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あかいあくまと正義の味方 学園生活編(旧版): あかいあくまと正義の味方 学園生活編 〜その0 前編〜  
執筆者: mission
発行日付: 2004/7/10
閲覧数: 20772
サイズは 4.49 KB
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あかいあくまと正義の味方 学園生活編

〜その0 前編〜



 上履きから靴に履き替え、校舎から出た。
「行こう」
「うん」
 傍らには大事な……、ついさっき、一年後には一緒に倫敦に行くことを決めたばかりの遠坂が居る。
 一月ぶりにふれあった大事な……
 ちらと遠坂を見る。
 遠坂からフライングしてきたんだし……それに、その、こ、こ、恋人同士なんだし、いいよな。
 そう、自分に言い聞かせると、おずおずと左手を伸ばし、遠坂の右手をそっと握る。
 遠坂は驚いた顔でこちらを見ると、ぎゅっと握り返し、そのまま体をこちらに寄せてきた。
 うわぁ……。
 正直、怒られるかと思っていたのに、こんな……嬉しいよりも恥ずかしい。
 思わず手に力が入る。
「痛い」
「ご、ごめん」
 と、手を離そうとすると、ぐいと俺の手を引っ張り、
「……もっと、優しく、捕まえてよ」
 と顔を赤くしながら言う。
「あ、ああ」
 つまりそれは、手を握っていて良いと言うことで、俺はうれしさのあまり真っ白になった頭で何とか答えを返した。

 「お、衛宮、良いところに、ちょっとあたしの弓を……ええ!」
 いきなり声をかけられた。まずい! 見られたか。
「美綴……」「あ、綾子」
 とっさに遠坂を背後に隠しながら向き直った俺の前には、美綴が居た。
 助かった、こいつなら事情を話せば口をつぐんでいてくれ……。
「あんたら、ひょっとして……、いつからよ、ねぇ、いつからよ!」
 なぜか血相を変えて詰め寄ってくる。こいつ、一体どうしたんだ?
「あ、ああ、2月頃から……」
「何ですって? 遠坂、あんたそんな頃からつきあっててなんで今まで……」
 俺の後ろで赤くなってもじもじしている遠坂、まだ不意打ちから立ち直ってないな。
 俺は少しでも落ち着けるようにとぎゅっと遠坂の手を握ると、
「別にいいだろ、そんなこと。いちいち人に話すようなことじゃない」
と言ってやった。
 しかし、
「いや、この件に関してだけは特別な事情があるんだ。ことをはっきりさせる必要がある」
「何だよ、それは一体」
「ふむ、ここではな」
「いいわ、後で、うちにいらっしゃい。そこで決着をつけましょう」
 慌てて遠坂の顔をのぞき込むと、どうやら復活したらしく、いつもの顔に戻っていた。
「なになに? 遠坂の家で決着をつけるって? 悪いけどどうもあの洋館は……」
「士郎の家のことよ、依存無いわね?」
 思わず口笛を吹く美綴
「おい、まさかおまえら同棲してるんじゃ……」
「い、いや、離れに部屋は用意しているけれど、たまに来た時使ってるだけだぞ、それに夜遅くなったら、ちゃんと送ってってるし」
「ばかっ」
 どうやらよけいな一言だったらしい。美綴がすっかり固まってる。
「あ、あー、一応このことは内密に頼む。藤ねぇにも口止めしてあるし」
「あ、ああ、判った。じゃぁ、後でな」
 そうして、美綴はなぜかよろよろとしながら弓道場へ歩いていった。






 後書き

 と、言うわけで、UBW TE直後の二人です。
 聖杯戦争後、初めて二人一緒に帰ることになり、思わず手を繋いだところを美綴さんに見られてドッキリ! 当然の事ながら例の「賭け」のこともあるわけで、これをほっておける彼女ではないでしょう。
 次は美綴さんが来るまでの間の二人。
 後編では二人を問い詰めに来た美綴さんとの会話です。

MISSION QUEST


 2004/07/10 初稿up


 
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