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北京五輪:口パクにCG、うそだらけの開会式

 他人の歌声に合わせ口パクで歌った美少女、コンピューターグラフィック(CG)で現場よりテレビできれいに見える花火-。今月8日夜に行われた北京五輪開会式の一部が「偽物」だったことが分かり、世界の人々だけでなく中国人をも失望させている。

 開幕公演が終わり、照明が落とされたメーンスタジアムの国家体育場(通称・鳥の巣)のステージで髪の毛を両脇に束ねた美少女、林妙可ちゃん(9)が中国の国旗・五星紅旗を見ながら、愛国歌曲の『歌唱祖国』を披露した。しかし、実際は妙可ちゃんより2歳年下の楊沛宜ちゃん(7)の歌声を事前収録し、それに妙可ちゃんが口パクで合わせたものだった。

 数千人が応募した選抜テストで歌が最もうまかった沛宜ちゃんがステージに上がれなかったのは、歯並びがそろっていないという理由だった。結局歌は沛宜ちゃんが歌い、ルックスで勝る妙可ちゃんがステージに立った。

 中国のラジオ放送に出演した陳其鋼・音楽総監督は12日、「(口パクは)国益のためだ。画面に登場する子供のイメージは完ぺきでなければならない」と述べた。陳監督によれば、最終リハーサルで中国共産党政治局のメンバーから「妙可ちゃんの声を替えるべきだ」との意見が付いたという。

 全世界で8億4000万人がテレビで見守った花火の競演も実際の情景ではなかった。天安門広場から国家体育場に至る上空に花火で描かれた29個の足跡は、巨人が空を歩いているようだとして「巨人の足跡」と呼ばれた。

 しかし、地元英字紙の北京タイムズによると、花火映像は事前に収録されたもので、一部はコンピューターグラフィックによる処理も施されていた。普段の北京の夜空を考慮して、花火が白みがかるようにしたり、ヘリコプターで撮影したようにカメラをわざと揺らしたりするなどの演出も加えられた。

 こうした演出が明らかになると、海外メディアはもちろん、中国のインターネットユーザーも動揺している。中国のブログや討論サイトでは、「恥ずかしい」という趣旨の書き込みが相次いだ。「中国は『偽物生産国』と既に呼ばれているのに、まだこんなことをするのか」「大国の自信感はどこに行ったのか」「五輪も偽物を作り出せるなら、何でも偽物を作れるではないか」などといった指摘だ。

 しかし、13日午後時点で、中国の大手ポータルサイトでは口パク演出に関する記事を見つけるのは難しい状況となっている。AP通信は中国当局が関連記事の検閲に乗り出したと報じた。

ピョン・ヒウォン記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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