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プロジェクト完遂の軌跡

日経コンピュータ

1400本のCOBOLを5人で移植 トラブル乗り越え2年で安定稼働

北海道ぎょれん

北海道ぎょれん(北海道漁業協同組合連合会)は、2007年まで約2年かけて、新基幹システムの安定運用にこぎつけた。約1400本のCOBOLプログラムを社員5人でPL/SQLに変換。可用性確保のため、実績の乏しいクラスタリング技術などをあえて採用した。稼働開始直後に遭遇したトラブルは、運用の工夫で克服した。

写真1●新基幹系システム開発の中心メンバー
写真1●新基幹系システム開発の中心メンバー
北海道ぎょれんのシステム子会社「ぎょれんシステム」の青木正裕常務取締役(左)と、佐生義則 システム部課長(右)

 「本当に大変だったのは、システムが稼働してから。今となっては笑って話せることだが」。北海道ぎょれんのシステム子会社ぎょれんシステムの佐生義則 システム部課長(写真1右)は、基幹システムの刷新プロジェクトをこう振り返る(図1)。2005年4月の本稼働から2年弱を費やし、07年に入ってようやく安定させた。

図1●北海道ぎょれんの基幹系システム刷新プロジェクト概要
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 新たに稼働させた第4次基幹システムは、北海道ぎょれんの全業務を担う。具体的には、問屋向けや直営店向けの販売管理、入出金や支払手形といった経理、債権・債務管理、職員の人事・給与などだ(図2)。

図2●北海道ぎょれんの新基幹系システムの構成
ブレード・サーバーを使ってすべての基幹業務を稼働させる。メインフレームを分散配置していた旧システムの構成から、札幌市にあるブレード・サーバー上のシステムへ全国の支店や営業所からアクセスする形に改めた
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 日立製作所のメインフレーム「MP 5400」で稼働していた第3次システムを、同社製ブレード・サーバー「Blade-Symphony」を使って刷新した。導入費用はハードとソフト、開発費用を含めて約1億4000万円。5年間の保守料も含めた総費用は第3次システムに比べて55%削減できる見通しだ。

 システム刷新の狙いは、データ収集や処理に要するスピード向上、事務作業の簡素化・合理化、そしてシステムの開発・運用コストの削減だった。例えば、それまで10日前後かかっていた月末の締め処理を、5日程度に短縮した。1999年に稼働した第3次システムでは、7台のメインフレームを主要な支店に配置し、各支店で締め処理を実行した後、結果を札幌市にある北海道ぎょれんのメインフレームに送信。その後、まとめて処理をしていた。

 新システムではハードを分散配置する方式も変更。ブレード・サーバーに、アプリケーションをすべて集約した。支店や生協のパソコンと基幹システムでのデータの2重管理も改め、販売実績や在庫といった支店などのデータを、すべて札幌市にあるサーバーに直接入力することにした。

 北海道ぎょれんは本稼働以降、継続的に同システムの機能を拡張してきた。この07年末にも、加盟する生協向けの共同購入機能を強化。生協が1日に4回実施する発注業務について、適切な発注量を予測する機能を付加した。

(井上 英明=日経コンピュータ)  [2008/08/18]
出典:日経コンピュータ 2008年2月15日号  pp.64-68
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)
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