事件・事故・裁判

　乾燥大麻を含んだロシア製のたばこを隠し持っていたとして、警視庁組織犯罪対策５課と本所署は１８日、ロシア国籍で大相撲間垣部屋所属の幕内力士、若ノ鵬寿則（としのり）（本名ガグロエフ・ソスラン）容疑者（２０）＝東京都墨田区錦糸１＝を大麻取締法違反（所持）容疑で逮捕した。組対５課などは同日、間垣部屋とガグロエフ容疑者の自宅マンションを家宅捜索し、吸引道具の水パイプなどを押収した。

　調べでは、ガグロエフ容疑者は未成年だった６月２４日午後１時ごろ、自宅近くの路上で、乾燥大麻を含んだロシア製たばこ１本を財布内に所持していた疑い。「六本木で外国人からもらった」と容疑を認めているという。

　ガグロエフ容疑者は同日、現場近くの路上で外国人登録証の入った財布を紛失。拾得した女性が直後に本所署江東橋交番に届け出て発覚した。

　ガグロエフ容疑者はロシアの北オセチア共和国出身で、０５年春場所初土俵。０７年九州場所で、昭和以降では史上６番目となる１９歳３カ月で新入幕を果たした。７月の名古屋場所では西前頭筆頭で、４勝１１敗の成績を残している。【武内亮】

　◇若ノ鵬（本名ガグロエフ・ソスラン・アレキサンドロビッチ）

　ロシア北オセチア共和国出身。６歳からレスリングを始め、０３年にジュニアロシア王者に。初土俵は０５年春場所で巨体を生かし、負け越しなしで０７年１月に昭和以降で８番目に若い１８歳５カ月で新十両。同年１１月の九州場所では同６番目の１９歳３カ月で新入幕した。最高位は先月の名古屋場所の前頭筆頭で、４勝１１敗と幕内昇進後初めて負け越した。ロシア出身の幕内・露鵬（大嶽部屋）、十両・白露山（北の湖部屋）の兄弟と十両・阿覧（三保ヶ関部屋）は同郷。身長１９５センチ、体重１６２キロ。

　◇おことわり

　毎日新聞は少年法の精神を尊重し、容疑事実の発生時に未成年であれば、その後成人に達しても実名報道を控えることを原則にしています。しかし、今回のケースでは（１）若ノ鵬が大相撲の幕内力士という公知の地位にある（２）日本相撲協会の処分発表があれば、名前と処分理由が必要になる（３）発生当時の年齢が成人まであと２週間の１９歳１１カ月だった－－ことなどから総合的に判断し、実名で報道しました。