インタビュー

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Neko LinkNeko Link 2007/03/04

すでにNAGAYAは重要文化財なんです(笑)

 今日から始まりましたマグスルのインタビューコーナーですが、第1回は NAGAYA を作られたことで有名な、世界的に著名なビルダー、Randy Kamaboko 氏をお迎えしています。今日はお忙しい中、お時間をとっていただき、ありがとうございます。

   こちらこそお世話になります。

 

 ランディさんからお申し出をいただいた弊社へのNAGAYA譲渡について、結構SLプレイヤーにインパクトを与える内容なのでもう一度ここでランディさんからご説明いただけますか?

 ですね。ある意味、活動の目標的なものにも成り得るかもしれないということです。まず、NAGAYAの創設時の目的から話す必要が出てくるわけですけど、その辺りは大きく割愛しまして、我々の当初の目標であった2つのポイント、一つは世界に誇れる日本人発の情報基地を作る。もうひとつはNAGAYA創設時我々はSLを開始して間もなかったので、ここを成功させて(SL内での)資本を作る。この2つの面はほぼ達成したと言って良いかと思います。そこで当初は計算になかったデメリットが生じ始めるわけです。

 そのデメリットを詳しくお聞かせ願えますか?

 

 個人単位の束縛されない時間であるべきSLでの活動がNAGAYAに拘束される事になったわけですね。しかし放置するわけにはいかない。個人ユーザーに委ねてしまうと次の世代にも同じ負担を強いる事になる。つまり、管理運営を体力のあるところに引き継いでもらおうというのが私の出した答えです。そこでNekoさんに協力を依頼させていただいた、というのが流れですね。

 なるほど。

 

 メディアの誤った報道も運営に支障をきたす一因です。SL内のコンテンツはそれぞれ、テーマ、コンセプト、ポリシー、主に管理者(多くは個人単位)のボランティアで成り立つものがほとんどですよね。

 そうですね。

 

 そこは一切報道されず、単なる遊園地感覚で報道された弊害が日本の本当の姿を知らせるべき場所に、SLを開始して間もない方々(彼等に罪はありません)を大量に呼び込む結果になってしまった。

 それは報道にも新規プレイヤーにもまだ理解されてないけど、SLにおける「コンテンツはプレイヤーが提供する」という本当の意味が、いままでのゲームの感覚からの先入観で誤解されてますよね。

 そのとおりですね。実生活(FirstLife)と全く同じで、TPOを意識した振る舞いがSLには重要です。

 

 ゲーム会社は多大なコストを払ってコンテンツを構築し、そして維持しますが、SLではそれがプレイヤーにゆだねられる。

 

 ですね。WEBサイトの管理と大きく異なる点がSLのコンテンツ運営には多くありますからね。

 

 提供されるものが有料サービスでなく、ボランティアであることが無視され、まるで入場料を払った遊園地のように好き放題に振舞う。もっと、知らない人の家を訪問したり、友人の家を訪問したりする感覚でそれを作って楽しませてくれる人たちに敬意を払ってほしいですね。

 

 本当にそうあるべきだと思います。

 

 人の土地にゴミを散らかして帰ったら、そこには二度と入れさせてもらえなくなる可能性があることを、考えてみてほしいです。
あ、すみません、話それました。

 

 NAGAYAの管理に人が24時間はりつくわけにはいかない、という点に疑問を持たれる方もおられるかもしれません。なぜなら多くのコンテンツは「作りっぱなし」なのに対して、私たちは景観の維持を含め常に同じクオリティを敷地内に保とうと努力しています。

 常に四季を再現することに努力されていますね。

 

 ですね。そういう景観の維持は必須だと考えます。日本を愛してくれる諸外国のゲストに対して、そういう配慮こそがNAGAYAが支持された理由なんですよね。そこを苦痛というのがおかしいじゃないか、という意見もあるかと思います。しかし、実際にやってみると、ひっきりなしに訪れるゲストの対応、無許可のオブジェクト群、規約無視の侵入者。これが24時間続くと胃も痛くなります。(笑)

 私も毎日、やってます。(笑)

 

 私を含めてメンバーはSL内であらゆる可能性をもっと模索したいのです。そこで、NAGAYAのコンセプトにご理解いただいており、かつ運営実績のあるNekoさんに相談させていただいた、って感じですね。

 なるほど。正直、驚きました。

 

 SLでSIM管理運営を目指す方々のよい修行の場になるかもしれませんね。(笑)

 

 私のイメージでは、今、長屋というのは、日本大使館のような感覚をもっています。

 

 近いかもしれませんね。

 

 ただ、ランディさん自身のビジネスと、ショッピングモールという側面があると思うのですが、それを支えるコンテンツであったはずでは?

 

 私自身は、新しいアプローチでの可能性を模索しています。NAGAYA内のモール部分は私が一定のクオリティを持った日本人ショップオーナーに声をかけて、彼等日本人クリエイター達の存在をもっと海外にアピールするキッカケ程度の感覚ですから、NAGAYAそのものに莫大な利益を求めた事はないのです。

 そうですね。ショップ数も少ないですし。

 

 ですね。今後はNAGAYAの庭師として顔出す形でよろしくです。「鯉のゲンキがない!」とかは言われても困りますけど!(笑)

 

 ランディさんご自身が、NAGAYAで販売されていた日本家屋は、どうされるのですか?

 

 これはNAGAYAの問題とは別個になると思うんですけど、実際にクリエイティブな作業をしてる方ならご理解いただけるかと思いますが、自分の過去のものを許せない。みたいな部分ありまして(笑)

 ああ、スキルがあがると、昔つくったものが恥ずかしくなる現象ですね?

 

 そうそう!まさにそれ。今後はフルオーダーで細々とやっていこうかと思います。売ったものに対する保障や責任がないようにもとられてしまうんであんま言いたくない事ですけど……。

 

 なるほど。ではNAGAYAのランディ建設は閉鎖なんですねえ。

 

 定番モノの家具類は置いておきますよ。建物については展示スペースの問題もありますしね。私のやりたかった事とタイミングがあったので、プレハブ販売はちょっとお休み、って感じです。

 

 なるほどですね。では、今後の Randy Kamaboko に期待するとして、今後のNAGAYAについてすこしこの場で意見交換をしたいのですが。ランディさんの思いもあるとおもいますので、どのようにお考えかお話しいただけますか?

 基本的に現状維持をして頂ける方を探しておりましたので、そこにご理解頂いたNekoさんがあそこにゴジラをおいたりしない限り大きく変わる事はないかと思いますよ!

 置きてぇ……。

 

(この後、しばらくゴジラを置くかどうかを検討)

 

 私としては、景観の維持は当然のこととして、ただ、NAGAYAのモールへの出店が既得権益のようになってしまうことを避けたいなと思っています。

 

 なるほど。

 

 

 いままでは、NAGAYA を作られたみなさんが出店しているのですからそれは当然なのですけどこれからは、日本人プレイヤーも増えていますし、本来の主旨にそって、JAPAN QUALITYを世界に広める場所として、もうちょっと開放できればと思います。

 ですね。品質さえ維持してくだされば構いませんし、当然本物のクリエイターの数も増えますしね。世界に向けたいい作品アピールの場所になると思いますよ。

 

 ショッピングモールというのは、お客さんがきて、売れるようになってしまうとショップが入れ替わらなくなって、硬直化する。リアルの企業のようにショップオーナーがどんどん新製品に入れ替えてくれたらいいのですが、意外と一度つくったものがずっとおきっぱなしでというパターンになりがちですよね。

 同時に出店SHOPのクオリティが低いとお客さんの足は離れますし難しいですよね。そういう面で熱意のあるクリエイターさんは得てしてSIMに移転したり、って成功しておられますよね。

 

 まだどういうものがいいのかわかってないんですけど、一度、Miraiで実験してみたいなと思っていることがありまして。2週間でオートリターンのモール・・・

 

 鬼だ。(笑)

 

 フリービーみたいになるから、まあ実現はちょっと疑問ですけど、なんかそういう入れ替え制みたいなことはしたいなと思います。

 

 早く最近始めたプレイヤーが一定水準のものを制作できるレベルになるといいですね。

 

 やっぱり新しいプレイヤーのモチベーションを生かしたいし、それがログインしないプレイヤーが置きっぱなしにしている商品によってチャンスが減るのは残念です。

 

 でも「~~ごっこ」の部分も残してあげないといけないし難しいです。

 

 うん。プロだけの世界にもしたくないですし、クオリティ審査は悩みどころですね。

 

 Nekoさんは、NAGAYAの件をどう受け止めました?

 

 私のほうで今回のご相談をいただいた時、さすがにちょっと悩みました。まず、NAGAYA自体は、モールで採算があっているわけではないはずなので、企業としては、たんなるコストになります。もちろん維持するスタッフのコストもありますし。

 その部分は結構話し合いましたね。

 

 でも、すでにNAGAYAは重要文化財なんです。これが運営者の都合で消えることがあってはいけない。そして、それにクリエイターたちが拘束されて新しいことができないのもいいことじゃありません。

 

 ご理解に敬意を表します。

 

 それならコストは私が負担して、運営については、これから有志を選抜して、もちろんそのメンバーは入れ替わっていくと思いますが、やっていければ、ランディさんの主旨にそった形ができうるのではないかと思いました。

 本当にありがたいことですね。

 

 いや、そういう道をひいてくださったNAGAYAオーナーズに、きっと感謝する人たちもいると思います。そして、成功したコンテンツがバイアウトできるという実績にもなると思いますから、その点においても大きなステップではないでしょうか。

 そして私は生きた化石に……。

 

 とりあえず肖像画は飾りましょう。(笑)

 

 遺影か……。

 

つづく

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コメント (1)

Sousirou:

Randy kamabokoさん、Nekoさんお疲れ様です。
職人さんに敬意を感じますよ
日本人の誇りですねw
なかなかリアルライフが未だ安定していないので
安定しだしたら、もっと参加できるかと想います。
ちなみに私の息子は大工になりたいと
言ってまして私の小さい頃の夢と同じだったので
なんかうれしかったです。

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