福島・帝王切開手術女性死亡事件 「標準的な医療措置」と産婦人科医に無罪判決
2004年に福島の県立病院で帝王切開手術を受けた女性が、まれな胎盤の疾患の措置で大量出血を起こし死亡した事件で、福島地裁は20日、「医師の対応は標準的な医療措置だった」などとして執刀医に無罪判決を言い渡した。
この事件は、通常の医療行為における医師の判断にまで捜査当局が踏み込んだとして注目された。
産科医不足を加速させたと言われる中、地裁前には多くの医療関係者の姿があった。
産婦人科医は「これがもし有罪なら、毎日の診療はできない」、「これ(逮捕)を契機に、日本の周産期医療そのものが崩れてしまったと思う。無罪になって、これで止まるのかなと思う」などと語った。
判決後、加藤克彦医師(40)は「(判決を聞いたとき)ほっとしました。わかっていただけてよかったと感じました。働きたい、早く働きたいです」と語った。
死亡した女性の父・渡辺好男さんは「父として残念な結果と受け止めるとともに、今後の医療界に不安を感じざるを得ない」と語った。
そして、舛添厚労相は「われわれとしては、こういうことを踏まえたうえで、これからの事故調査のあり方を含め、きちんと粛々と検討を続けていきたい」と述べた。
今後の医療界について、渡辺好男さんは「医療側に変わってもらいたい。原因を追及して、防止策を立ててもらいたい」と語った。
(08/20 18:25 福島テレビ)