サブカテゴリー

快挙だ“ニート剣士”が日本勢史上初メダル

フェンシング・男子フルーレ個人で銀メダルを獲得した太田(右)
フェンシング・男子フルーレ個人で銀メダルを獲得した太田(右)
Photo By 共同

 【北京五輪 フェンシング】日本のサムライが、欧州伝統の競技でメダルをつかんだ。男子フルーレ個人で04年アテネ五輪9位の太田雄貴(22=京都ク)が決勝に進出。07年世界選手権3位のベンヤミン・クライブリンク(23=ドイツ)に敗れたものの、銀メダルを獲得した。日本がフェンシングでメダルを獲得したのは団体、個人を通じて史上初。今春に大学を卒業後、就職せず北京に懸けた“ニート剣士”が快挙を達成した。 【日程&結果  選手名鑑

 胸に輝く銀メダルが、誇らしかった。過去5戦全敗の相手に決勝で敗れたものの、日本人が初めてフェンシングの表彰台に上った。太田は「夢の舞台で多く試合ができて、幸せだった」と胸を張った。

 準々決勝で世界ランク1位のヨピッヒを撃破。準決勝ではアテネ五輪銀のサンツォを14―14から最後のひと突きで仕留めた。決勝では6―14と追い込まれてから猛反撃。最後は胸への一撃で屈したが、3連続ポイントで意地を見せた。9位に終わった04年アテネ五輪から4年。「負け続けている相手なので悔しい」と無念さも見せたが、「五輪で勝負する」という目標は達成した。

 元選手の父・義昭さん(55)に勧められ、剣を握ったのが小3の時。兄・智之さん(29)と姉・麻貴さん(27)も勧められたが、首を縦に振らなかった。「全身タイツみたいでダサいから、勘弁してくれってこと」。5月5日、そんな雄貴少年に父は言った。「スーパーファミコンを買ってやるから」。このひとことから、練習漬けの日々が始まった。

 練習場所は自宅リビング、じゅうたんのすき間のフローリング。おたふくかぜをひいても練習を休まず、修学旅行にも剣と防具を持参した。ストイックに追い込んだ結果、史上最年少の17歳での全日本選手権優勝など「日本人史上最高」とうたわれる才能が開花した。だが、アテネ後の05年3月から燃え尽き症候群に陥り、成績も伸び悩んだ。

 転機が訪れたのは06年3月。「私立中学を自主退学に追い込まれた」(太田)ような先輩から「切羽詰まってやるなよ」と声をかけられ、無理に自分を追い込むのをやめた。フェンシングを始めた94年5月から約4300日、11年以上続けた練習を初めて休んだ。メリハリをつけることで、再び上昇気流に乗った。

 今春、同大を卒業したが、五輪にすべてを懸けるため就職しなかった。「友達にはニートって言われる。職業欄に何も書けないのがつらいんですよ」。それでも、あれほど嫌っていた全身タイツのようなユニホーム姿は、最高に格好良かった。

[ 2008年08月14日 ]

ニュース

北京五輪写真特集

» 写真一覧へ

8月16日の注目競技
競技 種目 日本時間
競泳 女子200メートル背泳ぎ 11時03分
出場選手:中村礼子
卓球 男子団体準決勝ドイツ戦 15時30分
出場選手
韓陽岸川聖也水谷隼
レスリング 女子48キロ超 10時30分
出場選手:伊調千春
レスリング 女子55キロ級 11時00分
出場選手:吉田沙保里
野球 1次リーグ 韓国戦 20時00分
詳細日程
クイックアクセス

選手名鑑

競技日程

メダル情報

日本人成績

北京便りだよ!

代表選考特集

緊急特集

Go!アスリート

教えて!スポニチ

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲