大麻所持容疑で逮捕された大相撲前頭の若ノ鵬はロシア・北オセチア出身である。グルジア紛争で知られた南オセチアと国境を接した共和国だが、遠い国をとんだ不祥事でも有名にした 大相撲の国際化を象徴する事件だろう。初土俵から3年半、20歳になったばかりで独身なのに特例でマンション暮らし。六本木で遊んで朝稽古に出ないこともしばしばという。親方のしつけや指導はどこにあったのか 外国人力士が問題を起こすたび「文化」や「しきたり」の指導が足りないとの声が上がるが、元々教育もしつけもできていない腕力自慢の外国の少年を日本に連れてきて、結構な給料を出して甘やかせば、どこの国の若者だろうと勘違いする 親子に例えられる相撲部屋の師弟関係である。国際化で親方の責任が重くなったことは間違いない。が、朝青龍騒動でたたかれた高砂親方が自著「親方はつらいよ」(文春新書)の中で語っている。「父権を振りかざさない師匠を目指した」と 父権の弱体化は一般家庭だけではなかった。子を甘やかし、何でもカネで片付ける現代日本の「親」そのものが見えて来る。
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