コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2005-07-18 22:40:36
仰るとおり、歴史問題は、解決が難しいと思います。
お互いの歴史観について理解し合おうとする努力を放棄してはいけないと思いますが、しかし、中国や韓国はご存知のように、明らかに捏造や誇張に基づいた歴史教育を行っており、その歴史観を日本も共有せよと迫っているのが現在の歴史問題の実態です。戦争中や併合時代のある事実について、加害国と被害国で捕らえ方が違うのは当然で、そこをお互いに理解し合うことは可能だとは思いますが、ある結論を導くために事実すら捻じ曲げる人々と同じ土俵で議論することはかなり困難だと思います。
しかし、歴史的事実であってもそれを他国に押し付けるのは内政干渉に当たるのでこれは慎むべきだと思います。
ですから、本質的にこの問題は国際問題ではなく、それぞれの国内問題だと思います。中・韓が自国に都合のいいように歴史を教えるのは自由です。しかし、それを日本に押し付けようとするならきちんと反論すべきです。そして、日本は日本国内でしっかりと事実に基づいた歴史研究を今までどおり続け、反省すべきは反省し、子供たちには日本の立場を擁護しつつも他国に対する加害の事実も謙虚に受け止させる歴史教育をすればいいのだと思います。


また、日本と韓国の関係が今後どうなるかはアメリカしだいという面もあると思います。
戦後、日本が韓国との友好路線をとり、莫大な経済協力をしてきたのはアメリカが米韓同盟を結び、韓国を反共の防波堤としたからです。その結果、韓国は目覚しい経済成長を遂げ民主化もしましたが、皮肉なことに民意は反日、反米に傾いて現政権は親北朝鮮政策を採っています。
現在、在韓米軍は縮退しつつあり、アメリカ国内では米韓同盟解消の可能性が議論されています。もし在韓米軍が韓国から撤退したら韓国は中国の影響下に入る可能性が高いのではないでしょうか。(今でも中国と韓国は歴史問題などについて、対日本で共闘しています。)そうなったら日本が韓国と特別な友好関係を求める理由は無くなります。
しかし、そうなっても日本が白村江の戦いで敗戦して以来の近代までの東アジア秩序に戻るだけなので日本としてはそれでも良いのではないかと思います。

 
 
 
わかんないな〜 (jbう゛ぇあjへr)
2005-07-18 22:44:36
>お互いに殺し合う経験をした者同士が心から和解をするのは容易な話ではありません。

ん?
前文を読むと韓国のハナシのようだけど、中国のこと?

日本と朝鮮とは戦争してないよ?
日韓併合時に「殺し合う」と呼べるほどの大規模な抵抗はなかったよ?

よく勉強してから分かり易い文章を書いて下さいね。
 
 
 
Unknown (くらりす)
2005-07-19 00:34:17
日本は当時の朝鮮と戦争をしてはおりません。併合は武力併合ではなく、お互いの話し合いの下平和裡に行われました。これは当時の国際法に照らしても合法です。
日本は朝鮮を搾取しましたか?日本は併合時代に17兆円の資本を投下し朝鮮の近代化に寄与しました。感謝しろとは言いませんが、恨まれる覚えはありません。
管理人様は今の韓国が民主国家だとおっしゃいます。
果たしてそうでしょうか。かの国は自由にものが言える社会ではありません。
殺される覚悟で本を出版する国が民主国家ですか?
新聞社をはじめ、国ぐるみで資料を捏造し日本を中傷する国が、法を破る国民を英雄視する国が民主国家ですか。

中国はさらに惨い国です。近代化が不十分どころか前近代的な国家です。

これらの国が近隣にあり、日本に潜在的・顕在的な敵意を持っている。
争わず、平和に3国が発展して行ければそれが一番良い事ですね。
ですが日本の事を考えるのならば、頭の片隅にでもこの国々の実態を認識しておく必要があると思います。

長文失礼致しました。
 
 
 
Unknown (kws)
2005-07-19 00:36:07
韓国的スタンダードを他の人に説明する時は自分が差別主義者だと思われるんじゃないかと戦々恐々としてしまうんですが、それでも指摘しておきます。

民族的主張が絡んだ時の韓国との交渉ごとには妥協点などないんです。
彼らがこういった問題の時に「話し合い」を求めるのは、交渉して妥協点を求めるためではなく、道徳的に正しい(韓国は何時如何なる時も道徳的に正しいんですが)韓国の立場を相手に”理解”させるためです。

交渉では同じ価値観を共有し現実主義に徹するからこそ妥協や合意はなされるのですが、韓国との交渉ごとではそういった大前提が存在すると思ってはいけません。
彼らは道徳的教育のために我々と話し合いを持ってくれるんですから。(ベネツィア共和国とオスマン・トルコの外交交渉なんかを思い浮かべてもらえばどういう状態なのか分かりやすいと思います)

ちなみに、韓国のこういった態度は何も日本に限ったものではなく、外国ならどこにでも同じ態度をとります。
韓国国内で最もヒドイ扱いを受けるのは在韓米軍ですしね。
 
 
 
Unknown (TMM)
2005-07-19 01:57:58
以前のコメントで「やじゅんさんは韓国に関してあまり興味を持っていらっしゃらないのではないか」と書いたのに対し、そんなことないというお答えをいただきました。どうも失礼いたしました。
失礼ながら、あまり興味を持っていらっしゃらないのではないかと書いた理由は、やじゅんさんのアメリカに関する記事は具体例が豊富で説得力があるのに対して、この韓国関連の記事は内容は示唆に富むと思いますが、具体的な記述が少なく観念的な議論に終始しているように思うからです。
歴史問題は難しい問題だと思います。しかし、この問題は、生産的でなく、本来は経済問題とかもっと現実的な問題にエネルギーを投入するべきだと思います。先月の日韓首脳会談でほとんどの時間を歴史問題に費やしてしまったのはもったいなかったと思います。もっと日韓の経済問題など現実の問題について話すべきだったのではないでしょうか。
日本としては過去に謝罪、賠償、経済援助などを通じてこの問題に対応してきたと思います。
歴史問題は政治的にはこれぐらいにして、あとは歴史学者にゆだねるようにするべきではないでしょうか。
韓国と中国が国交正常化する時に、朝鮮戦争の問題を韓国が持ち出したところ、中国はそれを持ち出せば正常化しないと言ったところ、そのまま立ち消えになったそうです。今も韓国と中国の間に歴史に関するわだかまりはないようにみえます(高句麗問題はありますが)。朝鮮戦争で韓国人が200万人も死んでおり、中国が兵を出さなければ、朝鮮戦争は韓国が勝って分断の悲劇もなかったはずなのに。歴史問題で苦しんでいる日本からすると、韓国と中国の仲が悪くない関係は不思議に思います。
また、日本が同じように支配した地域で、台湾は比較的親日的なのに、韓国は反日的です。多分、扱いとしては朝鮮の方が良かったはずなのに。
歴史問題は付き合うことによって、ますます解決されないという面もあるように思います。
日本もいい加減な時期をみて、歴史問題には政治的な取り扱いはしないと表明したらいいのではないでしょうか。
 
 
 
悲観論(申し訳ないです。長すぎです。) (Hache)
2005-07-19 02:55:00
韓流ブームはまるでわからないのでコメントを控えました。学生時代に留学生の中で韓国の学生の勤勉さや礼儀正しさに感心した覚えがあるので、韓国人のよさってなんか違うんじゃないかなあというのが率直な実感です。通貨危機へのIMFの対応にはいまだに疑問があるのですが、既得権益を失った人が「これで韓国が再生できるのなら、しかたがありません」と言っていて日本人がなくしたものを韓国の人のすべてではないでしょうが、彼らがもっていることを感じたこともあります。

竹島問題については現在の政府の対応に満足しております。島根県知事がちょっと気の毒ではありましたが。韓国の反発自体は中国の反日デモと異なってやむをえないことでしょうし、他方で日本も領土を譲るわけにはゆかないので適宜、異議申し立てを行う。それじゃあお役所の論理じゃないかといわれそうだと思いますが、現況では外務省にお任せで大丈夫だと考えます。

しかし、歴史「認識」問題については非常に悲観的です。かんべえさんが「不規則発言」2005年5月5日(『溜池通信』2005年6月3日号の\"From the Editor\"にも同じ記述があります)で「植民地経営で一番難しいのは引き上げるとき。…ところが日本の場合、無条件降伏したから植民地からの引上げを全部、連合国がやってくれた」というメモを公開していて、これって日本人が忘れやすいことだなと思いました。

逆に朝鮮半島の立場から見ると、あまつさえ独立を自ら勝ち取ったのでなく、南北に分断されて同じ民族どうしで対立してしまったわけですから、日本にたいするコンプレックスを克服する機会がなかったわけです。まず、歴史認識問題で韓国あるいは半島がコンプレックスを感じなくなることはないだろうと思います。他方で日本人は朝鮮半島を失った痛みを最小限にとどめている。露骨に言えば、敗戦自体の痛みがあまりに大きくて植民地を失ったことなど枝葉末節になってしまう。この認識ギャップを埋めるのは非常に難しく、私自身はギャップが残ってもあまり問題ではないと思います。少なくとも韓国とは首脳会談ができるし、訪日もできる状況ではあります。

日韓FTAの実現(この点では日本側の努力が足りないように見えます)やPSIへの韓国の参加を促すなどなど現実的な懸案を一つ一つこなしてゆくことが望ましいと考えます。歴史認識問題はいつまでも残るでしょう。それが外交問題にならなければよいと思います。もっといえば、仮に外交上、取り上げざるをえなくなっても、他のより優先順位が高い交渉の妨げにならなければよいでしょう。もっといえば、一時的に停滞しても日本側が嵐を避けて港に避難すれば済む話だと思います(ときと場合によっては嵐のなかを突き進む度胸も必要でしょうが、外交では嵐を避ける勇気の方が大切だと思います)。そのためには日韓で共通する利益を顕在化させそれを双方が明確に認識していることを互いに確信できる手堅い外交が不可欠だと思います。外務省を応援しても私には何の利得もありませんが、大きな決断は政治家が行うのが当然でしょうが、こういうややこしい関係にはプロの地味な作業が不可欠だと思いますので、外交官の方々には心から頑張ってくださいと応援しております。もっとも、私はひねくれ者なので他の人が同じようなことを言い出したら、言わなくなるでしょうが。

蛇足ですが、中国に関しては台湾を小突き回したり、東南アジア諸国に真綿で首を絞めるようなことをやめれば、私は「親米」かつ「親中」とよばれるような主張をするだろうと思います。もちろん、その場合でも日米同盟のプライオリティは変わらないですが。

「歴史認識問題」を解決しなければ日韓関係はダメだという形で問題を立てると悲観的になりますが、それ以外の問題の方が冷静に見て日韓両国にとってプライオリティが高く、日韓がそれを共有すれば楽観はできないですが、そう心配する必要もないでしょう。日中関係についても良好であればよいですが。私の決まり文句ですが、\"I hope so, but I don\'t expect.\"というのが率直な実感です。(McCormackが同じ発言をしたら「こ、怖すぎる」となりますが。)
 
 
 
歴史と現在 (M.N.生)
2005-07-19 12:03:08
やじゅんさんが歴史問題を取上げるのは、ちょっと意外ですね.だけど、その熱意は買います.韓国との関係についてだけ、コメント(中国に言及すると論文になっちゃうので-笑-)韓国の反日感情は、日本人の胸にささるところがあるんでしょうけど、リアリズムで考えてみるべきでしょう.韓国、日本ともにアメリカの同盟国、選挙で民主的に選ばれた政府、OECD加盟国(先進国)、経済的結びつきは強固、客観的にみて両国の関係が危機的になるはずがない.そう言う意味では私は楽観してます.
確かに歴史認識を口実として政治的危機がおこった例はありますが、それにはほとんど経済危機や政治の失敗がからんでましたし、国家の安全保障にからむ重要なイッシューがありました.正直言って、今の日韓関係にはそんなものはないと考えます.(唯一、理論的にあるとすれば核武装問題か.日韓双方とも過去に核武装を検討していたことは公然の秘密)
歴史的に言って、独立国家であった国が植民地化された例は、近代史では意外に少ないんです.(朝鮮半島、南ア、ポーランド、それからどこがありましたっけ?)ほとんどの国は、植民地になってから国家形成してます.そう言う意味で、朝鮮半島の人々が日本に抱く感情は、世界史的にもユニークなんです(皮肉でもなんでもありません).第三者には判らない.仲介不能.これは時間が解決するしかない.それが歴史認識という言葉の真意でしょう.
 
 
 
独立国家であった国が植民地化された例 (Baatarism)
2005-07-19 14:18:26
アイルランド、エジプト、ベトナム、バルト三国もその例に入るでしょう。インドは入るかどうか微妙なところですね。
あと、独立国家が併合されたまま再独立していない例としては、ハワイ、琉球、チベットがありますね。
 
 
 
Unknown (妖怪)
2005-07-19 14:54:37
日韓関係の話になると「地政学的観点から戦略的に提携すればいい」というドライな意見から「全面的和解を目指すべき」というウェットな意見に流れやすい気がします。「相容れない相手だが損得勘定で考えて提携だけは模索するべき」でしょうか?それとも「文化レベルでの交流を通じて相互理解が深まる」ことまで期待するべきでしょうか?この二つの議論が曖昧に混濁されているように思えます。日韓提携と言っても、その中身にはいろいろな論があると思いますが、その点はどうでしょうか?戦略的提携と全面的和解とが区別されずに論じられていく。これも日韓関係の病理性の一部ではないでしょうか?

>独立国家であった国が植民地化された例

ミャンマーもそうですね。
 
 
 
植民地になった独立国家 (M.N.生)
2005-07-19 15:31:16
Baatarismさん、妖怪さん、コメントどうもありがとうございます.このエントリーと話題がそれるので、この話は展開したくないんですが、アイルランド、ベトナム、ミャンマーはそうですねえ.(アイルランドは複雑だがまあ認めます)ハワイ、琉球、チベット、こりゃちょっと政治的判断じゃあないの(苦笑).チベットと言ったら満州もときますよ.中国は怒るよ.
 
 
 
Unknown (tribal dub)
2005-07-19 16:13:43
韓国と価値観が共有出来ているのなら、先日の漁船のEEZ審判事件などは法に基づいて粛々と解決されたでしょうに、結局曖昧な政治決着となりました。金大中事件等、韓国の法の軽視は枚挙に暇が無いのですが、現政権は日韓基本条約の枠組みを踏み越えて「賠償」に言及するまでになりました。形式的に民主制であるかどうか以前に、条約や文書化され合意など、自らの都合で蔑ろにする相手だという事を大前提にすることから対韓関係を考えるのが妥当じゃないでしょうか。正直いうと歴史問題などは、蛇足でしかないと思います。
 
 
 
民主主義は解となるか? (standpoint1989)
2005-07-19 16:29:14
何をして民主主義とするかも難しいのですけれど、韓国の法治主義が偏ったものになっていった場合、日本と韓国の法治主義の間の齟齬・断絶となって、状況が危機的な水準になることはあり得るのではないか、これは将来的にですけれど、その可能性は否定できないだろうと思います。
その危険性の回避を民主主義を担保とすることで果たして充分かどうか、これは以前にもそういう問題意識をやじゅんさんと交わしたことがありますね。
先日、海上保安庁の職員が拘束された件も、これが紛争事由になるかならないか、時の政府、世論に左右される面が大きく、日韓間に法治主義の認識において非常に大きな隔たりがある、このような安全保障・治安活動においてさえそれがあるということは、私には無視できるものとはなかなか思えません。
日本側がどのような態度をとるべきか、以外に、日本側が強硬な姿勢を(あるべき当然の姿勢とする世論も根強く、私もそうした考えです)とった場合、韓国側から予想される反発、それがどのようなもので、どのように対抗していくべきか、これは日韓関係の全体的な枠組を維持することと並行して、考えていくべきことなのでしょう。
その過程で、日韓関係が破綻することは、民主主義を両者が維持していたとしても、あり得ることではないでしょうか。
 
 
 
韓国の民族主義 (Baatarism)
2005-07-19 18:25:44
本題に戻って韓国についてですが、kwsさんが指摘しておられるように、民族主義が絡むと韓国は民主主義や法治主義の原則を逸脱してしまう悪癖がありますね。しかもこの悪癖は民主派の流れを引く勢力に強いように思います。
民主化が一段落して民主主義への過大な幻想が冷めてしまうと、民主化に向けられていた情熱が民族主義に向かってしまうという陥穽があるのかもしれません。かつての日本でも大正デモクラシーが行き詰まったあとで民族主義が高まりましたが、韓国も同じような動きになりつつあるのかもしれませんね。
日本の民族主義の暴走は敗戦というあまりにも高い代償を払った末に収まりましたが、韓国はそれほどの代償を払うことなく民族主義を抑制することができるのでしょうか?
 
 
 
コメントのお返事です (やじゅん)
2005-07-20 00:26:26
沢山のコメントを頂き、光栄です。皆さんの意見をうかがうだけで、自分としては十分勉強になっているのですが、せっかくですので、できる限りコメントに対する所感を述べておきます。答えになっていない部分も多々あると思いますが、未熟者ですので、ご容赦頂ければ幸いです。長文のコメントにて失礼します。

>unknownさん
貴重なコメントありがとうございます。大変参考になりました。
私も、歴史教育は大きな問題だと思います。ご指摘の通り内政干渉の問題があるので、日本から公式ルートでどうこう言うのは難しいところとは言え、ぜひとも何とかして欲しいところです。
ここで活躍が期待されるのは、政府ではなく政治家ではないかと思います。私は最近の政情に疎いので良く分かりませんが、かつての中曽根−金鐘泌のようなコネクションが現在の政界においては不足しているような気がします。日中関係にも同じことが言えますが、一つの問題のような気がします。
米国との関係についてですが、米韓関係は本当に深刻です。実は日韓関係よりも重要な問題かもしれません。しかし、私は米国が韓国との関係を絶つことはあり得ないと思いますし(在韓米軍の削減は世界的な米軍再編(特に陸軍の削減)の一環でしょう)、今の韓国のふらつきも、一時的な迷走に過ぎないと思っています。嫌米感情が高まっているとは言え、大多数の韓国人が世代を超えて米軍駐留の必要性を認めています。386世代の特異な性質は60〜70年代の日本の左翼の運動と通じるところがある気がします。

>jbう゛ぇあjへrさん
規模や形式は本質的要素ではないと思いますが、ご指摘にしたがって文言を修正しておきます。

>くらりすさん
丁寧なコメント、ありがとうございます。
韓国併合の国際法上の合法性や、日本の植民地化の韓国の近代化への貢献は、科学的観点から分析されるべきものと思います。しかし、その分析と日本の帝国主義の正当化は、別の次元の話だと思います。記事において、私は「他者の視点」の重要さを強調しました。近隣の文明国であった韓国を植民地化した上、世界にも例を見ない極端な同化政策をとったことが、韓国人にとって大きなショックであったことは間違いありません。戦争はありませんでしたが、レジスタンスはありました。傷つけた側が傷つけられた側の思いを無視して、己の論理にこだわることは、私は危険だと思います。
現在の韓国において、言論の自由が制度的に保障されながら、事実上の抑圧があるのは事実かもしれません。しかし、だから民主国家として認められないという話ではないと思います。米国でさえ、保守的な地域であれば、宗教や同性愛についてそうした抑圧の空気はあります。日本も例外ではないでしょう。こうした言論の自由についての寛容さの度合いは、社会の成熟にかかっている部分が大きいと思います。
中国については、近代化以前の状態にあることは否定しません。私のこれまでの記事を読んで頂ければ、考え方を分かって頂けると思います。
中韓の実態を知るべきことの大切さ、記事に述べた通り、まったく異論はありません。その上で、では日本が何をするべきか、考えることが重要だと思います。

>kwsさん
いつもコメントありがとうございます。
ご指摘の「交渉ごと」の「妥協点」については、どうなんでしょうか。交渉とか妥協というよりも、私は純粋に相互理解と未来志向の考え方の問題だと思います。
前の記事のコメント欄に述べた通り、韓国の反日は、国民統合と自らのアイデンティティの確認に利用されている面があります。それは残念なことですが、一方で、これはその時々の政局によって左右されている現実の裏返しでもあります。例えば、前大統領の金大中の過去の問題への対応は、現政権とずいぶん違うものでした。この問題で政治の果たす役割は極めて大きいのです。私が記事の中で「高いレベルでの交流が持続」することの大切さを述べたのは、そういう趣旨です。

>TMMさん
いえ、とんでもありません。興味があることと知識があることは別ですから、そう言われると、私ももっと勉強しないといけないという気になります。
私の認識はTMMさんの認識とほとんど変わらないと思います。結論部分を含め、ほとんど異論がありません。リソースを割こうにも、日本ができることは限られていますから、問題を悪化させないように努力することがまず第一でしょうね。ただ、これはTMMさんのご趣旨と相反しないと理解しますが、歴史問題の対応をどうするかは別として、高いレベルでの交流をきちんと続けることは重要だと思います。
韓国と中国の関係の指摘は大変鋭いと思います。これは、残念なことに、日本という共通の仇が存在することによる同胞意識が最も大きいのではないかと思います。台湾については、一口に言えない複雑な話ですが、一つには国民党(外省人)の統治という現実が大きな要素を占めていると思います。

>Hacheさん
いつも貴重なご知見を提供頂き、ありがとうございます。長文、大歓迎です。私こそ、いつももっと短い文章でまとめらればいいのにと苦心しています。
色々なテーマを的確に分析されていて、うなされました(本当にブログ書かれてはいかがでしょう)。韓国が日本に「勝利」した感覚を得ることができなかったのは、重要な指摘だと思います。また、日韓の機能的協力を積み上げることの大切さも、全くその通りです(ただ、unknownさんへのコメントに述べた通り、政治のレベルでこそできることもあるような気も個人的にはします)。
私の認識は、Hacheさんも、kwsさんやTMMさんや他のコメントを下さる方々と、実はそもそもそんなに違わないのではないかという気がしています。
私も事態を楽観視はしていません。長い時間をかければ状況は良くなるだろうという限りにおいて、今の状況は厳しいけど、未来はそんなに暗くないと思う、そういう方向に進むよう努力を続けることが大事ではないかと思う、その程度のことに過ぎません。
私が言いたいことは、これまでの記事の中で尽きていますが、こうこうこのような考え方や認識を持って中国や韓国と接していくべきではないでしょうか、という一つの提起です。その認識に立って、具体的にどう行動するかは、各人それぞれの判断だと思いますし、政府としても、状況に合わせて色々な結論があり得ると思っています。ですから、HacheさんやTMMさんのおっしゃることに私は異論はありません。
そういう意味では、TMMさんのご指摘通り、私の記事は抽象的で、中身の乏しいものかもしれません。(ただ、これは私のHPの方針でもあります。従来から、私は意識的に日本や日本人が「こうすべきだ」という何か答えめいたものを述べないようにしています。その理由は、これまでも断片的には述べてきたのですが、そのうち書いてみようと思います。)しかし、私自身にとっては、皆さんから色々なご意見をうかがうことができ、大変有益でした。
(付けたりですが、Hacheさんが生身の韓国人と接したご経験は、大変貴重なものと思います。私にも在日を含め、韓国人の友人はいます。その中には色々な考え方の人がいます。それが韓国国内の報道やネットなどで現れる一面的な姿と異なることには、注意が必要だと思います。)

>M.N.生さん
お久しぶりです。お言葉を聞けると何となくほっとしますね(笑)。
そうですね、このテーマを取り上げるのは、私自身、意外な気がします(笑)。決してモラリストの視点から述べているつもりではないので、いつものペースのつもりなんですが。
これまで何度か触れましたが、私が米国に次いで中心的に勉強したいと思っている地域は、北東アジア、次に(余裕があれば)中東なんです。私は、自分の力の限界が分かっているので、ある程度絞った領域における専門的な知見を養いたいと思っているのですが、その選択については、個人的嗜好もありますが、日本にとっての重要さを重視しています。
しかし、アジアについて意見を述べるのは難しいことを痛感します。次は北朝鮮について述べたいと思っていたのですが、よく考えます(笑)。
ご指摘、全くその通りというか、私が言いたいけどなかなかそこまでは言い切れないことを、より踏み込んでおっしゃって頂いている気がします。
「歴史的に言って、独立国家であった国が植民地化された例は、近代史では意外に少ない」という点は重要な指摘だと思います。特に、韓国が近隣国であったこと、ネーション・ステートとしての文明があったこと、アイデンティティを失わせるような同化政策がとられたことには注意を払うべきだと思います(こうした植民地史が日本の歴史学において明らかにされたのは実は70年代のことです)。

>Baatarismさん
それぞれの地域の事情や時代背景の違いを見ることも大切なんでしょうね。
「悪癖」については、ご指摘の通り、民主主義の暴走という面があると思います。日本の戦後左翼の反米運動にも似たような面がありました。長い目で見守ることが重要なのではないかと思います。

>妖怪さん
「全面的和解」については何とも言えませんが、相互理解を深めることについて言えば、必ずしもモラルな観点から出ているものとは思いませんし、戦略的提携と相反するものではない(むしろ補完的関係にある)気がします。現在の米国政権のアプローチも、地政学にとどまらない価値観の共有が一つの目安となっていますよね。

>tribal dubさん
記事に述べた通り、韓国の行動に無理がある事実は否定しません。正しいことをはっきり主張することは大事だと思います。ただ、そのことをもって、韓国が許容できない存在と見なすことが適切なのかどうか。ゼロか全てかという発想が正しいのでしょうか。
漁船の問題の決着は、厳しい状態にある二国間関係を考慮した上での対応であり、お互いが妥協点を見いだすという意味で、国際関係においてはあり得べき話と思います。
民主国家だからと言って、いつも仲の良い関係でいられるものではありません。米国すら、かつての経済交渉のやり方は無茶なところもありました。主権国家は、ルールをわずかに踏み外したところまで織り込みながら、国益を追求するものです。そこをどう歯止めをかけながら、現実の態様に応じて、自国の利益を最大化できるような妥協点を冷静に見出していくか。それが政府とリーダーに課せられた使命だと思います。

>standpoint1989さん
お久しぶりです。ブログ、楽しく読ませて頂いております。
確かに、民主国家間に紛争がなくなるわけではありません。相互依存が進むことで新たな紛争が生じることもあります。決して民主主義によって安定が担保されるものではありません。
しかし、だからといって日韓両国が戦争をするのか、あるいは一切の交流を断つのかと言えば、私はそれはあり得ないと思います。漁船問題にしても、日韓が民主国家であるからこそ、制度化されたプロセスが確保され、少なくとも責任ある機関が話し合うことができたわけです(北朝鮮の場合、六者協議一つ開くにもこの有様です)。
民主主義によって完全な何かが達成されるわけではありません。しかし、少なくともより望ましい状態に近づくことはできるのではないでしょうか。それはstandpointさんの、日本がどう対応を考えていくべきかという問題意識と両立するものと思います。
 
 
 
Unknown (妖怪)
2005-07-20 01:11:21
お返事ありがとうございます。
日韓の提携は。「価値観の共有」が理由なのか?「地政学的な考慮」が理由なのか?その点をハッキリさせるべきだと思うわけです。「地政学的に提携すべき」だからといって「あたかも既に価値観が共有されている」かのごとく振舞うのは自己欺瞞ではないのか?そういうふうに感じるわけです。中共よりは「共有」できているのかもしれません。しかし、それは部分的であり、それを理由として「友好を促進するべき」と考えるべきなのかどうか、疑問が残ります。それほどまでに「共有」しているんでしょうか?むしろ「価値観を共有していない」からこそ、地政学的には対立するはずのない日韓関係がこれほどまでに緊張しているのではないでしょうか?
もっとハッキリ言いましょう。現在の日本政府の対韓政策に、何か外交上の落ち度はあるんでしょうか?私はないと思います。もしそうだとすると、現在の日韓関係がどんなに悪いものであったとしても、現時点でこれ以上のものは望みえないのだから、十分に満足するべき水準だと思うよりほかない、と思うわけです。
日本側に努力するべきことはないのか?一般論としてはいつだって人間は努力するべき生き物でしょう。しかし、日本側の努力で帰られる範囲はごくわずかであろう、とも思うわけです。そして、人間に可能な努力はいつでも有限だ、ということです。

Hacheさんのおっしゃった
\"I hope so, but I don\'t expect\"はいいセリフだと思いました。私は後半にアクセントを置く者ですが。
 
 
 
驚くべきスピード(またしても長すぎです) (Hache)
2005-07-20 01:39:18
私がコメントをつけたときには、先行するコメント数が5でしたが、あっという間に14まで増えていてちょっとびっくりいたしました。勉強させていただくコメントが多くて楽しいです。やじゅんさんを困らせるつもりはないですが、ちょっと横道の話を書かせていただきます(blogをつくるのは少なくとも今はお許しください)。

もう6、7年前でしょうか、チョン・キョンファのバッハのパルティータを聴いていたら、一度生で聞いてみたいなと思って知り合いの韓国人に頼みました。「彼女はヨーロッパの講演スケジュールが一杯で韓国にすらなかなか戻れないんですよ」と残念そうな返事をもらいました。

四川出身の留学生の家で鍋パーティを開いたときに、「日本人の方は四川のことはあまりご存じないでしょうが」というので「出師の表」の話をしたら、嬉しそうにして三国志談義にふけりました。

以上は他愛のない話ですが、ネットやマスコミで流れている韓国人・中国人像というのは非常にぶれやすくてあまり信用しておりません。とくにネットで「嫌韓」・「嫌中」を煽っている方はかの国々で「反日」を煽っている連中と同じ精神的土壌の上に立ってように見えます。外交政策という国レベルの問題と国境を越えた人的交流は本質的に異なるものです。また、人的交流が進んだところで歴史認識問題が解決することはないだろうと思います。他方で、今後、韓国人や中国人が日本人と個人レベルでも接触すれば、国レベルの外交政策を考える際に感情論を和らげるでしょう。もちろん、不幸にして個人レベルの交流で日本人をもっと嫌いになる人もいるかもしれません。しかし、わが国の国民性を見るに、中・韓両国の国民から信頼されるだけの資質があるぐらいの自信と矜持を日本人にはもってほしいと思います。

やじゅん様は中韓の国家体制の違いを強調されていましたが、この点には少し異論があります。民主主義では民意が政治に反映するプロセスが制度化されていますが、中共の独裁体制ですら、「民意」を無視できないことは先日の反日デモでも示されていると思います。トクヴィルが『旧体制と大革命』でもこの点を分析の大きな視点の一つに据えているのは、興味深い点だと思います。専制政治では政府が民意に見放されたときに政権を交代する制度がないためにやれ革命だ、クーデターだと騒ぎが起きてしまう。それだけが民主主義と専制政治の違いだとは申しませんが、政治体制の違いは外交政策を考える上で二義的な問題であると思います。問題は、専制的な政府が外交交渉の結果を国内の諸勢力に強制または説得して受け入れさせる能力があるかどうかということだと考えます。

私は胡錦涛政権にあまり期待できないと考えております。台湾に対する稚拙な恫喝、反日デモにおける指導力の弱さ、人民元問題での対応のあまりの遅さなど国内をまとめるのに卓抜した手腕をもっているように思えないからです。韓国の現政権も同じような理由からあまり期待できないと考えております。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2005-07-20 06:50:24
不躾な私のコメントにお返事いただきありがとうございます。^^
確かに踏まれた者の痛みに対する配慮が足りない文章でした・・・。

「他者の視点」にたつ重要さは理解しております。しかし歴史を語る時には、当時どのような状況にあったのかを踏まえた上でないと見方を誤ると考えております。
そして歴史的事実と評価はきちんと分けて論じられるべきだとも思っております。
伊藤博文は安重根によって殺された、これは歴史的事実です。
安重根をテロリストと考えるか、祖国の英雄をとらえるかは立場によって分かれます。
これは評価の部分です。

>近隣の文明国であった韓国を植民地化した上、世界にも例を見ない極端な同化政策をとったことが、韓国人にとって大きなショックであったことは間違いありません

これは歴史の評価の部分であり捉え方は人それぞれですね。
物として扱われ、殺されても罪にさえ問われなかった白丁といわれる多くの奴隷を解放し人として教育を施した事を、その白丁がショックで辛いと感じるのならばそうなのでしょう。
当時の朝鮮が独立した文明国かどうかも評価の問題ですね。私としては疑問です。
(脱亜論をお読みいただければ、当時の朝鮮がどのような状況にあったのかその一端を知る事ができます。機会がありましたらご一読される事をお薦めいたします)

>世界にも例を見ない極端な同化政策

これはどのような事実をもってそうお感じになられるのでしょう。
ハングルを禁止した事ですか?日本名に改名する事を強制したとされていることですか?
もしそうなら、そのような事実はありません。むしろ逆です。ハングルを劣った文字として厳しく使用を禁止した朝鮮の王様はいましたが、総督府はハングルの普及に努め、学校でもハングルの授業がありました。
朝鮮では当時7割以上の人が文字を読めず書くことさえできませんでした。奪うもなにもかけない読めない人からどう奪うのでしょう。
日常においてもハングルで書かれた新聞が数種類発行されています。
日本名に変える事も強制ではありません。日本名に改名する人が多く紛らわしいと、総督府は改名をよく思ってはいませんでした。
朝鮮名を名乗る事によって差別されてもいません。朝鮮の名前をそのまま使っていた人も大勢いました。女優や俳優、憲兵、政治家、軍人、スポーツ選手、雑誌の懸賞に応募して当選した子供達、みな普通に朝鮮の名前を名乗っていました。(これらは書類や本や官報やポスターに残されています)

これが世界に類をみない同化政策でしょうか。でも併合された側からみればそうなのでしょうね。評価はそれぞれです。
それこそ植民地にされた(ここでは抵抗され戦いがありました)台湾では朝鮮より待遇が悪く、その上戦後賠償もしていないにかかわらず謝罪も賠償も求められてはおりませんから。


Hache様へ
>ネットやマスコミで流れている韓国人・中国人像というのは非常にぶれやすくてあまり信用しておりません。とくにネットで「嫌韓」・「嫌中」を煽っている方はかの国々で「反日」を煽っている連中と同じ精神的土壌の上に立ってように見えます

これは違います。
やってもいない悪事をでっち上げられ、それを根拠に未だに謝罪と賠償を求められて国旗を焼かれ侮辱されれば、誰だって怒るのではないですか?
そして調べればすぐ分る嘘と捏造を放置したまま、検証もせずに教え込んできた教師や新聞やテレビや政治家達にも彼らは怒っているのです。中韓の人々だけではありません。寧ろこちらの方にこそ強い憤りを感じているのではないでしょうか。信じていたものに裏切られ騙されてきたのですから。

反韓・反中といわれいる人達は、自ら疑問に感じた事を一つ一つ調べて検証し与えられた情報が間違っていたと気づいた人達です。(全員とはいいません。偏見に満ちた人達もいますから)
中韓のように政府に嘘を教え込まれたまま、煽られて反日感情を抱いている人達と同じ精神的土壌の上にいるとは思えません。

管理人様のプログの内容にふさわしくない書き込みをしてしまい、申し訳ありません。
書き込みはこれで控えさせていただきます。

従軍慰安婦はいない、朝鮮人の強制連行もない、創氏改名もない、ハングルを奪った事もない、これは評価ではなく事実です。
自称元従軍慰安婦の前で、土下座して泣きながら詫びる女子高校生の姿を見たときは愕然といたしました。彼女は元慰安婦の嘘の体験談を聞かされたのでしょう。
嘘をついている自称元従軍慰安婦は椅子にすわり、泣いている女子高校生を平然と見ていました。

日本は本当にこれでいいのでしょうか?
 
 
 
Unknown (くらりす)
2005-07-20 06:55:13
名前を入力せずに投稿してしましました。ごめんなさい。
管理人様の素敵なプログの雰囲気を壊すような事が無ければよいのですが。
 
 
 
Unknown (横レス失礼さん)
2005-07-20 18:05:41
くらりす様横レスですが失礼します

「脱亜論」の事なんですが。今、左派右派に祭り上げられた「福沢諭吉像」の再検討が色々なところで行われています。

で、その一つに脱亜論がありまして・・・実は、福沢諭吉の名義を使っているという事が分かってきております。石河幹明というお方が著した(時事新報に書いた)そうです。
 
 
 
Unknown (Baatarism)
2005-07-20 18:23:03
>くらりすさん
>従軍慰安婦はいない、朝鮮人の強制連行もない、創氏改名もない、ハングルを奪った事もない、これは評価ではなく事実です。

それは事実と言えるんでしょうか?

○従軍慰安婦
日中戦争〜太平洋戦争の頃に「従軍慰安婦」という言葉がなかったのは事実ですが、「慰安婦」と呼ばれる、兵士達相手に売春を行う女性はいました。ただし日本が国家として強制的に女性を慰安婦にしたという証拠はこれまで見つかっていません。

○朝鮮人の強制連行
これは太平洋戦争中に行われた戦時徴用を「強制連行」と呼ぶべきかどうかで論争が行われているのであって、多くの朝鮮人が徴用によって日本本土などに連れてこられて労働に従事したこと、中には過酷な労働条件のため死ぬ者もいたことは事実でしょう。

○創氏改名
多くの朝鮮人が日本風の名字を名乗ったことは事実です。それが朝鮮総督府の強制によるものであったか、それとも本人の自発的な意志によるものであったかは、今でも論争となっています。

○ハングル
日本統治時代の初期から中期にはハングルによる教育が行われていましたが、1940年前後からは、次第に日本語による教育が行われるようになりました。

どうも用語の使い方がおかしいという話がいつのまにか事実そのものが存在しないと言う話にすり替わっていたり、まだ論争の決着がついていないことについて一方の意見だけを採り上げたりしてるように思うのですが。
 
 
 
Unknown (kws)
2005-07-20 21:08:17
やじゅんさん

>「交渉ごと」の「妥協点」

個人的には、日韓関係というのは日韓双方の旧軍関係者や朝鮮総督府関係者が個人的なコネクションを最大限に活かして築いてきたものだと思っています。
彼らの間には共通した価値観がありました。
日本的な価値観を共有出来たでしょうし、韓国側から見ればそういった日本人は同胞ですから反発の対象にはならなかったはずです。
こういった土台の上で過去の日韓の交渉は行われ、妥協点を見出してきました。
日韓は彼らという通訳を通すことによって意思の疎通を図ってきたと言ってもいいと思います。

現在、こういった方々は第一線を退いており、今後の日韓両政府はこういった通訳に頼らずに日韓関係を構築していかざるを得ません。
土台からの作り直しです。
土台を民主主義的価値観に置くなら、日本が韓国のレベルに合わせることは出来ませんし、してはなりません。
韓国国民が少なくとも民族主義より民主主義的価値観に重きを置くようになるまでは待っていなければならないでしょう。

しかし、待っている間にも問題は起こり続けます。
懸案事項については、日韓の両論を併記し問題を先送りするしか手はありません。
韓国が対日交渉において朱子学の名分論的な道徳を基準とした交渉姿勢を撤回しない限り、日韓交渉は基本的にゼロサムゲームですから。
問題を解決しないと国が立ち行かないというような事態が日韓のどちらかに起こらない限り、20年、30年という単位で時間を必要とするんじゃないでしょうか。


あと、蛇足みたいなもんですが、「反日」という共通項があるため、いわゆる日本のサヨクと韓国の仲は良好です。
韓国の一般大衆が反日の理論すら日本人が教えたと知ったらどういう反応をするのかはわかりませんが。
 
 
 
Unknown (TMM)
2005-07-20 22:31:52
>やじゅんさんへ
偉そうなことを書いてしまったと反省しております。どうぞお気になさらずに、思いのまま、ご自由に、お書きください。

>baatarismさんへ
私もほとんど同意です。創氏改名については、創氏はすべて強制で、改名については任意でした。創氏のうち80%は設定創氏(日本風などに変更)で20%が法定創氏(もとの姓をそのまま氏として使用)されたと聞いています。この80%の設定創氏が、日本側の圧力によって変えたのかどうかが問題だと思います。
 
 
 
またまたびっくり (Hache)
2005-07-21 02:03:35
>>妖怪様
私自身は、中国を抑止できればそれにこしたことはないが、破られた場合、戦後史にはなかった政治決断が必要になるだろうと考えております。抑止できればそれにこしたことはないですが、万が一の場合の備えも必要という意味でこのような感想を書かせていただきました。

>>くらりす様
中韓の「反日」に日本人が煽られる必要はないとお読みください。本音を書いてしまうと友達が減りそうなので憚れますが、盧武鉉大統領が竹島問題をアメリカにもちかけるたびにあまりの稚拙さに頭が痛いです。中国の勘違い少将が自爆発言をすると、笑いがこみ上げてくるのを禁じえません。

韓国の反日感情には植民地化のコンプレックスに加えて戦後今なお経済のレベルでも名目GDPで日本の15%にも満たないという現実もあるのでしょう。中国の場合、軍事的な問題があるので(台湾にたいする公式見解(反国家分裂法のような稚拙な法律ではなくて国防白書でも異様です)、韓国よりも難しいと思います。

私みたいなずぼらな人間からすると、日本人は几帳面すぎる感じがいたします。やじゅんさんの「日本の歴史問題への米国からの視点」というエントリーで「確信犯」と「アカデミズム」に二分されていますが、現在、問題になっている反日論の大多数は前者なのでよく言えばディベート、悪く言えば相手のあら捜しにすぎないと思います。まじめに相手をすれば、相手がつけあがるだけです。

反日は 人畜無害 春の雪

>>やじゅん様
今回のエントリーのご趣旨から離れてしまうのですが、戦後60周年における私自身の関心は敗戦国の立場から現状維持勢力に変化した自国の状況に日本人が自覚的でない現状を変えるにはどうしたらよいのかということにあります。へんてこりんな問題意識なのですが、「敗戦国の幸福な衰退史」という視点で戦後を考えております。経済大国となりながらその力の使い方を知らない国がどうやってこの先を生き延びるのか。まだはっきりとした考えがまとまっているわけではないのですが。怠惰なのでblogをつくるかどうかはわかりませんが、落ち着いたときにいろいろな御意見を賜れる場をつくるのもおもしろいかなと考えております。
 
 
 
はじめまして (OKE)
2005-07-21 03:49:05
アメリカの視点や空気など、いろいろ勉強させていただいてます。
こちらのやり取りで、数点ちと気になったので調べてみました。

●創氏改名について。
 朝鮮では姓は結婚しても変わらない(夫婦別姓−といっても自由意志ではなく、姓は父系の血縁を示す)といったシステムなのを、日本の「家制度」による戸籍管理のように変更したのが「創氏」です。システムの変更はありましたが、特に日本風の苗字にする必要はなかったようですね。
 ちなみに、当時の朝鮮戸籍には父系の旧姓をあらわす「本貫」という欄があって、古い姓も残されていたようです(日本国籍には無い)。
 つまり、創氏というのは従来の「姓」「名」にプラスして、日本ふうの家を表す「氏」を付け足すということだったようです。名前を奪ったわけでなく、管理用の「氏」を付け足した、ってことですね。

 当時朝鮮の伝統とは違う家制度をもちこんだのは確かに同化政策の一環とはいえるでしょう。

 改名については、ついでに「名」を変えてもいいよ、くらいの話で別段問題のあることだとは思えませんが。


●ハングル教育について
 日韓併合当時の朝鮮ではハングル自体あまり普及していなかった、というより識字率も低かった状態であったため、朝鮮総督府はまず平易なハングルを教育したようです。
 そのうち同化政策の一環として日本語を国語と教育していくようになったわけですが、ハングルおよび朝鮮語自体は禁止されたわけではありません。朝鮮語を選択科目にしただけですね。まあ、格下げであることは確かですが、「朝鮮は日本の一地方」ととらえていた日本政府の対応としては筋が通っているんではないでしょうか。

●強制連行
 まあ、ようは徴兵・徴用なわけで。当時であれば国民の義務ですから、朝鮮地方の人間だからといって差別せず「本土の」日本人と「平等」に扱ったともとれるわけです。これをもって「差別・迫害」とのみとらえるのは見方が一面的過ぎるでしょうね。

 ちなみに、俄か知識なんで間違いなどあるかもしれませんです…。
 
 
 
Unknown (motton)
2005-07-21 12:41:26
近代的な意味でのネーション・ステート(国民国家)や文明国家は、大日本帝国の
登場まで東アジアにはありませんでした。

莫大な予算を使ったであろう同化政策の基本は、国民の創出であり、大日本帝国
の国民としてのアイデンティティを付け加えるものであって、民族としての
アイデンティティを置き換えることを主眼としたものではありませんでした。
国民の創出が近代国家の基本であったことはもっと重要視されてよいと思います。

しかし、大日本帝国が基礎とした日本社会は日本人(大和民族)特有の構造
-- 『菊と刀』や『日本人とユダヤ人』などで言及されているもの --
を持っていて、それを人々の内面に踏み込んで押し付けてしまったのでしょう。

それでも、沖縄や台湾を見るとある程度は成功したように思えますが、
朝鮮の場合は、戦争により民族意識を捨てさせて同化を急いだこともあります
が、同化政策へむしろ積極的に協力したことへの恥、小中華思想や“恨”と
いった特有の思考様式、国家の正統性が抗日とされたこと、上で説明した近代
国民国家への無知などが原因で反発を生んでいると思います。
 
 
 
マンガ嫌韓流 (九郎政宗)
2005-07-21 19:59:37
この本は、売れたほうがいいか、売れないほうがいいか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488380478X/249-2246446-7769167


・・・別に売れてもかまわないんじゃないかな。

どうせ買うのは(しかも一人で何冊もw)アフォばかりだから

世間にこれ以上民族差別が広まることもない。

(そもそもネットでタダで読めたものなのにねw)


出版社はアフォから金をかっぱいで満足するし、

アフォはおもうさま民族差別感情を満足させてルサンチマンを解消するしw

地域の書店がうるおうし、

三方一両損どころか誰も(主観的には)損をしていない(@∀@)


・・・客観的には、明らかに銭を失ってる奴がいるわけだがなw


▼CLick for Anti War 九郎政宗 (http://d.hatena.ne.jp/claw/20050718)

 
 
 
コメントのお返事(長いです) (やじゅん)
2005-07-21 21:30:44
>妖怪さん
どうも、こんにちは。
最初の問いについてですが、私の答えは、これまで述べた通り、日本は日本にとって何が得なのかをまず考えるべき、です。その意味では、相互理解を進めることそれ自体は目的ではなく、利益最大化の手段に過ぎません(米国の場合、「価値観の共有」についてイデオロギーがかったところがありますが、日本は、明治以来、現実主義の外交を志向してきましたし、私もそうあるべきだと思っています)。その目標を達成するために、相互理解を目指すことは、日本にとって何の損もない話だと私は思います。
後半部分、おっしゃる通りだと思います。ですから、日本はこれまで通りの努力を続ければ良いと思います。また、日本人の韓国に対する理解が進めば(私は最近の映画を見るまで韓国の現代文化を知りませんでした)、それはそれで相互理解の進展に良い効果をもたらすと思います。

>Hacheさん
チョン・キョンファはライブで聞くことが重要らしいですね。日本には結構頻繁に来ているとか(半可通です(笑))。
私もコメントのペースにびっくりしています。
私も言葉の使い方が良くなかったと反省していますが、おっしゃる通り、歴史認識が一致するという意味での「解決」はあり得ないでしょうね。クローチェやカーらが述べているように、歴史は、現代に生きる人の主体的な思考から離れて存在できないものです。論争的な事実をどう評価するか、また仮に事実に疑義がないとしても、それを大きな流れの中でどう位置づけるのか、それは各人の考え方次第です。
そのことを前提としながらも、しかし歴史は感情や政治的思惑から離れた科学的なものであるべきと思います。その意味で、お互いが冷静に歴史を振り返ることができるようになる時はいずれ訪れるかもしれない(論争として残る部分はもちろんあると思いますが)、希望的観測かもしれませんが、そういった理想を持つことは無益なことではないと思います。戦後60年の期間では(植民地史の研究が始まったのはもっと後です)、おそらくまだ十分ではないのでしょう。
後半部分は、もしかしたら私が「民主国家である韓国の方が過去の問題は話しやすい」と述べていると理解されたのでしょうか。中韓における過去の問題の政治化の背景は異なること、非民主国家を信頼できるパートナーとして扱うことには限界があること、これらが私の述べたかったことなのですが。
政治体制については、外交を考える上で、大変重要な要素だと思います。その国とどう付き合うかを考える上で、一つの重要な判断材料となると思うからです。古い記事ですので、すでにご覧になっているかもしれませんが、以下もご参照頂ければと思います。
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/0707857b21a83e0c80d68d7e716d0c40
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/ae613d679a6e07115638d0ee979d970c
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/8ee82e14c7faed27c2d77fe8d1e6ce0e
中国がもはや一枚岩のように情報を統制することができなくなった点は重要な指摘と思います(そもそも昔からどれほどできていたのかという議論もありますが)。ご指摘の反日デモの他、先般の朱教授の暴言もその一端の表れのような気がします。
最後のご意見は、何だか壮大なテーマのようで、面白そうです。このHPの場で良ければそのうちご意見を聞かせて下さい。

>くらりすさん
心のこもったコメント、どうもありがとうございました。誠実なお気遣いに感謝いたします。
私が昨今の中国・韓国を批判する人たちを見て感じるのは、生身の韓国人や中国人を考えたことがあるのだろうか、という疑問なのです。当たり前のことですが、彼らも同じ人間です。色々な考え方の人がいます。報道やネットに現れている姿や、政府の公式ステートメントのように単純化されたイメージに尽きるものではありません。社会全体がどう動いているのかを見ることは必要ですが、同時に、その中で生きている個人を見ずして相手を本当に理解することはできないと思います。まして、人格を否定するような言動は論外でしょう。
そういった人たちはおそらく一部なのでしょう。くらりすさんがそのような方ではないことは分かります。しかし、こういった言論はとかく強烈に映ります。意見の強さゆえ影響を受ける人もいるでしょうし、中国や韓国からも、これが日本人か、と思われるでしょう。杞憂であれば良いのですが、不安をおぼえます。
歴史について、科学的に考えることの大切さ、まったくご指摘の通りです。日韓ともに、感情や政治性を離れて、冷静に振り返ることができる時が来ればと切に思います。

>横レス失礼さん
これは承知していませんでした。どうもありがとうございます。これから注意してみたいと思います。
一方で、福沢個人の思想はともかく、脱亜論的発想、つまり西欧的近代化を志向する中で、東洋を後進的世界と規定することが、当時の影響力のある思潮であったことは事実なのでしょうね。

>Baatarismさん
ありがとうございます。私の考えはHacheさんとくらりすさんへのお答えの通りです。

>kwsさん
一口にコメントしにくい難しい話をされていますが、いずれにしても、忍耐強く考え続けなくてはいけない点に同意します。歩み寄りが困難な問題は先送りにしながら、M.N.生さんやHacheさんも述べられた本質的・機能的協力を強めていくことは、真っ当な考えだと思います(韓国を批判する人の中には、歩み寄りが困難な問題を強調するあまり、本来あるべき協力関係まで否定する人も多いのではないでしょうか)。
日韓関係の過去と現在の比較ですが、確かに政治家のコネクションがかつてと比べて弱い(確たることは言えないのですが)点、課題かと思います。ただ、何と言っても、かつての韓国は軍事独裁政権でした。それゆえに、国と国との関係や価値観の共有ではなく、個人的なコネクションに頼ってきた(頼らざるを得なかった)事情もあったと思います。韓国が普通の国になった今のほうが、日本として付き合いやすいということは確かだと私は思います。ただ、かつての個人的ネットワークは一つの資産ですから、それを引き継いで育てることも大切かと思います。

>Baatarismさん
>TMMさん
>OKEさん
大変参考になりました。どうもありがとうございます。

>mottonさん
コメントありがとうございます。ご趣旨は理解しますが、こういう評価の部分については、一概に結論は出せない難しい問題だと思います。少なくとも韓国の側からは受け入れがたい考え方のように思います。

>九郎政宗さん
「嫌韓流」で検索してここを訪れる方が結構いるようでしたが、この漫画のせいだったのですね。
色々な意見があって然るべきとは思いますが、建設的な議論ができるようにありたいものです。
 
 
 
Unknown (妖怪)
2005-07-21 23:26:53
またまた、私のあやふやなコメントにお返事をいただきありがとうございます。たいへんよくわかりました。実はやじゅんさんに向けたというよりは、一般によくある「日韓友好論」に対して向けた、という性格が濃いものでしたので、そのあたりをきちんと明確化するべきだったかな?と思っております。「
また、あやふやな感想をつけて申し訳ないのですが、軽くコメントさせてください。私としては日本国が「明治以来の現実主義外交の志向」では対応しきれない状況に直面することはないだろうか?と不安に思うことがあります。大日本帝国が、WW1後の、アメリカ、ソ連、中国のもたらした新しい状況に対応しきれなかったように、強烈なイデオロギーを掲げる国家からの挑戦を受けた場合、はたして日本の現実主義志向はどこまで対応できるのだろうか?ということです。中国も韓国も(少なくとも表面上は)イデオロギー的になりつつありますし、アメリカだっていつ「日本の民主主義はまがいものだ。日本は異質だ」と言い出すかわかったものではありません。「日本型現実主義」ははたしてこういう理不尽とも言える状況に対応しつづけることができるでしょうか?そういう不安を感じております。オフトピックですみません。それでは。
 
 
 
Unknown (TIG)
2005-07-22 11:24:59
>やじゅん様
九郎正宗氏のコメントはコピペSPAMですのでお相手になさらぬほうが宜しいかと存じます。個人的には彼と建設的な議論を望むのは徒労に終わると思いますし。
 
 
 
恐縮ですが (Hache)
2005-07-23 04:11:15
コメント数を拝見すると、これ以上、コメントすべきか迷いました。厚かましいので簡単に述べさせていただきます。

ご紹介頂いた「反米?嫌米?」シリーズは通して拝見しております。あらためて拝見してやじゅんさんのスタンスに大きなブレがないことがよくわかりました。

全体の討論を通して感じたのは、歴史認識問題を政治レベルで扱ってしまうと、感情論を排除することが難しくなってしまう。政治問題化しないのが好ましいが、政治問題になったときにどう対処するのか。この点でやじゅんさんのエントリーがあらためて熟慮されていることを感じました。国内的には歴史をて自由に研究する風土が育成できれば十分だと思います。

民主主義が普遍的な政体かどうか、私自身には確信がありません。他の政治体制はもう勘弁というのが率直なところです。アメリカのように理念として前面に押し出すことにはどこか含羞があります。アメリカと価値を共有することは大切ですが、対外的にそれを表明する際にはアメリカのように理念としてストレートではなく、日本は歴史から学んだことを表明する方が自然だと思います。明治・大正の民主化のプロセスもふまえてですが。

中国と韓国の違いへの対応の差は私自身は、彼らのナショナリズムの程度と能力を基準に考えております。韓国の場合、北との統一がナショナリズムの高揚の限界で統一後は現状を維持するのにも苦労するでしょう。他方で中国は仮に民主化が進んでも、彼らのナショナリズムがどこで妥協するのかが、現在は見えません。中国に関して政治体制がかならずしも本質的な問題ではないと考えるのは上記のことが背景にあります。杞憂かもしれませんが、共産党独裁の方が交渉が容易だったという可能性があると考えております。中国のナショナリズムは100年以上続き、自治の回復から拡張へ変質したと評価しております。政治体制や中国人の意図よりも、彼らが準備している手段とそれが実現した場合の結果により注意を払った方がよいと考えております。

けっきょく長くなってしまって誠に申し訳ありません。
 
 
 
日本は近隣国の民主主義のレベル向上に積極的に働きかけるべきか? (TMM)
2005-07-23 11:11:20
Hacheさん、やじゅんさんの民主主義に関するご指摘は大変興味深いです。
言われる通り、民主主義が現在考えられる最もましな政治形態だと思います。しかし、国民の意識が成熟していないと政治のレベルも低いものとなります。
今の中国が民主化した方がかえってやっかいな相手になるというご懸念も尤もだと思います。
理想的には成熟した理性を持つ国民による民主主義だとすれば、日本は周辺諸国に対して民主主義のレベルの向上に手を出すべきか?あるいはただ国民の意識が向上をするのを待つべきか?私は、できることはするべきではないかと思います。
(民主化と違うかもしれませんが)やじゅんんさんが言及されていたように、日本人を送り込んだり、留学生の受け入れで、知日派を増加させるなど。
 
 
 
コメントのお返事(すみません、長いです) (やじゅん)
2005-07-23 22:15:17
>妖怪さん
ご指摘は示唆に富むものと思いました。相互理解そのものを自己目的と考えることは、個人の考えとしては尊いと思いますが、国の政策として考えることには疑問があります。国益の観点を離れて、過度に思い入れを強めることは、独りよがりの思考につながり、かえってお互いにとって迷惑になることもあると思います。かつてアジアの近代化や解放を唱えた人たちの思考も、思い入れの強さがあだになっていた気がします(ちなみに、こうした陥穽は米国にも当てはまるときがある気がします)。いずれにしても、一見冷たく見えるかもしれませんが、透徹した現実主義を足場にもつこと、その上で、相互理解などポジティブサムの発想で臨むことが重要かと思います。
後段について、大変興味深いご指摘と思いました。確かに理不尽な状況や短期的な視点からの利害の衝突によって荒波にさらされるときはあると思います。しかし、自由と民主主義を理解し、制度化している国同士であれば、理不尽な理由で、取り返しのつかないところまで関係が悪化することはないと私は思います。多元的な意見が認められ、政権交代が制度化されていれば、いずれの国にせよ、極端に理不尽な政策が、責任ある政府によって採用されることはないと思うからです。いかに韓国における嫌米感情が高まっても、米韓同盟が破棄されることはあり得ません。米国について、ブライス元駐米英国大使は「米国人は外国に対して不公正な行為を行った場合、(中略)必ず自分たちの意思で後に不公正を正しています。」と述べたそうですが、箴言だと思います。私たちの国もそうでしょう。現在の体制であれば、大日本帝国のような過ちを犯すことはあり得ないと思いますから。

>TIGさん
コピペSPAMというものがあるとは知りませんでした。ご親切ありがとうございます。

>Hacheさん
Hacheさんのような方からご感想や意見をうかがうことは、私にとっては大変ありがたいことですから、ご遠慮なさらずに自由に書いて頂ければと思います。古い記事に対するコメントも大歓迎です。

民主主義に関する日本と米国との比較について、私も同感です。私は日本が米国と同じことをする必要はないし、するべきでもないと思っています。
以下の記事では、米国の特殊性として宗教性の強さを挙げましたが、理屈では割り切れない動機付けが米国には存在することには注意が必要です。
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/0e81a45d41846f37fb9be6f3ea088433
ウィルソン主義の伝統のためか、人権や民主主義の伝導それ自体を主張する勢力の中には、この宗教性と結びついている人も多いのです(個別の議員を見ると分かります)。こうした善意は尊いものではありますが、一つ間違えると独善的になったり、そうでなくても周りからは行動が「読めない」ので、不安を感じさせます。だから良いとか悪いとか、一概に言える話ではないのですが、一つの現実として知っておくべきとは思います。
日本は、近代化以来、欧米のような宗教・政治イデオロギーに左右されることなく、現実主義を貫いてきたとの評価は、入江昭氏などによって既になされてきたところです(その現実主義がどれほどクオリティの高いものであったかは別の話です)。国力の限界を見据えたこともあるでしょうが、私がHacheさんとのお話の中でも何度か述べてきた、近代化以前の思想の無構造(こだわりのなさ)もあったような気がします。

中国について、実は私もほぼ同じことを考えています。
以下の記事のコメント欄で「中韓両国が一流の近代国家として成長していくことに日本として対処する必要はないのか」と書きましたが、ここで述べたかったことは、中国が民主化したあとの対応の方が、色々な意味で、むしろ日本にとって厳しい課題になるかもしれない、ということです。
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/7e6877b650134343ca8817992829d01a
Hacheさんのおっしゃる通りで、短期的な交渉について言えば、非民主国家の方がよほど楽な面はあります。交渉する相手はいつも同じ、(体制次第ですが)議会のような厄介な存在もない、秘密外交も可能と、古典的な宮廷外交に近いイメージになるわけです。
ただ、以下の記事で述べましたが、現実問題として、私は中国の一党独裁は続かない、長い目で見れば、いずれ何らかの変革が訪れると思います。
http://blog.goo.ne.jp/junyastone/e/56a257c1c51310a67931681cc25b29b0
それは基本的には中国自身の話ですから、我々が考えても仕方ないところではあります(あくまで「基本的には」ですが・・・この記事の上の方で述べた歴史教育の話が一つの例ですが、実は内政干渉のルールの境界線が非常に曖昧であるところも、したたかな外交をする上では考えるべきポイントかと思います)。結局今の現実の態様にあわせて、できることを探すのがまず重要かと思います。それと両立する上で、Hacheさんのおっしゃる通り、未来の予測に合わせた戦略的な行動を考えることは、意味のあることでしょう。

>TMMさん
全く同感です。達成すべき利益とリソースの限界を慎重に考えた上で、できることは一生懸命やる、これは外交の要諦であると思います。中韓との関係にせよ、民主化の支援にせよ、全てに当てはまります。熟慮の末、ベストを尽くす姿勢こそ何より大事であって、米国のような力もこだわりのない日本が同じことをする必要はないでしょうし、また、シニシズムに陥って無為に過ごすべきでもないでしょう。この件については他の記事でも色々述べていますので、よろしければ、Hacheさんへのお答えの中で述べた記事などを中心にご一覧頂ければと思います。
 
 
 
黙ってコソコソ (jbう゛ぇあjへr)
2005-07-24 15:32:47
おや〜?w

>お互いに殺し合う経験をした者同士

という記載が、いつの間にか

>お互いに傷つけ合う経験をした者同士

に変わってるゾ〜wwww

この調子でこれからも都合の悪いことや間違いは、黙ってコソ〜ッと改変して知らんぷりするわけねwww

ま、これからもタノシク見てるかんねw
 
 
 
「黙ってコソコソ 」の件 (jbう゛ぇあjへr)
2005-07-24 15:41:09
今、コメントを読み返してみたら、7/20のコメントで一応ことわってるのね。
これは失礼しました。
前言は撤回します。


しかし、何処をどう改変したか分かるように、線で消した上で直した方がいいだろね。
良心的なブロガーはみんなやってるんだし。

あと、「規模や形式は本質的要素ではない」とあるけど、どういう意味?
只の負け惜しみ?
そんなこと言ったら、何でもアリで論議なんぞできへんやんか?
 
 
 
補足説明 (やじゅん)
2005-07-26 23:53:04
>jbう゛ぇあjへrさん
「戦争」がなければ「殺し合い」はなかったと言うのかどうかは、この場合、各人の言葉の使い方の問題に過ぎず、ここでの議論の本質に影響を与えないということです。修正したのは、ご指摘のような印象を与えた点を踏まえ、いらぬ誤解を招くおそれや文言のきつさを考慮したまでです。
修正したことを本文に明記する必要があるかどうかはそのときどきの状況に応じて決めています。今回は必要ないものと判断しました。
 
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