VW ゴルフが代表格といえる欧州の激戦カテゴリー「Cセグメント」に、フランスのプジョーが送り出しているのが300シリーズ。このシリーズは実に古い歴史を持つが、近代においては1994年に登場した306、その後を受けて2001年に登場した307と続き、現在販売されているモデルは308の名で今年6月に日本でのデビューを果たしたばかりの1台だ。
既に先代モデルの307シリーズ登場のときも、それ以前の306シリーズからすれば「大きくなった」と言われていたが、今回の308もさらにボディサイズを拡大し、3サイズは全長4290×全幅1820×全高1515mmとついに全幅は1800mmを超えた。ちなみにライバルであるVW ゴルフは現在、全長4205×全幅1760×全高1520mmだから、308はゴルフよりさらにひと回り大きくなったわけだ。
もっともこれは308に限った話ではなく、ほかのCセグメントのライバルにも共通する傾向。例えばイタリア本国で復活を果たしたランチア デルタなどは、同じCセグメントにありながらも全長は4500mmをオーバーするなど、ボディの大型化はいまだ止まらない。さらに今年にはCセグメントの代表格であるVW ゴルフが6代目へと進化するが、これもどのような成長を果たすかが注目だ。
デザインに関しては1つ下に位置する207との共通性を感じさせるつり目のヘッドライトや大きなグリルが特徴となっており、これは207同様に社内のデザインチームの手によるものだ。一方インテリアでは先代モデルよりもさらに質感をアップさせているほか、ボディの大型化によって以前より広い室内を得て、高い快適性も手に入れているのが特徴となっている。
プジョーは90年代後半に現行207の先代モデルである206が大ヒットして日本での登録台数を飛躍的に伸ばし、02年には過去最高となる約1万5600台を記録したが、その後はやや減少傾向となった。07年には206の後継である現行207の販売を開始したが、約8000台と最盛期からすると登録台数は減った。果たして今年の新型308の投入で再び1万台を超えられるかが注目だ。