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『デジタルマガジン』こそが家庭を破壊させるマスコミ


meta-creation_date: 08/10/2008 09:00:00
『デジタルマガジン』こそが家庭を破壊させるマスコミ

マスコミはプライバシーを守る義務がある



マスコミは諸刃の剣だ。大辞林によると、諸刃の剣は「相手にも打撃を与えるが、こちらもそれと同じくらいの打撃を受けるおそれがあることのたとえ。また、大きな効果や良い結果をもたらす可能性をもつ反面、多大な危険性をも併せもつことのたとえ」という意味を持つ言葉と書かれている。まさにその通りであり、特にニュースという分野においては慎重に物事を考え、広い知識と視野で人々に情報を伝えなくてはならない。そんななか、『デジタルマガジン』はひとつの家庭に大きな大打撃を与えた。





最近、とある著名人X の家庭事情に対して、モラルのない記者A が心のない取材をし、その著名人X 本人のみならず、その周囲の家族に対して大きな悲しみを与えた出来事があった。確かに、その行為は許されるものではない。しかるべき制裁を受け、根本的な部分から“自分の犯した行動”に対して反省をする必要がある。それ以前に、人としての心の持ち方を見直す必要があるともいえる。



問題はここからだ。そんなモラルのない記者A に対して、『デジタルマガジン』は糾弾するべく「こんなことが許されて良いのか? 他人の人生に勝手に踏み込んで家庭を破壊するマスコミ」と題して、『デジタルマガジン』公式サイトと『livedoor NEWS』に記事を掲載した。あってはならないことを糾弾することは間違ってはいない。マスコミにとって、それはひとつの重要な役割だからだ。しかし、『デジタルマガジン』は素人ともいうべき無知さにより、被害者となった著名人X に、さらに追い討ちをかけるように大きな悲しみを与えてしまった。



記者A が著名人X に対して行ってきたモラルのない行動を、一部始終、わかりうるすべての人物に対して実名を出し、記事として執筆し、『デジタルマガジン』公式サイトと『livedoor NEWS』に掲載したのだ。その記事は多くの人々の目にさらされ、「著名人X の過去にはそんなことがあったのか」と、いままで知らなかった人にまで、著名人X のプライバシー情報を広めてしまったのである。これはつまりどういうことか?『デジタルマガジン』のやっていることは、記者A とまったく同じくらい著名人X に悲しみを与える行為ということだ。



人の人生が大きく揺らぐような内容の記事は、慎重に慎重を重ねて、ときには掲載をやめることも視野に入れたうえで、はじめて人々に伝えるべきものである。今回の出来事は、『デジタルマガジン』が記者A を糾弾するという目的で、著名人X を道ずれにしたかたちになっている。



このことについて、過去に『週刊女性』(主婦と生活社)の記者により家族にヒビが入ったという芸能人の家族という男性に意見をうかがった。「ハッキリ言って、こういう報道が第一報として流れた時点で、自分たち(芸能人やその家族)からすれば、他のマスコミは擁護も糾弾もしなくていいので、ほっといてほしいという気持ちでいっぱいです。蚊に刺されたところをかけばかくほどかゆくなるのと同じなんですよ。黙っておけば自然とかゆみが収まるんですから、余計なことはしないで欲しい。業界のルールがわからない人に記者の真似事はやってほしくないですね」。



今回のことで『デジタルマガジン』が足りなかったものはふたつ、知識とモラルだ。



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特派員:インターニューススタッフ

イラスト:ピョコタン





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