お盆を古里で迎えた人たちのUターンラッシュがピークを迎えた16日、九州北部地方は前線へ湿った空気が流れ込み、局地的な大雨に見舞われた。新幹線やJR在来線特急が一部運転を見合わせるなど交通が大きく乱れ、家路を急ぐ家族連れなどを直撃した。
福岡管区気象台によると、気象レーダーの解析で佐賀県鳥栖市付近で午後2時半までの1時間に120ミリ以上、福岡県小郡市では約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられる。同県太宰府市では家屋1棟が床上浸水した。
雨量計が基準値を超えたため、山陽新幹線は博多―小倉間で午後零時40分から24分間運転を見合わせ、計8本が最大43分遅れ約2900人に影響。JR鹿児島線は、福岡県の水城―久留米間で午後2時すぎから2時間半近く運転を見合わせるなどしてダイヤが大幅に乱れた。在来線特急の遅れに伴い、九州新幹線も計3本が最大26分遅れ、約1200人に影響した。
JR博多駅では、乗れなかった新幹線の指定席券を払い戻す長い列もできた。帰省先の大分県日田市から、家族5人で広島市に戻る途中の会社員山田啓嗣さん(41)は、日田駅から特急で博多駅に向かったものの、途中の二日市駅で1時間以上足止め。タクシーで乗り付けたが間に合わず、「せっかく取った新幹線の指定席はパーで、余分な出費もかかった」と疲れた表情をみせた。
=2008/08/16 西日本新聞=