2008-08-01
IPv4アドレスが枯渇するという話はアメリカ合衆国に押しつけられた虚説だと思う、その根拠
IPv4が枯渇するとか煽っているITアナリスト、自称アナリスト、アルファな方、ICANNにひれ伏すAPNICやJPNICその他adminな方々に一言申し上げたいことがある。
「IPv4アドレスが枯渇するって言うのはウソだ! そしてIPv4が枯渇するから速やかにIPv6に移行せよと言うメッセージは、IPv6対応NW機器を売りたいシスコとかノーテルとかアルカテルの代弁をしているだけなんじゃないか!」
と。
まず事の発端はGE(General Electronic)の関連会社に勤める叔父のPCのメンテナンスを依頼されたこと。GEの社内NWにVPN接続されたPCからGlobal IPを参照すると、なんと"3.xxx.xx.xxx"なんていう見たこともないウルトラゴージャスなアドレス。すごい、クラスA(003/8)の割り当てだよ。GE従業員数、約32万人に対して約1670万個ものGlobal IPが割り当てられて居るんだ。単純計算で一人の従業員が52個ものGlobal IP Addressを持てるんだよ。すげーゴージャスじゃない?
IPv4の配分ルールがあまりにも不公平でアメリカ独占状態なのはなんとなく把握していたけど、詳細はイマイチ不明だった。
で、実際調べてみたんだよね。そしたらすごいんだよ、このアメリカのIPv4での独占的ジャイアニズムが。
- IPv4 Global Unicast Address Assignments
http://www.iana.org/assignments/ipv4-address-space/
- クラスA空間が割り当てられた選ばれし団体企業@アメリカ合衆国(一部)
003/8 General Electric Company
006/8 Army Information Systems Center
009/8 IBM
011/8 DoD Intel Information Systems
012/8 AT&T Bell Laboratories
013/8 Xerox Corporation
015/8 Hewlett-Packard Company
016/8 Digital Equipment Corporation
017/8 Apple Computer Inc.
018/8 MIT
019/8 Ford Motor Company
022/8 Defense Information Systems Agency
047/8 Bell-Northern Research
056/8 US Postal Service
上記表記した分の総量=約1670万個x14=2億3380万個
GEが約1670万個、IBMが約1670万個、旧ベル研究所(現アルカテルルーセント)が約1670万個、今は亡きDECが約1670万個、米ゼロックスが約1670万個、米国郵便局が約1670万個、アメリカ国防総省にはナント約1億個、もう疲れたから以下省略。みんな先行奪取されて使い切れないIPv4アドレスがアメリカに有り余っているんだよ。
次。アジア。
- ICANNからAPNICに割り当てられた空間
58/8 /22 portable allocations
59/8 /22 portable allocations
60/8 /22 portable allocations
61/8 /22 portable allocations
112/8 /22 portable allocations
113/8 /22 portable allocations
114/8 /22 portable allocations
115/8 /22 portable allocations
116/8 /22 portable allocations
117/8 /22 portable allocations
118/8 /22 portable allocations
119/8 /22 portable allocations
120/8 /22 portable allocations
121/8 /22 portable allocations
122/8 /22 portable allocations
123/8 /22 portable allocations
124/8 /22 portable allocations
125/8 /22 portable allocations
126/8 /22 portable allocations
202/8 /24 portable assignments *
203/8 /24 portable assignments *
210/8 /22 portable allocations
211/8 /22 portable allocations
218/8 /24 portable allocations #
219/8 /22 portable allocations
220/8 /22 portable allocations
221/8 /22 portable allocations
222/8 /22 portable allocations
APNIC割り当て総量=約1670万個x28=約4億6760個
そして日のいずる国、日本。
- APNICからJPNICに割り当てられた空間
割り振られたprefixは細分されすぎて列挙できないので割愛。
JPNIC割り当て総量=5697万1520個 (2008年7月8日現在)
米GE社員は一人52個持てるのに日本国民は一人1個も割り当てられない。だから狭い空間をみんなで使い回している。動的割り当てなんていう言葉でね。
えっとつまり、最初に列挙した選ばれしアメリカの団体企業(抜粋)に割り当てられた2億3380万個>>アメリカ国防総省約1億個>>日本に割り当てられた5697万1520個ってこと。なんかさ、IBMとAppleとHPとDecとかいう亡霊みたいな企業を足しただけで日本を超えてしまう。アメリカ国防総省にすら日本全体で太刀打ちできない。
「見ろ、ブロードバンド先進国とか自画自賛している日本のインターネットがゴミのようだ。」
さて、IPv6マンセー脳のJPNICの主張を見てみましょうか。
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
もうね、議論がICANNに割り当てられた→APNICに割り当てれた→JPNICの狭い空間が前提になっていて、その狭い空間の隙間がもうすぐ無くなるよって言ってるだけなんだ。アメリカに「使っていないIPv4アドレスを返却せよ」なんて言わないし、中国の検閲システム(グレートファイアーウォール)を構築して言論封鎖を支援するシスコみたいなNW機器メーカーの売り上げに貢献すべくIPv6救世主論を唱えている。
日本のインターネットのルールを決めている組織JPNICがこれだもん。日本のインターネットの未来は絶望的だよね。NTT COMとかTier1プロバイダーな方々の見解はどうなんでしょう?IPv6サービスを売りたい??NTT持ち株東西はNGN、別名フレッツナントカという超閉鎖ローカル網の中でIPv6を展開したいの?あーインターネット2とかいう理想郷もありましたね。
おっと池田先生が良いことを過去に仰っていた。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/ikeda/pcjapan34.html
そろそろ世界の各国がIPv4の解放&再割り当てを声高に叫び、ナショナリズムと言われるかもしれないけどアメリカと争う姿勢を示した方が良いと思います。ARINの中の人も聞く耳を持っているみたいですし。
でも政治家の先生に理解してもらうのは難しそうですね。