早くも本日二つ目の記事ですが、こちらがメインです。
諭吉のセコさ丸出しの幕末公金横領事件について、 以前小野友五郎との関連で紹介したことがありました。 しかし自分でいうのもアレですが、 たいそう舌足らずな面もあり、いやどうも腹が立ちすぎて うまく言えなかった部分が多かったのですが、 このほど入潮さんが、ブログ山と蟻の間にて、 梅雨のジメジメさを一気に吹き飛ばしてくれるほど すっきりと、そして詳細に福澤諭吉について取り上げてくださいました。 この良き機会にみなさんも諭吉という男について、ちょっと考えてみてくださいませ。 (以下、上記の記事を踏まえて語らせていただきます) 近代~現代にわたって不当なほど尊敬されてきて、 いまや日本を代表とする紙幣の顔になっている、この人。 多くのファンがおられるかもしれませんが、私はこの人が好きではありません。 公金横領事件、戊辰時の態度、牢獄の榎本たちへのテキトーな援助&差し入れ、 「痩我慢の説」等々、挙げたらキリがありません。 しかし同時に、このようないいかげんな人を野放しにしてきた 近代以降の日本のモラルも疑わしいのでありますが。 どうも明治以降の日本が好きになれないのは、 こういう胡散臭いオヤジが堂々とお天道様の下で立派な人物と讃えられている、 そういう社会だからです・・・・。 (江戸時代ではこういう人は世間の片隅でひっそり死んでゆきますので) 私は古代中国史を専攻してきた後遺症で、とても「義」が気になります。 江戸の人々と気が合うのは、同じように「義」を大切にしているからなのですが(笑)、 この人物の不義理さは目に余りますし、 残念ながら近代日本はそのあたりの評価がいいかげんであります。 そのいいかげんさの象徴こそが「近代の偉人 福澤諭吉」というように みえて仕方がありません。 このあまり尊敬できない人物によって、 一生懸命に日本の近代化のために学んだ小野友五郎や榎本武揚などの 人々の評価が歪められてきたことにも、とっても腹が立ちます。 でもさらに我慢ができないのは、 こういう人の書いた「痩我慢の説」を今でも信じていたり、 気にしている風潮があるという現状です。 (わたしはぜんぜん無視しているのですが・・・・) 例えば、どうして久しぶりに出た榎本評伝本の冒頭でこの話が蒸し返されるのか、 その意味がわかりません。 来年には国立博物館にて特別展「未来をひらく福澤諭吉」なる展覧会が あるそうですが、本当に未来を開きたいなら(笑)、 その前にメッキをはがした、正しい福澤諭吉像を検証する必要がありそうです。 知られざる福沢諭吉 下級武士から成り上がった男 礫川 全次 著 アマゾン→こちら まずはこの本、おススメです☆ (速攻で、読みました(笑)) この人が1万円札で、野口英世が千円札……。 とっても、いまの日本を象徴しているとおもいます(^^) 自己顕示欲の強いエゴイスト。 自分の研究にかける意気込み(なりふりかまわなさ?)は むしろ天晴れといいたくなるほど。 善しにつけ悪しきにつけ なんかやる人のエナジーは違うな~と。 江戸のテクノクラートさんたち、自己顕示欲が弱いあたりが いいやら、悪いやら。みなさん、シャイなもんでーー。 同じ江戸っ子でも勝さんぐらい、「俺が俺が」さんだったら・・・・・、 といいつつ、釜さんにしろ、ほかの面々にしろ、 奥ゆかしいからこそ、素敵なのですが(笑)。 パワフルさでは福澤さんの勝利、であります。 既存認識への異論の発信を、ありがとうございます。 自分はぼかしてしまったのですが、はっきりと問題提起するはな。さんの勇気に敬礼です。 >こういう胡散臭いオヤジが堂々とお天道様の下で立派な人物と讃え そうそうそう!と、思わず机を叩いて頷いてしまいました。 まさしくこれなのですよね。それで、本当に今の日本の足元を支える実質的な柱となった方は、日の目を見ることなく忘れ去られている。それに対するやるかたない思いは滾々と湧きます。 何が一般大衆に効くかというと、マスメディアを使い、それに学閥による権威付けを行うこと。その世の中の構造を良く理解して歴史評価の存在感を確たるものにした福沢の頭の良さ要領の良さには、ほとほと感心です。 入潮さん、こちらこそたいへんわかりやすい記事を
ありがとうございました。 で、慶応義塾大学への営業妨害の意図は一切ないのですが、 ついつい腹にためておけない関東者ゆえ、ゆっちゃいました(笑)。 >マスメディアを使い、それに学閥による権威付けを行うこと。 この点では福澤は本当にうまく立ち回ったと褒めてあげたいです。 彼こそ立派な近代人です(これはイヤミでなく本音で)。
|
カテゴリ
全体
お知らせ 香港&アジア映画 本 ほんの世間話 広く幕末ネタ あじあん音楽 新選組! 箱館または釜さん 幕臣系 江戸城の大旦那 幕臣系(老中など) 幕臣系(目付とか) 外国奉行ズ 長崎伝習所系 旧暦シリーズ 江戸東京あれこれ お宅探訪シリーズ そして明治 ちょっと元禄・正徳 五カ国条約150年 水曜どうでしょう たまには音楽 以前の記事
2008年 08月
2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 最新のコメント
リンク
最新のトラックバック
ライフログ
ネームカード
|