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【社会】

北京で米男性刺殺される コーチの親類観光地で襲われ

2008年8月10日 朝刊

米男子バレーボールチームのコーチの親類らが殺傷された「鼓楼」(後方)の調べを終えた警察官=9日午後、北京市内で(共同)

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 【北京=新貝憲弘】中国国営新華社通信などによると、北京市内にある歴史建築物「鼓楼」の二階で九日正午(日本時間同日午後一時)すぎ、北京五輪に参加している米男子バレーボールチームのコーチの親族ら三人が中国人の男にナイフで襲われた。このうち米国人男性一人が死亡、米国人女性とガイドの中国人女性がそれぞれ重傷を負った。男は犯行後に鼓楼から飛び降りて死亡した。

 新華社電によると、自殺した男は持っていた身分証明書から浙江省杭州市出身の唐永明容疑者(47)と判明したが、動機は不明という。襲われた米国人二人は観光ビザで入国しており、AP通信は米五輪委員会スポークスマンの話として「(襲われた二人は)五輪関係者と分かる物は身に着けていなかった」と伝えた。事件は五輪開会式出席のため訪中したブッシュ米大統領にも報告された。

 現場には同日夕、百人以上の海外メディアが詰め掛けたが、周辺の住民らは一様に「何も知らない」と語った。

 鼓楼は北京市中心部の故宮から真北へ約二キロ。太鼓を鳴らして時間を知らせた楼閣として十五世紀に建築された。周囲には「胡同(フートン)」と呼ばれる古い街並みもあり、主要観光地として親しまれている。

米大統領が弔意

 【北京=共同】米ホワイトハウス当局者は九日、北京滞在中のブッシュ米大統領が同日、米国人旅行客らが襲われ死亡した事件について報告を受け、犠牲者の遺族に対する哀悼の意を表明したと発表した。ホワイトハウスと北京の米大使館は遺族を最大限支援するとともに中国当局に事件について照会している。

 

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