【北京=矢板明夫】中国陸上のスーパースター劉翔が18日、男子百十メートル障害の予選を棄権したことについて、中国の大手ポータル「新浪ネット」が行った緊急調査では、約33%のネットユーザーが「理解する」と投票しているのに対し、ほぼ同数の約31%が「理解に苦しむ」と厳しい意見を示した。
劉翔の雄姿を一目見ようとするファンで今大会のチケットは同種目開催日が最も人気を集め、定価400元(1元=約15円)のものが、闇では1万元以上売られていた。
「練習に専念せずタレント活動ばかりしているからだ」「体調管理はスポーツ選手の基本中の基本」などと批判の書き込みが各ネット掲示板に寄せられており、「負けるのが怖いから仮病したのでは」といった意見も。劉翔のゼッケンが「1356」であることから、「中国の13億人と56の民族を背負っている」と解釈する人もおり、「中国の名誉のためにもあきらめてはいけなかった。はってでもゴールまで行くべきだった」といった意見が多数寄せられた。
市民から厳しい意見が相次ぐ背景には、劉翔の高収入とセレブな生活ぶりにあるとみられる。中国メディアの報道によれば、アテネ五輪での金メダル獲得後に商業活動が増え、自動車、不動産などの広告収入だけで8000万元に達した。高級外国製自動車を乗り回し2億円の豪邸を購入したことなども話題となった。
「北京五輪に備えて練習に専念すべきだ」との意見は、以前から寄せられていた。
【関連記事】
・
人類最速男ボルトを作ったのはヤムイモ!
・
帰ってきた懐かしい顔 皇帝ゲブレが一万メートル6位
・
「五輪でメダルを」大学3年で陸上から転向 5位入賞の井出
・
「ずっとなりたかった1番にきょうなる!」壁破った井出
・
大波乱! 連覇期待の中国・劉翔が棄権