前を走る車が突然左右に蛇行したり、車線をはみ出しそうになって、肝をつぶした経験はないだろうか。そんな危険な場面が減るかもしれない。
国内の自動車メーカー各社で、事故を未然に防ぐ最先端の安全技術導入が進んでいるからだ。居眠りや脇見による事故を減らす効果が期待されるという。十二日付本紙夕刊が伝えていた。
あるトラックメーカーは、カメラで車両のふらつきや車線はみ出しを検知し、運転手の注意力低下を警告するシステムを装備した。安心して運転できると好評だ。別のメーカーでは、危険になると作動するブレーキを開発中だ。
乗用車の安全技術はもっと進んでいる。レーダーで車間距離などを測って、近付き過ぎるとアクセルを戻して教えてくれる車がある。歩行者や自転車などを車載カメラでとらえるとブレーキをきかせて減速し、衝突を避ける装置も実用化されている。
自動車メーカーが目指すのは「ぶつからないクルマづくり」という。環境汚染と並ぶ自動車の大きな負の側面である交通事故を減らすのが目的だ。しかし使うのは人間である。安全をすべて機械任せにしてはなるまい。
お盆を古里で過ごした人たちのUターンラッシュが始まっている。車を利用する人は十分安全に注意し事故のない旅としてほしい。