。
 楽しいよソビエト寮」

「あ…いや…僕は…だから…」

「一緒に食卓囲んで歌でも歌おうか
 きっと毎日幸せだと思うんだ。
 僕君のこと気に入ってるから
 大事にしてあげられると思うんだ」

「だ、だから僕はサンタで…」

「え?そうなんだ。自慢できていいと思うな。
 サンタさん飼ってるなんて」

「ひぃっ!」



「しっ失礼しますー!!」

あーやっぱりあの人苦手だー!



C:教会裏


「あーあ、いっちゃった…」

「…何だろう、中身」

C:マフラー

「…マフラーか…」

「あはは…なかなかいい趣味してるんだね」




C:空の上

「おい!」

「あっこんばんは…」



この人はニュージャージー管轄のサンタクロースです。
僕より後輩ですが、僕より仕事ができるので今じゃ正社員です。



「お前まだ配り終わってないのか?」

「え、ええ…ちょっといろいろありまして…」

「今携帯で確かめたんだけど、俺んとこのニュージャージーも
 ダチのコネチカットも、えーとなんだっけ、
 あーそうそうバージニアとか、もうとっくの昔に配り終わってるぞ。
 終わってないのニューヨークのマンハッタン地区だけだぞ」

「マジですか!?」



マンハッタンは人が密集してて仕事量が多いので
僕みたいな派遣なんかが、だいたいここ担当させられます。
僕の前にマンハッタン担当だった人は体壊してやめました。


「ぷすっお前本当にとろいよなぁ」

「すいません…色々プレゼント選んでたらこんな時間に…」

「えー選ばなくていいんだって!
 全員適当にケーキでもあげときゃ
 サンタさんありがとー!ってなるって!」

「そ、そうかなぁ…」


「うんそうだよ。だってサンタって配って感謝されてなんぼじゃん。
 俺もダチも全部ケーキですませたんだ。
 早くに全員に配れたし、会社にありがとうコールきまくりでさ。
 俺ら今年すっごいボーナス出るってさ!」

「いいなぁ…」

「お前も前失敗して去年ただ働きだっただろ。
 今年はそうした方がいいって!」

「そっか…」



「そ!先輩からのありがたいアドバイスだ!
 それじゃあな!」

「じゃ、じゃあ」


しゃんしゃんしゃんしゃん…



「先輩からのアドバイスか…」

僕の方が一応経歴は長いんですけどね…。



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C:家の中


「わ…サンタさん?」

「う、うん…サンタさん」


ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…


「あ…あのこれプレゼント…」


ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…
ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…


「あ…ありがとうサンタさん!」


ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…
ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…
ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…
ケーキあげてさっさと立ち去る…ケーキあげてさっさと立ち去る…


「嬉しいよサンタさん」

「あ…うん…」

あははは…ほら大丈夫じゃないか!なに僕はきょどってんだ!
わざわざ選んでプレゼントしてた僕が馬鹿みたいじゃないか!


「そ、それじゃ…僕はこの辺で…」

「…ほしかったんだ、髪飾り」

「え?」

「ありがとう!」

「あ…あの…」


C:靴下の中の紙(きれいな髪飾りと書いてある)

ど…どうみても男の子だよなぁ…
まさかこの年で目覚めちゃったとか?
いやいや、それは個人の趣味であり僕がどうこういう話じゃ…


「ご、ごめん。プレゼント間違っちゃった。
 き…きれいな髪飾りはこっちだよ」

「そうなんだ…はい、サンタさんおっちょこちょいだね」

「うん、はいどうぞ」



C:そのプレゼントをそのまま寝てる女の人にあげる少年


「ちょ…」

「あ、あげちゃうの?」

「うん」


「あれ君へのプレゼントだよ?」

「うん」




今年のクリスマスに間にあったら
とりあえずテキストの方は推敲終わったらアップします