グルジアのゴリ近郊で18日、道路を走るロシア軍の車両=ロイター
グルジアのゴリで18日、戦車の上に座るロシア兵士=ロイター
【モスクワ=星井麻紀、トビリシ=喜田尚】南オセチア自治州を巡るグルジアとロシアの軍事衝突で、ロシア軍参謀本部は18日、ロシア軍が今回の紛争地域から撤退を開始したと発表した。だが、ロシア側は完全な「撤退」ではなく一時的な「引き揚げ」だと位置付けている。グルジア側は撤退の動きを確認しておらず、和平合意(基本原則)の履行が確実に進むかどうかは予断を許さない情勢だ。
ロシア軍参謀本部は、ロシア軍はグルジア側から南オセチアの境界を越えた場所まで撤退すると発表。ただ、「撤退は始まったばかりだ」としている。撤退の完了時期は不明だという。
一方、ロシア国営放送はロシア平和維持部隊に増派されたロシア軍が南オセチアの州都ツヒンバリから撤退を始めたと報じた。ただ、グルジア内務省のウチアシュビリ報道官は朝日新聞に「撤退開始は確認していない」と話した。
グルジアのサアカシュビリ大統領は17日夜のテレビ演説で「占領軍が出ていけば、両国の関係修復の交渉も始めることができる」と述べた。
ロシア軍は和平合意後も安全確保などを理由に自治州外のグルジア領内にとどまり、国際社会から批判を受けた。17日にメドベージェフ大統領が撤退開始を明言していた。