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傍聴には多くの医師の姿―大野病院事件判決

 大野病院事件に対する医療界の注目度は高く、判決公判が開かれた福島地裁前には、25枚の傍聴券を求め、788人が列を作った。

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 抽選に漏れた人たちの一部は、同地裁前で裁判を見守る。医療関係者の姿も多い。
 午前10時に公判が始まって間もなく、マスコミ各社の記者が速報を送る様子から、見守る人たちにも「無罪」判決が知れ渡った。
 神奈川県の川崎市立井田病院地域医療部長の鈴木厚医師は、無罪判決を聞き、「患者のために医師が行う本来の治療を本気ですることができる。医療者はこの判決を聞くまでは、腰が引けてしまって重症患者をほかの病院に送るなど、最善の治療を行うことから逃げざるを得なかった。今回は、彼が精一杯の治療を患者さんのために行ったことが不幸な結果になってしまった。しかし、この判決で、わたしたち医療者は勇気百倍になった。特に外科医療に携わる医師たちは、安心して医療ができるのではないか」と話す。

 同じ神奈川県の総合高津中央病院の小笠原加奈子医師は、被告の加藤医師と同じ産婦人科医長。「産科医の目から見て、同じ地域や状況にあったとしたら、私でも患者さんを助けることはできないだろう。30分で決着がついて不幸な結果になる。家族への説明がなかったとの指摘もあるが、あの状況では手を放すことなどできない。これで逮捕されるのでは、わたしたちは医療を続けることはできない」と語った。

 産婦人科勤務医の太田寛医師は、東京から傍聴に足を運んだ。「そもそも刑事事件になるような話ではなく、無罪判決は当然。産科に限らず、重篤な患者は救急などをしていれば目の前に来ることはある。今回のケースは本当に難しいケースで、悪質な医療過誤などとは同列に扱ってほしくない」と話す。
さらに、「この事件の影響で、福島県立病院に産科がなくなってしまった。もし加藤医師に間違いがあるとすれば、たった一人で(福島県立大野病院の)産婦人科で働き続けたことではないだろうか。これは行政システムに踏み込まないといけない問題だ」と指摘した。


更新:2008/08/20 13:58   キャリアブレイン


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