2008/8/19 |
「ウォール街は二日酔い。」
「ウォール街は二日酔い。」何と、このメッセージは、ブッシュ米大統領のオフレコ発言(本日日経15面「一日均衡」より転記)とのこと。
僕が驚いたのは、日経の編集委員殿とは、少々趣が異なるかも知れないが、僕の知る限り(マスコミを通じての事であるが)、ブッシュ氏のこんなウィットに富んだ、軽妙な洒落を聞いたことは無い。歴代の大統領、特にドナルド・レーガン元大統領の、この種の発言は群を抜いていた記憶がある。レーガン氏が大統領に為ってまだそんなに時間がたってない頃だったか、暴漢に襲われピストルに撃たれた時も、全米に気の利いたコメントを発していた。あのタフガイさと言うか,頼りがいと言うのか、死の半歩手前まで臨んでの落ち着きは、結果として、ソ連崩壊まで持ち込んだと言えると、僕は考えている。米国民の選んだ大統領は,流石であると思った。
さて、ブッシュ氏であるが、このオフレコ発言、なかなか的を得ていると僕は考える。米国のみならず、全世界の金融証券業界は、少し酔い過ぎの嫌いがあると、僕は忖度(そんたく)する。先ず、サブ・プライムローンの問題であるが、これなど、そもそも、金融・証券の問題では無いと僕は思う。
人道的、道徳的に冷静に考えれば、そもそも論として格付けなど与えるべきではないし、金融以前の問題である。僕は、サブプライムに関しては、専門家の書いた本を2冊しか目を通さなかったが、ピンときた。サブ・プライムはどれだけ高度な手法を使って、証券化を行おうと、あれは悪の手口にしか過ぎない。
この問題は、これぐらいにして、今日の日経が言いたかったのは、そんなことではない。
『ルールが変わればプレイヤーも変わる。「勝ち組とされるゴールドマン・サックスでさえも、2年以内に身売りを迫られる」。』と述べながら、ニューヨーク大学教授のノリエル・ルービニ氏(3年前に金融危機を予測、楽観論への徹底的な反論で発言力を確立した人物)の、予想である。要点は高いレバレッジで稼ごうとする証券のビジネスモデルが成り立たなくなるということである。
僕が今直面する不動産への内外の投資家の皆さんに申し上げたい事もそのことである。
今は何もしないで物件が安くなったら買おうとする姿勢は一見正しいようにみえる。が、果たしてそうであろうか。僕に言わせれば、不動産は、買おうと思った時は常に安くない。寧ろ高いと思う。
TIME IS MORE MONEY!
このことばは忘れない方がいい。
実際の金の貸し手、出し手はそんなに甘くない。
何もしないで時を待とうとする姿勢には、戦力性は感じられない。単なる怠惰にしか過ぎない。と見ることも在る
我々の業界にはだからこそ「現在価値」という概念がある。その計算式は、投資を志す人であれば、誰でも知っている。
弊社はこんな重要な社会・経済・情勢の中で、只、手をこまねいているだけの、仕事をしたふりだけを装う、そんな投資機関のスタッフは相手にしない。
‘08.8.19 東京青山にて