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【社会】アヘン患者を炭坑動員 旧日本軍、満州で計画2008年8月17日 朝刊 日中戦争当時、旧日本軍が中国東北部の旧満州国でアヘンの生産と販売を独占した上、治療した中毒患者の中国人を炭坑現場などで労働者として動員する計画を進めていたことが、愛知県立大(愛知県長久手町)の倉橋正直教授(65)=東洋史=の研究で分かった。 倉橋教授によると、アヘンの専売は国際条約違反だったが、日本は旧満州国の農村部でアヘンを生産させ、都市部で販売。その収益で占領地支配の財政や軍事費を支える仕組みを作っていた。 教授は中国吉林省の公文書館「档案(とうあん)館」で「関東憲兵隊資料」を発見。同資料を分析した結果、旧満州国内の18省116施設で治療を受けさせた中毒患者を、軍関連の労働現場で働かせる大規模な就労計画を立てていたことを裏付けた。 資料は1945年6月末の作成。「建設向け」「鉱山労働向け」などに分類された3万人分の人員配分表もあり、旧日本軍が終戦間近の時点でも、旧満州国の110万人とされるアヘン患者を重労働の現場に動員しようと意図していたことを浮き彫りにした。 37年に始まった日中戦争の長期化に伴い、旧満州国は戦線の後方基地として、軍事物資と労働力の供給が課題となっていた。 倉橋教授は「戦時とはいえ、日本が国家政策としてアヘンに手を染めた実態を直視してほしい。日本は薬物汚染の加害者であったことへの反省を被害国に示さなければいけない」と話している。 研究成果は、倉橋教授が今月刊行した著書「阿片(あへん)帝国・日本」(共栄書房)にまとめられた。 中国政治史に詳しい西村成雄放送大教授の話 公的な資料に基づいた事実解明で評価できる。当時の日本による東アジア諸国への独善的な国家政策を認識することは今後、日本がこの地域でどう行動すべきかを考えるためにも有益だ。
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