福島県立大野病院(福島県大熊町)で2004年、帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した事件で、業務上過失致死罪などに問われた執刀医、加藤克彦被告(40)に対する判決が20日、福島地裁で言い渡される。大量出血の予見可能性などを巡り、被告側と検察側は激しく対立。深刻な医師不足の中、医療界は「さらなる萎縮を招く」と反発を強めており、司法が医療をいかに裁くか注目される。
起訴状によると、加藤被告は04年12月、女性の帝王切開の手術をした際、胎盤の癒着で大量出血する可能性があり、生命の危険を回避する義務があったにもかかわらず、癒着した胎盤を漫然とはがし、大量出血で死亡させた、とされる。また、警察への異状死の届け出を怠ったとして、医師法違反の罪でも起訴されている。(07:00)