「大野病院事件」、あす一審判決
福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が2004年に死亡した事件で、業務上過失致死と医師法21条に基づく異状死の届け出違反の罪に問われている当時の産婦人科医長、加藤克彦被告に対する判決公判が8月20日、福島地裁で開かれる。この事件では、検察側が禁固1年、罰金10万円を求刑したのに対し、弁護側は一貫して無罪を主張している。
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業務上過失致死をめぐって公判では、▽出血などの予見可能性▽出血が始まった後も胎盤の剥離(はくり)を続けたことの妥当性―などが争点になっている。
検察側は、胎盤が子宮に癒着していることを認識していたため、胎盤剥離を継続すれば、「胎盤剥離面から大量に出血し、被害者の死亡につながりかねない大量出血が生じる可能性を予見できた」と主張。出血があった時点で胎盤剥離から子宮摘出手術などに移行し、「大量出血による被害者の生命の危険を未然に回避すべき注意義務があった」とした。
さらに、死体に異状があると認めたのに警察に届け出なかったとして、医師法21条違反も主張した。
これに対して弁護側は、出血量が増大していないため、胎盤剥離を継続することで大量出血するとの予見があったとは「到底いえない」と主張。出血後に子宮摘出手術などに移行すべきだったとの検察側の主張にも、「臨床の実践にはそのような施術例は一例もなく、胎盤の剥離を中止することは非現実的な処置」などと真っ向から反論した。医師法違反についても、届け出対象に該当しないことなどを理由に無罪を主張している。
「大野病院事件」では、通常の診療行為を行っていた医師が逮捕・起訴されたことに対し、医療団体や医学系学会が相次いで抗議声明を出すなど、医療界の注目を集めている。
判決を受けて20日午後には、「福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える会実行委員会」が福島市内でシンポジウムを開くほか、全国医師連盟が記者会見を予定している。また、日本医師会や日本産科婦人科学会も声明を出す。
更新:2008/08/19 12:58 キャリアブレイン
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