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【国際】

中国でもギョーザ中毒 天洋食品製、現地混入が確定的

2008年8月6日 夕刊

 中国製ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(中国河北省)が中国国内で回収した冷凍ギョーザが流通し、これを食べた中国人が有機リン系殺虫剤「メタミドホス」による中毒症状を訴えていたことが分かった。日本側の関係筋が明らかにした。

 中国側はこれまで「中国国内での混入の可能性は極めて低い」と主張してきたが、日本に輸出されていないギョーザからメタミドホスが検出されたことで、殺虫剤は中国で混入したことが確定的になった。

 日本側は外交ルートを通じ、中国側に事実関係の確認を要請する方針。首相周辺は「日本国内での混入の可能性は極めて低いと中国政府には伝えた。あとは中国がどう判断するかだ」と述べた。

 中国側は経緯について、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)前に外交ルートを通じて日本政府に連絡したが、政府は公表していなかった。

 中国側は北京五輪終了後、捜査を本格化させる意向を日本側に示したが、「本格化」の具体的な意味は不明という。

 関係筋によると、中国国内で今年6月、天洋食品がいったん回収した冷凍ギョーザの一部を食べた中国人が、有機リン系殺虫剤によるとみられる中毒症状を訴えた。その後の調査でメタミドホスが検出され、原因と断定されたという。被害を受けた人数や詳しい症状、流通の経緯は不明。

 天洋食品製のギョーザをめぐっては、千葉、兵庫両県で3家族計10人が食後に中毒症状を訴えたことが、今年1月末に表面化。

 警察庁は2月、鑑定や実験の結果、メタミドホスは日本で製造されたものではなく、中国の製造段階で混入されたことが確定的との捜査結果を中国公安省に伝えた。公安省は同月、記者会見で中国での混入を否定するなど、日中双方の見解が対立していた。

 

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