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脱北者女性3人、今秋提訴へ 大阪、東京両地裁に 帰還事業で虚偽宣伝の朝鮮総連に賠償請求 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ニセモノ事情
「地上の楽園」などと虚偽の宣伝をされた帰還事業で北朝鮮に渡り、精神的・肉体的苦痛を受けたとして、脱北した女性3人が、この事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に損害賠償を求める訴訟を今秋にも大阪、東京両地裁に起こす。今年6月に大阪地裁に提訴した脱北者女性に次いで2件目。女性の支援団体「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(三浦小太郎代表)は今後、他の脱北者に広く呼びかけ、原告団の結成を目指す。
今回提訴の準備を進めているのは、脱北後に大阪府や関東地方で暮らす50〜60代の女性3人。
このうち大阪地裁に提訴する50代の女性は日本人の両親をもつが、幼少時に在日朝鮮人夫婦の養子になり、10代前半だった昭和36年、病気がちだった養父母とともに「医療費は無料」と宣伝されていた北朝鮮へ渡った。しかし現地には十分な食料がない上、医療費は無料でも薬がなく、養父母は数年後に死亡した。
その後、女性は同じ帰国者の男性と結婚。2人の子供を産んだが、社会労働と呼ばれる過酷な土木作業を強いられ、落石事故で腰を痛めた。さらに食糧難で配給が途絶え、飢えをしのぐために野草などを煮て食べる暮らしが続き、夫は病気で亡くなった。
女性は「人間らしい生活を取り戻したい」と2004(平成16)年に脱北。現在、大阪府内で20代の長女と暮らしている。20代の長男は先に脱北し、韓国にいるという。