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広島原爆忌:こども代表平和への誓い(全文)

平和記念式典で「平和への誓い」を宣言する本堂君(右)と今井さん=広島市中区の平和記念公園で2008年8月6日午前8時29分、小松雄介撮影
平和記念式典で「平和への誓い」を宣言する本堂君(右)と今井さん=広島市中区の平和記念公園で2008年8月6日午前8時29分、小松雄介撮影

 昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分。

 突然のするどい閃光(せんこう)と爆風で、数え切れない多くの尊い命が失われました。

 あの日、建物疎開や工場で働くために出かけていった子どもたちは、63年たった今も帰りません。「いってきます。」と出かけ、「ただいま。」と帰ってくる。原爆は、こんな当たり前の毎日を一瞬で奪いました。

 原爆は、やっと生き残った人たちも苦しめます。

 放射線の影響で突然病に倒れる人。

 あの日のことを「思い出したくない」と心を閉ざす人。

 大切な家族や友人を亡くし、「わしは、生きとってもええんじゃろうか?」と苦しむ人。

 でも、生き抜いてくれた人たちがいてくれたからこそ、私たちまで命が続いています。平和な街を築き上げてくれたからこそ、私たちの命があるのです。

 今、私たちは、生き抜いてくれた人たちに「ありがとう」と心の底から言いたいです。

 忘れてはならない原爆の記憶や、核兵器に対する怒りは、年々人々の心から薄れていると思います。しかし、人の命を奪う戦争や暴力は、遠い過去のことではありません。

 この瞬間にも、領土の取り合い、宗教の違いなどによる争いによって、小さい子どもや大人、私たちと年齢の変わらない子どもたちの命が奪われています。

 失われた命の重さを思う時、何も知らなくて平和は語れません。

 事実を知る人がいなくなれば、また同じ過ちがくり返され、戦争で傷つき、命を失った人たちの願いは、かき消されてしまいます。だから、私たちは、大きくなった時、平和な世界にできるよう、ヒロシマで起きた事実に学び、知り、考え、そして、そのことをたくさんの人に伝えていくことから始めます。

 また、私たちは、世界の人々に、平和記念式典が行われ、深い祈りの中にある広島に来てほしいと思っています。ヒロシマのこと、戦争のことを知り、平和の大切さを肌で感じてほしいのです。

 そして今こそ、平和を願う子どもたちの声に耳をかたむけてほしいのです。

 みなさん、見ていて下さい。

 私たちは、原爆や戦争の事実に学びます。

 私たちは、次の世代の人たちに、ヒロシマの心を伝えます。

 そして、世界の人々に、平和のメッセージを伝えることを誓います。

 平成20年(2008年)8月6日

こども代表

広島市立幟町小学校6年    今井 穂花

広島市立吉島東小学校6年   本堂 壮太

毎日新聞 2008年8月6日 11時30分(最終更新 8月6日 12時41分)

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