医師不足の深刻さ報告 第二赤十字病院
青森派遣の2人
緊急臨時的医師派遣システムで訪れた、青森県鰺ヶ沢町立中央病院の様子を報告する横江医師
国の緊急臨時的医師派遣システムに基づき、慢性的な医師不足が続いている青森県鰺ヶ沢町に派遣された名古屋第二赤十字病院(名古屋市昭和区)の内科医師2人が14日、同病院で報告会を開き、職員に現地の状況を報告した。
医師派遣システムは昨年5月、医師不足地域に対する国レベルの支援策として創設された。同病院は厚生労働省から日本赤十字社への派遣要請を受け、7月1日から31日までの1か月間、横江正道医師(38)と丹羽一貴医師(29)を鰺ヶ沢町立中央病院に緊急派遣。常勤の医師が5人だけの同病院で、横江医師らは、津軽弁での症例の把握や医療機器の違いに戸惑いながらも、1日平均約80人訪れる内科外来患者の診察や救急センターでの治療などに当たった。
同病院には鰺ヶ沢町のほか、隣接する深浦町からも患者が訪れる。同病院で対応できない場合、救急車で青森市まで患者を搬送するケースもあるが、高速道路を使っても約1時間かかる。横江医師は「長距離搬送の弊害を少なくするため、ドクターヘリを導入してもらいたい」と訴えた。また、丹羽医師は帰り際に、「青森に残って欲しい」と要望されたといい、地域医療の厳しい現状を紹介した。
(2008年8月16日 読売新聞)