1000円たばこを買いますか=成人識別カード「タスポ」7月から全国自販機で

【PJ　2008年06月11日】− 11日、東京・中目黒駅前GT広場で、JTが、タスポカードの申し込みを受け付けていた。2008年３月のパイロット地域として鹿児島県と宮崎県からはじまり、５月には第一次エリアの北海道や青森など21県。６月には第二次エリアの新潟や長野など15県。最後に、第三次エリアとして７月から、東京、神奈川、千葉など９県で、タスポで確認しないと自販機からたばこが買えなくなる。

　タスポの申し込みは、まず写真を撮って申込書に貼り、氏名住所などを書き、免許証など身分を証明するもので本人確認をして、ポストに投函すると終わり。２週間ほどで、タスポカードが自宅に送られる仕組みだ。JTがこのような方法で、自販機販売を制限する一方、自民党の中川秀直元幹事長、民主党の前原誠司副代表、公明党の北側一雄幹事長らを共同代表に選出して、「たばこと健康を考える議員連盟」の世話人会が10日に開かれた。

　日本のたばこ市場の64％を占める日本たばこ産業（JT）の株の半分は、財務省がもっている。財務省と厚労省のせめぎ合いがあるゆえんだ。全国に60万台という、たばこ自販機から未成年を含む誰でも、たばこが安く買える時代に、まずタスポカードがブレーキをかける。次に、日本のたばこ価格を２ユーロ（約300円）から、ヨーロッパ並の６ユーロ（約1000円）にするという提案で、税収を保ちながら、喫煙者を減らすという案を検討するのだろう。

　ある雑誌に、「フランスでは、たばこの税率を上げて、税収を多くする方法をとり、たばこの販売量は減ったが、販売額は増えた」とあった。1000円たばこというのも、喫煙者にはつらいかもしれないが、フランスの例から見ると、喫煙者が減って、税収はあがるということになるのかもしれない。超党派の「たばこと健康を考える議員連盟」は、2009年の税制改正に間に合わせ、医療などの社会保障費に当てたいということだ。【了】

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パブリック・ジャーナリスト　安居院 文男【 東京都 】
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タスポカードの説明看板 (撮影 安居院 文男 11日 中目黒で)