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地域貢献、健康守る 理学療法士ら無料派遣2008年8月16日

池田苑の看護師に血圧を測ってもらう西原町幸地の住民=12日、西原町の幸地公民館

 地域のお年寄りに健康な生活を送ってもらおうと、西原町池田の介護老人保健施設「池田苑」(医療法人愛和会、宮城光吉会長)は現在、公民館に理学療法士や栄養士など専門家を派遣して講演会や看護師による無料相談を積極的に行っている。1999年に始めた取り組みは今年で9年。年間で延べ2500人前後のお年寄りが参加しており、宮城会長は「地域に必要とされる施設になることが重要。戦争で苦労したお年寄りに貢献したい」と話している。
 池田苑では地元の西原町池田のほか、幸地、呉屋、小橋川の四つの公民館に月2回看護師を派遣し、集まったお年寄りの血圧測定や健康相談に応じる活動を行っている。公民館には毎回約30人の高齢者が集まる。
 また、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、管理栄養士、言語聴覚士などの専門家も随時派遣しており「転倒骨折の予防」「関節炎、腰痛予防」「認知症の予防」など、地域の要望に合わせた講演を行っている。
 健康相談に毎回参加しているという同町幸地の外間節子さん(71)は「自分でも血圧を計っているけど、先生(看護師)に測ってもらうのが一番。『大丈夫ですね』と言ってもらえたらうれしい」と話した。
 同苑の佐久川伊弘事務長は「病院や施設はどうしても入りづらいという人がいる。施設の方から出て行ってそういう人たちの声を聞きやすい雰囲気をつくりたい」と話している。
 愛和会グループでは、07年に那覇市おもろまちにデイサービスとグループホームを開所したことに伴い、銘苅小学校の地域交流室でも住民を集めて同様の講演会も始めている。
 沖縄戦当時、少年兵として米軍との戦闘に参加した宮城会長は「お年寄りは戦中、戦後と大変な苦労をした。そのお年寄りの面倒を見ることがわたしの義務」と老健施設の運営を決意し93年に池田苑を開所した。施設の新人研修では戦争体験を語っている。
 宮城会長は「施設の理念は『尊厳、貢献、共生、成長』。地域と一緒に生きて地域に貢献することで、厳しい中でも健全に運営できている」と語った。(稲福政俊)


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