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【主張】民主党代表選 政権担当能力示す好機に
9月21日投開票される民主党代表選まで約1カ月だが、小沢一郎代表の無投票3選の流れが強まっている。
福田改造内閣の発足などで衆院選が近づいたとの判断から、小沢氏を中心に党が結束すべきだとの意見が広がり、対抗馬擁立論は押しつぶされそうな格好だ。
代表選を通じた論争は、政策面の不透明感を払拭(ふっしょく)し、政権担当能力を示す好機である。無投票で終われば、その機会は失われる。
今からでも遅くはない。立候補を検討している議員は、政権交代を目指す政党としてどんな国づくりを目指すのか、小沢氏と論じ合うことを決断してほしい。
少なからぬ国民が不安を感じているのは、民主党が政権を担える責任政党なのかである。
民主党は、消費税を年金に投入した上で、子供手当の創設や高校授業料の無償化など盛りだくさんの施策を掲げ、その財源は補助金見直しや行政経費カットなどでまかなうとしている。だが、前原誠司副代表は「まともな政権運営はできない」と語っている。
安全保障面でも小沢氏の「国連至上主義」ともいえる対応では日米同盟関係に悪影響を与えかねないと党内から指摘されている。
一方、行政の無駄遣いや特別会計の「埋蔵金」をめぐる議論など、自民党が取り組んでいるテーマは、民主党が発掘したものだ。道路行政の問題点を洗い出し、福田康夫首相が道路特定財源廃止を決断する流れも作ったといえよう。参院で主導権を握り、政府と対峙(たいじ)する力は大いに向上した。
しかし、日銀総裁ポストの空白を生じさせ、揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止で歳入に穴をあけるなど、国政の停滞、混乱を招き、政局至上主義と呼ばれる党の姿勢も浮き彫りにした。
この小沢氏の党運営に対し、違和感を持つ議員も少なくないようだ。それなのに真っ向から政策論争を提起しようとの意見には党内の支持が広がらない。「物言えば唇寒し」の声も聞こえてくる。
出馬が取りざたされていた岡田克也、前原両副代表は不出馬を表明した。若手議員らの支持を受けた野田佳彦広報委員長、枝野幸男元政調会長も立候補の決断には至っていない。
「オープンな政治」を標榜(ひょうぼう)してきた民主党はどこへいったのか。政権交代したら、どうなるかこそ、語るべきときだ。