2008年8月19日 19時25分更新
岩国市のアメリカ軍岩国基地を民間空港として利用する計画を進める見返りに、市内の宅地開発事業の跡地に軍の兵士の住宅を建設することを受け入れるよう国が市に打診していたことを示す文書を岩国市が作成していた事が分かりました。
アメリカ軍岩国基地を民間空港として利用する計画については、山口県や岩国市が国に対して実現を要望し、国もアメリカ側と調整を進める考えを示しています。
岩国市が作成した内部の報告書によりますと、防衛省は、ことし4月、民間空港の計画を地元の要望にそう形で進めているとした上で、「アメリカ軍の再編を円滑に進めるための見返りが必要だ」と伝えてきたということです。
その上で、岩国基地の滑走路の沖合移設のために埋め立て用の土砂の採取が行われ、その跡地を宅地として分譲する計画があった愛宕山地域に、空母艦載機部隊の移転に伴う兵士などの住宅を建設することを受け入れるよう水面下で打診してきたということです。
また、愛宕山地域だけでは住宅用地が足りないとして隣接する市の土地、およそ15ヘクタールについても国への売却を検討するよう要望があったとしています。
これについて防衛省では、「民間空港の推進とアメリカ軍の住宅の建設をリンクさせた事実はない。住宅については場所や必要な戸数をアメリカ軍と協議しているところだ」と話しています。