福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した事件で、福島地裁が無罪とした被告の医師は20日記者会見し、早期の現場復帰に意欲をみせた。女性の父親は判決を受けて「残念な結果」と話し、再発防止を県に求めた。福島市内ではシンポジウムも開かれ、問題の在りかを探る動きが広がった。
無罪判決後、福島市内で記者会見した加藤克彦医師(40)は冒頭、死亡した女性と遺族に対し「本当に申し訳なく思っています。(女性の)ご冥福をお祈りします」と謝罪し、何度も頭を下げた。その上で「今後、地域医療の現場で患者さんにできることを私なりに精いっぱいやっていきたい」と決意を述べた。
これまでの公判で、遺族が証言台に立ったこともあった。加藤医師は、「(女性の)子どもをあやす顔が忘れられない」「大人なのだから、きちんとした罰を受けてほしい」という遺族の言葉が忘れられないという。(22:07)