全国紙では朝日と毎日が紙幅を使って報道している。読売と産経は記事一つ一つの分量が少ない。
また米兵 沖縄許さぬ 「連れて行かれた」携帯に泣き声
2008年02月12日12時53分(asahi.com)
沖縄でまた、少女が被害に遭う事件が起きた。強姦(ごうかん)容疑で沖縄県警に逮捕された米海兵隊員は「送ってあげる」と14歳の少女を安心させ、車内で乱暴したという。少女が声をかけられたのは、県内で那覇市に次いで人口が多い沖縄市の中心部。過去に多くの事件が起きた基地の街でもある。95年の海兵隊員らによる少女暴行事件から13年。沖縄で再び、怒りが広がった。
米海兵隊員が女子中学生を暴行したとみられる現場付近。人通りは少ない=11日午後、沖縄県北谷町北前1丁目で
女子中学生が米兵に声をかけられたのは複合商業施設「ミュージックタウン」前の歩道だという=11日午後、沖縄県沖縄市で
逮捕されたハドナット容疑者宅に入る沖縄県警の捜査員ら=11日午後7時29分、沖縄県北中城村で
「家まで送ってもらうから」。少女がそう言い残して、タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)のバイクに乗ったのは、嘉手納(かでな)基地のゲートから約500メートル東の沖縄市の胡屋(ごや)十字路付近だった。
英語の看板を掲げた飲食店や衣料品店が立ち並び、週末の夜には多くの米兵でにぎわう街だ。近くの商店主は「米兵が日本人の女性に声をかけていても、気にも留めない」と言う。
沖縄署によると、その50分後、少女は友人に携帯で泣き声で助けを求めてきた。「どうした」と尋ねると、「外国人に連れて行かれた」「どこにいるのか分からない」。「やばい。外国人が戻ってきた」という言葉を最後に、応答がなくなった。
その後もつなぎっぱなしにした電話からは、大音量の音楽とともに「シャラップ(黙れ)」という男の声、少女の泣き声が聞こえてきた。
その時間帯、少女が連れ込まれた容疑者宅は、北中城村(きたなかぐすくそん)の高台にある一軒家。周囲の住宅街には街灯もほとんどない。少女は歩いて逃げ出したが、すぐに容疑者に追いつかれ、ワゴン車に乗せられた。
移動中も車から降りようとしたが、逃げられなかった。北谷町(ちゃたんちょう)にさしかかった時、少女は逃げるために「ここで友達と待ち合わせしている」とうそをついた。
沖縄本島を南北に貫く国道58号を挟んで、米軍基地の反対側。近くには米兵が集まる店もあるが、容疑者は薄暗く、人通りも少ない住宅街の裏通りに車を止めたという。
事件が起きた一帯は、沖縄でも米軍基地が最も集中する地域だ。沖縄市内の女子中学生(13)は「こんな近くで事件が起きたのを知り、急に怖くなった」。市内の女性(19)も「いつまでたっても事件がなくならない。米軍は出て行ってほしい」と憤った。
◇
被害者の少女が最初に声をかけられた沖縄市の東門美津子市長、暴行現場となった北谷町の野国昌春町長は12日午前、在沖縄米海兵隊基地司令部があるキャンプ瑞慶覧(ずけらん)を訪れ、事件に抗議した。
東門市長は11日午前、沖縄署で事件について説明を受けた。その後、報道陣に対し、「95年の事件を思わせ、かなりショックだ。『これから』という子どもがこういう目に遭うことは許されないし、憤りしか感じない。とにかく、どうにかしてほしい」と強い口調で述べた。
野国町長も同日、取材に対して「現場は閑静な住宅街の路上で、県内どこでも起きうる事件ということだ。抗議や要請だけでなく、どういう対策をしたのか報告を求めないと、この種の事件は繰り返される」と語った。
◇
沖縄の市民団体も怒りの声を上げた。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代・共同代表は「少女は市民が普通に生活している場所から誘い出されて被害に遭った。男は少女を信用させるような言動をしたのだろう。これでは、住民が安心して生活できない」と憤る。
高里氏によると、在沖縄米海兵隊は04年6月以降、犯罪防止のために21歳未満の若年兵の夜間外出を制限しているが、今回の容疑者は38歳で、基地外に住んでいた。高里氏は「外出規制は全員を対象とすべきだし、基地外の居住にも何らかの規制をかけるべきだ。何よりも兵隊の絶対数を減らすのが第一だ」と話す。
沖縄平和運動センターは12日午後6時から、在沖縄米海兵隊司令部があるキャンプ瑞慶覧前で、抗議集会を開く予定だ。
沖縄県知事「強い怒り」 米兵、中3暴行容疑で逮捕
2008年02月12日11時43分(asahi.com)
車の中で中学3年の女子生徒(14)に乱暴したとして、沖縄県警は11日未明、在沖縄米海兵隊の2等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)を強姦(ごうかん)の疑いで緊急逮捕した。同容疑者は「抱きついたりキスしようとしたりしたが、暴行はしていない」と容疑を否認しているという。同県では95年にも米海兵隊員による少女暴行事件が起きており、地元自治体や市民団体の間に米軍に対する抗議の動きが広がっている。
抗議のコメントを読み上げる沖縄県の仲井真弘多知事=11日午前11時15分、沖縄県庁で
現場周辺の地図
調べでは、ハドナット容疑者は10日午後8時半ごろ、沖縄市の路上で、友人と一緒にいた女子生徒に声をかけ、「家まで送る」と言ってオートバイで北中城村(きたなかぐすくそん)島袋(しまぶく)の容疑者宅へ連れて行った。女子生徒はわいせつな行為を迫られたため逃げ出したが、後を追った容疑者が「家まで送ってあげる」と言って車に乗せ、午後10時35分ごろ、北谷町(ちゃたんちょう)北前1丁目の路上に止めた車内で乱暴したとされる。2人に面識はなかったという。
女子生徒は9時20分ごろ、携帯電話で別の友人に「助けて」「外国人に連れて行かれた」と連絡。友人とその家族らが「連れ去られた可能性がある」と沖縄署に届け出た。10時45分ごろ、女子生徒から友人の母親に「逃げてきた」と電話があり、県警が北谷町の現場近くで保護した。
女子生徒が車の特徴などを覚えていたことからハドナット容疑者が浮上。県警は自宅前に止めた車の中にいた容疑者に同署への任意同行を求め、11日午前2時10分ごろ逮捕した。
県警によると、ハドナット容疑者は96年9月に海兵隊へ入り、岩国基地(山口県)勤務などを経て06年10月から沖縄に。現在は海兵隊基地キャンプ・コートニー(うるま市)に配属されている。
米軍人らの犯罪に関する取り扱いを定めた日米地位協定の規定では、容疑者の身柄が米側にある場合、日本の検察が起訴するまで米側が拘束することになっているが、今回は沖縄県警が逮捕したため、日本側が引き続き身柄を拘束できる。
沖縄県では95年にも小学生の女児が海兵隊員ら3人に暴行される事件が起きた。大規模な県民総決起大会が開かれるなど基地の整理・縮小を求める島ぐるみの運動に発展し、翌96年の普天間飛行場(宜野湾市)の返還合意につながった。
今回の事件で県民の反基地感情は強まっており、膠着(こうちゃく)状態にある普天間飛行場の名護市移設に影響が及ぶ可能性もある。
◇
沖縄県の仲井真弘多知事は11日午前、県庁で報道陣に対し「女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する重大な犯罪であり、特に被害者が中学生であることを考えれば、決して許すことはできず、強い怒りを覚える。極めて遺憾だ」とするコメントを読み上げた。一報を聞いた時の感想については「あってはならんことが、またか、という感じだ」と厳しい表情で語った。
一方、沖縄県の上原昭・知事公室長と仲村守和教育長は同日午後、浦添市の在沖米国総領事館を訪れ、ケビン・メア総領事に対し、再発防止に万全を期すことや、対応策の公表を在沖米軍に働きかけるよう要請した。12日午後には、在沖米軍のトップである4軍調整官らに抗議するとともに、再発防止を申し入れる。
外務省、米側に再発防止を申し入れ 沖縄の女子暴行事件
2008年02月11日15時12分(asahi.com)
沖縄県の女子中学生に乱暴をしたとして在沖米海兵隊員が婦女暴行の疑いで逮捕された事件で、外務省の西宮伸一北米局長は11日午前、ドノバン在日米国大使館次席公使に、「米軍人の犯行とすれば極めて遺憾」とし、綱紀粛正、再発防止の徹底を申し入れた。これに対しドノバン次席公使は、「事実関係の調査を見守るが、米側としても事態を深刻にとらえており、日本側の捜査に全面的に協力していく」と答えたという。
今井正沖縄担当大使は11日午後、ジルマー在日海兵隊基地司令官に遺憾の意などを伝え、ジルマー司令官は捜査への協力や綱紀粛正を徹底すると回答したという。申し入れはいずれも電話で行った。
女子中学生に暴行の疑い 米海兵隊員を逮捕 沖縄県警
2008年02月11日11時59分(asahi.com)
沖縄県警は11日、女子中学生に乱暴をしたとして、在沖米海兵隊の二等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)を婦女暴行の疑いで緊急逮捕した。調べに対し、同容疑者は「車内で抱きついただけだ」と話しているという。
調べでは、ハドナット容疑者は10日午後10時35分ごろ、同県北谷町北前1丁目の路上に止めた車内で、同県内に住む中学3年の女子生徒(14)に暴行をした疑い。
ハドナット容疑者は同日午後8時半ごろ、同県沖縄市で友達2人といた女子生徒に「自宅へ送ってあげる」と声をかけ、バイクで同県北中城村島袋にある同容疑者の自宅に連れて行った。その後、自分の車に乗せて、北谷町に移動。路上に止めた車内で暴行したという。
心配した友達が午後10時前、女子生徒の携帯に電話をかけたところ、「助けて」と話したため、県警に通報。同10時45分ごろ、女子生徒から友達の母親に「今、逃げてきた」と連絡があり、県警が北谷町北前1丁目で女子中学生を保護した。女子中学生が車の特徴などを覚えていたことから、ハドナット容疑者を割り出した。
沖縄県の仲井真弘多知事は11日午前、報道陣に対し「女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する重大な犯罪であり、特に被害者が中学生であることを考えれば、決して許すことはできず、強い憤りを覚える」とのコメントを読み上げたうえで、「あってはならんことが、またか、という感じ。極めて遺憾だ」と述べた。
県は午後、在沖米総領事に対し抗議。12日には在沖米軍や沖縄防衛局、外務省沖縄事務所などに再発防止を申し入れる予定だ。
女子中学生暴行:被害生徒ケアに細心の注意…沖縄県教育長
沖縄県の仲村守和教育長は11日午後、県庁で記者会見し、被害を受けた女子中学生の心のケアなどに細心の注意を払うことを明らかにした。
仲村教育長は「あってはならない事件がまたも繰り返された。米軍に抗議する」と話した。更に「スクールカウンセラーの活用などで女子中学生の心のケアにあたりたい。場合によっては支援チームの発足を検討する」と述べた。また、緊急校長会の開催などで、子どもの安全を周知徹底する方針を示した。
女子中学生暴行:「家に送る」と車に乗せ…米兵逮捕 沖縄
沖縄署は11日、女子中学生を乗用車内で暴行したとして、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー通信中隊所属の2曹、タイロン・ハドナット容疑者(38)=沖縄県北中城村(きたなかぐすくそん)=を強姦(ごうかん)容疑で逮捕した。米兵による沖縄の女児・女子生徒への暴行事件は95年9月の少女暴行事件以降初めて。仲井真弘多知事は同日午後、在沖縄米総領事に抗議した。県民の反基地感情が高まるのは必至だ。
調べに対し、ハドナット容疑者は「キスしたり覆いかぶさったが、レイプはしていない」と容疑を否認している。
調べでは、ハドナット容疑者は10日午後10時35分ごろ、沖縄県北谷(ちゃたん)町の公園前に止めた乗用車内で、中学3年の女子生徒(14)に性的暴行をした疑い。
ハドナット容疑者は同8時半ごろ、沖縄市内で友人2人といた生徒に声をかけ、「送ってくれる?」と応じた生徒をオートバイの後ろに乗せ、自分の家に連れ込んでキスしようとしたり、抱きつこうとした。抵抗して屋外に逃げ出した生徒に「家に送るから」と言って車に乗せたという。
生徒は容疑者宅にいたとみられる午後9時20分ごろ、すきを見て携帯電話で別の友人に「助けて」と連絡。その後、この友人が、沖縄市内で生徒と一緒だった友人2人に会い、オートバイに同乗したと分かったため、生徒の家族に連絡。沖縄署に届けた。
女子生徒は車から逃げ出し、友人の母親に電話。友人の母親のそばにいた捜査員に事情を話し、現場近くで保護された。【三森輝久】
毎日新聞 2008年2月11日 21時00分 (最終更新時間 2月12日 11時56分)
女子中学生暴行:政府、米側に再発防止と綱紀粛正申し入れ
沖縄県北谷(ちゃたん)町で起きた米海兵隊員による女子中学生暴行事件で、政府は米側に再発防止を申し入れ、12日の閣議後の閣僚懇談会や記者会見でも、たび重なる米兵による事件を深刻に受け止める声や、日米関係への影響を懸念する発言が相次いだ。
事件発生の翌11日には、外務省の西宮伸一北米局長と今井正沖縄担当大使が、それぞれ在日米国大使館のドノバン次席公使とジルマー海兵隊基地司令官に対し、再発防止と綱紀粛正の申し入れを行った。防衛省地方協力局長も、ライト在日米軍司令官に同様の申し入れをした。
高村正彦外相は12日の閣議後の会見で、日米関係への影響について「県民感情の問題。影響がないことはあり得ない」と憂慮を表明。「綱紀粛正や再発防止により、日米関係への悪い影響を少なく収められるかどうかだ」と述べた。
このほか、他の閣僚からも会見で「沖縄の皆さんの心を逆なでするような事件で許しがたい」(渡辺喜美金融・行革担当相)「こういう事件は日米関係に大きな影響がある。関係者は肝に銘じてほしい」(冬柴鉄三国土交通相)などの声が相次いだ。【上野央絵】
女子中学生暴行:適切な対応、閣僚に指示…福田首相
福田康夫首相は12日午前、閣議後の閣僚懇談会で、沖縄県北谷町での米海兵隊員による女子中学生暴行事件について、95年に起きた米海兵隊員による女子小学生暴行事件の経験にも言及し「今回の事件は大変重たい事件だ。しっかり対応しなければいけない」と述べ、関係閣僚に適切な対応を指示した。【坂口裕彦】
毎日新聞 2008年2月12日 11時17分 (最終更新時間 2月12日 11時39分)
女子中学生暴行:またも米兵事件…沖縄に抗議の声渦巻く
送検のため沖縄署を出るタイロン・ハドナット容疑者=沖縄県沖縄市で2008年2月12日午後1時2分、野田武撮影 戦後沖縄で繰り返されてきた悲惨な事件が、また起きた。米海兵隊員による女子中学生暴行事件。県警の調べでは、強姦(ごうかん)容疑で逮捕された米海兵隊員は女子生徒をだましながら連れ回し、執念深く追った形跡が浮かび上がる。基地の島に、抗議の声が渦巻く。【三森輝久、長澤潤一郎】
調べでは、キャンプ・コートニー通信中隊2曹、タイロン・ハドナット容疑者(38)が女子生徒に声をかけたのは米空軍嘉手納基地がある沖縄市の中心部。ハドナット容疑者は10日夜、女子生徒を送り届けるふりをしてオートバイに乗せ、自宅に連れ込み、キスしようとするなどした。
女子生徒が泣いて抵抗し、ハドナット容疑者宅を飛び出すと車で数軒先まで追い「家に送るから」と言って車に乗せた。途中、女子生徒の求めに応じて一度車から降ろしたものの、「大丈夫。送っていく」と再度車に乗せた。女子生徒は「場所がよくわからず、不安になって乗ってしまった」と話しているという。
だがハドナット容疑者は今度は「ドライブに行こう」と言い、嘉手納町の海岸付近まで車を走らせた。女子生徒が「家に帰してほしい」と訴えたため、Uターンした。
事件現場は、北谷町の公園前路上。米軍基地跡地にショッピングセンターや飲食店が連なり、休日には米兵や県内外から訪れる人でにぎわう「ハンビータウン」に近い。沖縄本島の大動脈、国道58号から約100メートルしか離れていないが、公園の周囲は住宅地で、街灯も少なかった。
◇容疑の米海兵隊員、一昨年秋に現地に
沖縄県警によると、ハドナット容疑者は96年に海兵隊に入隊。06年秋、沖縄県うるま市のキャンプ・コートニーに配属された。日本人女性と結婚したが、別居状態で1人暮らし。あいさつなどの日常会話ができる程度の日本語が話せたという。
近所の人の話では、事件当夜、ハドナット容疑者宅の方から「プリーズ」という男の声が響き、「ノー、ゴーホーム」と拒否する女性の声が続いた。直後に車が発進する音が聞こえたという。
◇市民団体が抗議声明
沖縄県の市民団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」は12日午後、抗議声明を発表する。桑江テル子幹事は「基地がある限り続く被害。米兵が市街地の中心部で子どもに声をかけ、事件になったショックは大きい」と話した。更に「米兵の夜間外出禁止が実施されても、容疑者が基地外に住んでおり、効果は期待できないし、兵隊はどんどん入れ替わる。組織が綱紀粛正をしたと思っても、一線には徹底されないから事件が繰り返される」と分析した。
沖縄戦の集団自決を巡る教科書検定問題で、県民大会実施を呼びかけた玉寄哲永(たまよせてつえい)・沖縄県子ども会育成連絡協議会長は「成長過程の子どもの将来をつみ取る許せない事件。米軍は綱紀粛正を図るといつも言うが、事件は繰り返されるし、米軍は県民を守らない」と憤りを隠さない。「教科書問題と同じで、力のある者が沖縄で寄ってたかってしたい放題のことをしている」と話した。県民大会実施に向けて協力した沖縄県婦人連合会やPTA連合会と今後連絡を取り合い、抗議活動を検討することにしている。
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毎日新聞 2008年2月12日 11時23分 (最終更新時間 2月12日 13時21分)
14歳少女に乱暴、米兵を暴行容疑で逮捕…沖縄知事が抗議
沖縄県警沖縄署は11日未明、乗用車内で女子中学生(14)に乱暴したとして米海兵隊キャンプ・コートニー(うるま市)所属の2等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)(北中城(きたなかぐすく)村島袋)を強姦(ごうかん)容疑で逮捕した。
「キスをしたり、抱きついたりしたが、乱暴はしていない」と容疑を否認している。12日午後、那覇地検に送検する。
調べによると、ハドナット容疑者は10日午後10時半過ぎ、同県北谷(ちゃたん)町の公園付近の路上に止めた車内で、沖縄本島中部地区に住む女子中学生に乱暴した疑い。同署は犯行に使ったとみられる車を自宅から押収した。同日午後8時半ごろ、市街地を歩いていた女子中学生3人に声をかけ、被害の生徒から「(家まで)乗せて」と頼まれオートバイに乗せたが、北中城村の自宅へ連れ込んだ。抱きついてキスをしたところ嫌がられたため、「家に送る」と乗用車に乗せ、北谷町の現場で犯行に及んだという。
残りの生徒の1人が「外国人のオートバイに乗って行った友達の携帯電話に連絡したら、助けを求められた」と通報。午後11時ごろ、同署員が現場近くにいた女子中学生を保護した。
沖縄では、1995年の米兵による少女暴行事件を機に基地返還を求める県民世論が高まり、日米両政府が96年、普天間飛行場(宜野湾市)の返還で合意するきっかけとなった。
仲井真弘多知事は11日、県庁で記者団に対し、「女性の人権を侵害する重大犯罪。決して許すことはできない」と述べた。12日午後、在沖縄米海兵隊基地司令官に抗議し、再発防止策を求める方針だ。
(2008年2月12日13時40分 読売新聞)
民主・鳩山幹事長「政府は基地縮小を」…沖縄の米兵暴行事件
民主党の鳩山幹事長は11日、水戸市で記者会見し、沖縄県北谷町での米海兵隊員による女子中学生暴行事件について、「過去にも少女に対する暴行事件が繰り返されてきた。またかという思いを禁じ得ない」と述べた。
そのうえで、「米軍再編問題と基地の縮小を、政府が米国側と強い態度で臨んでもらいたい」と語った。また「早く米軍基地が、日本の領土の中に存在しないような環境ができるような準備を何年かけても行うべきでないか。もっと日本と米国とが対等な関係でなければならない」と指摘した。
(2008年2月11日20時37分 読売新聞)
沖縄の米兵暴行事件、岸田沖縄相「強い憤り感じる」
岸田沖縄相は11日午後、都内で記者団に対し、沖縄県北谷町での米海兵隊員による女子中学生暴行事件について、「大変遺憾だ。あってはならない事件が発生し、強い憤りを感じている。県ともしっかり連絡を取り合いながら対応していかなければいけない」と述べた。
米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題への影響については、「県民の意見をしっかりと受け止めながら、基地の移設や負担軽減の問題に対応していきたい」と述べるにとどめた。
日米地位協定の見直しに関しては、「まずは(米側の)綱紀粛正と事件の再発防止に向けてどう取り組むかという議論をしっかり頂いたうえで、対応が必要かどうか考えなければいけない」と語った。
(2008年2月11日17時48分 読売新聞)
初登庁の新・岩国市長、騒音対策妥当なら移駐受け入れへ
米海兵隊岩国基地への空母艦載機移駐の是非を争点とした山口県岩国市長選(10日投開票)で、移駐に反対する前市長を破って初当選した福田良彦市長(37)が12日、初登庁し、就任記者会見を行った。
移駐について、騒音問題などで納得できる対策が示されれば受け入れる考えを改めて強調。早期に国との協議に入る意向を示した。
沖縄県での米海兵隊員による女子中学生暴行事件については「憤りを感じている。米兵の教育プログラムの徹底など、このような事件がなくなるよう米大使館にしっかり訴えたい」と厳しい表情で語った。
(2008年2月12日12時42分 読売新聞)
暴行事件、米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底求める…政府
沖縄県での米海兵隊員による女子中学生暴行事件を受け、政府は米側に在日米軍の綱紀粛正と再発防止を徹底するよう求めた。
福田首相は12日午前の閣僚懇談会で「しっかり対応しなければならない」と述べ、対応に万全を期すよう関係閣僚に指示した。政府内では、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設など在日米軍再編に影響が出ることを懸念する向きもある。
首相は12日午前の衆院予算委員会で「(事件は)本当に許されることではない。過去に何度か起こっているにもかかわらず、また起きたことは重大なことと受け止めている。政府として、事実関係の究明、再発防止のためできるだけのことをしていく」と強調した。
普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設をめぐって、政府筋は「沖縄の反発が強まって調査が遅れる事態は避けたい」と語った。
◆深刻に受け止める…米国務省報道官◆
【ワシントン=宮崎健雄】米国務省のマコーマック報道官は11日の記者会見で、沖縄県北谷町での米海兵隊員による女子中学生暴行事件について、「いかなる暴行事件も、我々は極めて深刻に受け止める」と述べた。
(2008年2月12日14時07分 読売新聞)
米兵事件に首相「許されることではない」
2008.2.12 11:00(産経ニュース)
このニュースのトピックス:福田内閣
衆院予算委で答弁する福田首相=12日午前 福田康夫首相は12日午前の衆院予算委員会で、沖縄の米海兵隊員による女子中学生暴行事件について「過去に何度か起こっているにもかかわらず、また起きてしまったことは本当に重大なことだと受け止めている。許されることではない」と遺憾の意を表明した。
同時に「米国としっかりと交渉していくが、まず事実関係を究明し、わが国の法と証拠に基づいて適切に対処していく」と述べ、日本の法律に基づき厳正に対処していく方針を強調した。江田康幸氏(公明)への答弁。
首相は衆院予算委前に行われた閣僚懇談会でも、関係閣僚に対し「しっかり対応しなければいけない」と指示した。
事件をめぐっては、 町村信孝官房長官が12日午前の記者会見で「これまで大きな事件もあり、綱紀粛正、再発防止を求めてきたにもかかわらず、このような容疑で逮捕されたことは誠に遺憾だ」と述べ、外務省を通じてシーファー駐日米大使に伝えることを明らかにしたほか、高村正彦外相や石破茂防衛相、岸田文雄沖縄・北方担当相らも遺憾の意や批判を表明した。
その上で、防衛相は防衛省幹部を沖縄県に派遣する方向で検討する考えを示すとともに、さらなる再発防止策について日米が共同で検討する意向も示唆した。
普天間飛行場の移設など米軍再編に与える影響について、外相は「影響がないということはあり得ない」と懸念を示したのに対し、町村長官は「私の方で判断することではない。この事案の処理を迅速かつ適切に最善を尽くしていくのみだ」と述べるにとどめた。
ただ、外相は地元で改正を求める声が強い日米地位協定をめぐっては「今回のことと地位協定は直接の関係はない」と述べた。
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「米軍は引き揚げろ」 少女暴行に沖縄県民激怒
2008.2.11 13:42(産経ニュース)
このニュースのトピックス:不祥事
少女暴行容疑で米兵が逮捕される事件がまた起きた。「犯罪を根絶できないなら米軍には引き揚げてもらうしかない」-。沖縄では強い憤りの声が上がった。
米兵による犯罪被害者らの聞き取り調査に取り組んできた沖縄人権協会の福地昿昭理事長は「平成7年に起きた少女暴行事件を想起させる。『再発防止』『二度と起こらないように』という言葉が何遍も繰り返されてきたのに」と指摘。
「軍紀が乱れていては沖縄は人の住める場所ではない。一軍人の犯罪では済まされず、日本政府も人権上の問題として取り上げるべきだ」と語気を強めた。
過去10年の沖縄県内では米軍人・軍属、その家族ら米軍構成員による刑法犯の検挙人数が、15年の133人を最多に4年連続で減少。昨年は46人だった。
しかし1月には沖縄市の路上でタクシー運転手をウイスキー瓶で殴ったとして、普天間飛行場所属の海兵隊員2人が同じ沖縄署に逮捕されたばかり。米国のケビン・メア駐沖縄総領事は同月末の記者会見で「こういう事件はたとえ1つでも多すぎる。事件をなくすため一層努力する必要がある」と強調していた。
今回の事件発生は10日夜、米空母艦載機移転を最大の争点とした山口県岩国市長選の開票作業が大詰めを迎えていた時間帯だった。
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