【ブリュッセル18日時事】グルジア・南オセチア自治州をめぐる同国とロシアとの紛争で、西欧諸国はフランスを中心に和平調停役を果たすなど中立姿勢を取り、米国のようなロシア非難を避けている。ロシアからのガス安定供給に配慮していることも背景にあるが、旧ソ連圏のウクライナが反ロ姿勢を強めており、ロシアがウクライナへの天然ガス供給停止などの報復措置に出れば、同国経由でロシア産ガスの供給を受ける欧州もエネルギー危機に見舞われる恐れがある。
ロシアは2006年1月、ウクライナとの天然ガス供給価格をめぐる交渉決裂を受け、同国向けの供給をほぼ全面停止した。欧州連合(EU)は域内ガス消費量の4分の1をロシア産に依存、その約80%をウクライナ経由のパイプラインで調達しているため、真冬の供給途絶で一部EU加盟国で暖房用ガスが不足した経緯がある。
グルジアと同様、北大西洋条約機構(NATO)およびEU加盟を目指すウクライナは先に、同国クリミア半島セバストポリを基地とするロシア黒海艦隊の出入港を制限する大統領令を出した。これにロシアは反発しており、今冬のガス供給交渉で価格引き上げなど報復に出る公算が大きい。
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