病院事業会計 資金繰り深刻/07年度 不足率10%に
県が二〇〇七年度決算ベースでまとめた公営企業の事業規模に対する資金不足の割合を示す「資金不足比率」(速報値)で、病院事業会計は10・1%となり、十一ある公営企業会計の中で、最も資金繰りが厳しいことが十五日、分かった。経営健全化計画の策定が求められる基準値(20%)には達しなかったものの、あらためて病院事業の財務運営の深刻さが表れた。
資金不足比率は、昨年六月に成立した自治体財政健全化法で公表が義務づけられた財政指標の一つ。手持ちの資金と短期の負債などから資金の不足額を算出し、営業収益などの事業規模に占めるウエートで、公営企業ごとに資金繰りの厳しさを見る。
〇七年度決算は数値の公表のみで、〇八年度決算から全面適用。比率が20%を超えると経営健全化団体となり、経営悪化の要因分析や収支見通しなどを盛り込んだ健全化計画を策定・公表し、取り組まなくてはならない。
〇七年度決算ベースの速報値によると、上下水道や中央卸売市場、自由貿易地域など、病院事業を除く十の公営企業会計は資金不足にはならなかった。病院事業会計は地方財政法に基づく不良債務比率も、起債(借金)に国の許可が必要となる10%(〇六年度決算17・4%)を超える厳しさだ。
県は自治体財政健全化法に基づき、財政状況を示す四指標(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率)についても速報値として試算。四指標とも、財政運営に一定の制限を受ける「早期健全化」や「財政再生」の基準を下回った。