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飲酒運転:違反者、大きな地域差判明 「夜間の足」ない影響か--県警まとめ /宮城

 ◇山元町が最多、1万人当たり4.08人--根絶条例制定、県全体は急減

 県警交通企画課は今年上半期(1~6月)の県内の飲酒運転の違反者数を居住地別にまとめた。人口(3月末現在)に占める割合をみると、山元町が1万人当たり4・08人とワーストとなった。大河原、涌谷、七ケ宿、本吉の4町は違反ゼロで、岩沼市は同0・23人などとなっており、市町村ごとに大きな「地域差」があることが分かった。06~07の2年間、県内ワーストだった大衡村は、同1・78人だった。【比嘉洋】

 同課によると、上半期に検問や職務質問、交通事故などの際に飲酒運転で検挙された違反者数は264人。昨年は1年間で750人を検挙しており、減少傾向を示した。

 検挙された264人のうち137人が物損事故や人身事故を起こし、このうち運転者3人が死亡した。このほか、4月には栗原市志波姫の市道で、飲酒運転の乗用車が道路脇の水田に転落し、助手席に同乗していた同市の女性(49)が死亡する事故もあった。

 違反者を業種別に見ると、無職41人、会社員40人、建設業38人の順になった。職業運転手は17人、公務員は2人だった。県警は昨年10月制定の県飲酒運転根絶条例に基づき、今年1月から、各市町村長や勤務先に、検挙者数や飲酒運転事故を起こした人数を通知している。

 市町村別でワーストだった山元町の交通安全政策を推進する総務課職員は「町では『飲酒運転撲滅はお茶の間から』を合言葉に、全世帯が『交通安全母の会』に加入し啓発運動に取り組んでいる。県下でも先進的に運動を展開してきたと自負していただけに、今回の結果は不名誉で情けない。真摯(しんし)に受け止めて今後も啓発運動を実施していきたい」と語った。

 地域差について、県警交通企画課幹部は「分析していないのではっきりしたことは分からないが、夜間に公共交通機関が無くなる地域や代行運転のサービスが未発達な地域で飲酒運転が増えるのではないか」と指摘。また、通告制度に関し、「通告を機に社内・団体内で、飲酒運転防止の動きが出始めた例もある」と話した。

 県内では05年5月に多賀城市で仙台育英高生ら3人が死亡、15人が負傷する飲酒運転事故が発生。飲酒運転追放の機運が高まり、根絶条例制定などにつながった。違反者数は06年は1502人だったが急減傾向にあり、飲酒運転事故による死者数も98年の41人から昨年は6人にまで減っている。

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 ◇飲酒運転違反者の割合が高い市町村◇=今年上半期

    市町村 違反者 人口1万人当たり

 (1)山元   7人 4.08人

 (2)蔵王   4人 2.97人

 (3)川崎   3人 2.88人

 (4)女川   3人 2.84人

 (5)登米  25人 2.83人

 (6)色麻   2人 2.60人

 (7)大郷   2人 2.15人

 (8)栗原  15人 1.89人

 (9)七ケ浜  4人 1.88人

(10)大衡   1人 1.78人

(11)多賀城 10人 1.60人

(12)石巻  26人 1.56人

(13)大崎  21人 1.53人

(14)東松島  6人 1.37人

(15)松島   2人 1.26人

(16)名取   8人 1.15人

(17)加美   8人 1.11人

(18)気仙沼  6人 0.92人

(19)角田   3人 0.92人

(20)仙台  89人 0.87人

 ※人口は3月末現在を基準に計算

毎日新聞 2008年8月18日 地方版

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