セクハラ問題で処分を受けた元NHK熊本放送局長が、定年退職後に関連団体に再就職していた問題が分かった15日、同様に不祥事後に退職したNHKの元幹部が関連団体に再雇用されたり、番組批評のモニターとして採用され報酬を受け取っていたりすることも明らかになった。
99〜04年に出張旅費の不正処理をした元山口放送局長は、処分後に依願退職したものの、関連団体「NHKサービスセンター」に契約職員として雇用されていた。出張の取りやめや日程変更があったのに、計約51万円(29件分)の戻し入れを忘れたとされ、06年6月に停職1カ月の処分を受けた後、依願退職。しかし07年10月に1年契約で雇用され、視聴者からの電子メールに対応する業務にあたっている。同サービスセンターは「すでに社会的制裁を受けており、放送の経験が豊富で適性があると判断した」としている。
元富山放送局長は06年5月、富山市内のホームセンターでボールペン、ひげそりなど計7点(約5千円相当)を万引きしたとして、停職3カ月の懲戒処分を受けた。その後、依願退職したが昨年11月からNHK放送センター(東京・渋谷)の考査室で専門モニターとして番組の批評などを報告し、報酬を得ているという。期間は今年10月まで。NHK広報局は「長年の知識や経験を発揮してもらいたいと思い委嘱した」と説明している。