ゆすり・たかりの標的日本 |
「中国の場合」 前野 徹 「第四の国難」 扶桑社 より ≪なぜ、日本政府が中国の遺棄化学兵器の処理を肩代わりすることになったのか?≫ 例の村山富市の発言に遡る。戦争責任を口にして村山富市が平成7年、訪中した折、「日中戦争への反省の意思を明確にする」ため、日本政府が責任を持って遺棄科学兵器を処理すると約したのである。 日本がポツダム宣言を受諾した時点で、中国領土内の遺棄化学兵器の所有権は中国に移っているので、本来、日本に処理義務はない。また、平成三年から日本の調査で日本製だけでなく、ソ連製や中国製も交じっていることがわかっている。 だが、中国側の「日本軍の毒ガスを吸って死んだ中国人死者は三千人近い」という脚色に押し切られた。これを陰で支えたのは、ほかならぬ村山政権下の河野洋平である。「化学兵器に日本製もソ連製も違いはない。中国製もまとめて責任を持って処理する」と言い切ってしまった。この国益をまるで考えない発言には、さすがワシントンの外交筋も呆れたという。この処理には最低5,000億円から1兆円かかると試算されている。 かように事あるごとに中国は戦争責任を持ち出して、日本から金を引き出そうとする。対中国に関しては、1978(昭和53)年、日中平和友好条約を締結した段階で、すべて決着がついている。今更、中国が持ち出してきても、応える筋合いはない。だが、たとえそれが事実無根であったとしても、日本が突っぱねない限りは、今後も中国は国策として日本に戦争責任、南京大虐殺、歴史認識などを突きつけ続けるだろう。→全て、日本の「歴史認識」がおかしいからである。戦争を仕掛けたのは、「中国」である! ・中国が悪いのではない。中国は国益に沿って上手くやろうとしているだけである。むしろ、その外交手腕を日本は見習うべきかもしれない。それにやすやすと乗ってしまう日本のリーダーがいることの方が問題なのである。→金持ちのボンボンが、「悪ガキにゆすられている構図」と全く一緒である。要は「気概」「勇気」がないのである。 |
「朝鮮半島エネルギー開発機構」の場合 前野 徹著 「第四の国難」 扶桑社 より ・口は出すな、金だけ寄越せなのである。だが、日本政府も外務省も、この屈辱的な状況に抗議さえしない。→「気概」「気迫」「勇気」をすっかりなくしてしまった。 |
「国連の場合」 前野 徹著 「第四の国難」 扶桑社 より ・実質的に国連の費用を賄っているのは日本である。加盟国188カ国のうち、日本は二番目に高い分担金を支払わされている。一番はアメリカだが、実はアメリカは「国連は自国の国益に合致しないことをやっているケースが多い」という理由で、分担金の滞納を決め込んでいる。 つまり日本が実質上、加盟国中一位の負担国というわけで、その額は全体の分担金の五分の一にも上がっている。中国、フランス、イギリス、ロシアの常任理事国四カ国の分担金を合わせても日本の額には及ばない。日本の金がなければ国連は機能しない状態なのに、日本は常任理事国にさえしてもらえない(というか、なるだけの外交能力がない)。国連の場で国益を主張しない日本は、国連から何の恩恵も受けていないのに金だけはたんまり取られる。⇒お人よし、愚かさを通り越して、これでは単なる間抜けである。 |
私企業の攻撃 前野 徹著 『第四の国難』 扶桑社 ・旭光学:約24億円 (訴訟理由):「ペンタックス」の表示に重大悪質な偽りがある。 ・東芝:1,000億円 (訴訟理由):「使い方によってはフロッピーにデーターを保持しょうとすると、データーが破壊される可能性がある」 ・任天堂: (訴訟理由):「ポケモンカードの人気がありすぎて、子供たちの投機対象になったり、詐欺事件を誘発したというもの」 ポケモンの過熱ブームが商売になると踏んだ弁護士が、子供たちの母親を焚きつけて、集団訴訟を起こした。 ・三菱自動車: (訴訟理由):「セクハラ訴訟」 ・トヨタ:7兆円 (訴訟理由)カリフォルニア州の大気資源局(CARD)が自動車メーカーに課した燃料パイプの気化ガス漏れを検知する装置を巡ってだった。 |
ヘイデン法案 前野 徹著 「第四の国難」 扶桑社 より ・「ナチス政権の同盟国、同調国による戦争捕虜」を対象にしており「賃金の支配いナシ」あるいは「奴隷的労働」を強制された者は関係した企業に対して2000年までに損害補償を請求できるという内容だった。同調国とは日本を指しており、日本の企業からの金の巻き上げが目的の法案である。 この法律自体が実は違法である。対象となっているのは50年以上も前の出来事だ。これは、後でつくった法律で裁いてはいけないという、”法の不遡及の原則”に違反している。 第一、何が何でも日本企業から金を巻き上げたいアメリカは、この違法の法律も通してしまった。日本企業からたんまり取れそうな新法ができたというニュースは全米を駆け巡り、ニューヨーク州、ロードアイランド州などが次々と同様の法案を成立させた。この法律を根拠に今、三井物産、三菱商事、新日鉄、川崎重工などの在米企業が続々と訴えられている。 このなりふり構わぬヤリ方に、さすがにアメリカでも「日本が小金を稼いでいるからといって、それに群がるのは余りにも浅ましすぎる」との良識派の声もでているが、今後も日本叩き、日本企業狙いは止みそうにない。 ・訴訟大国、アメリカには百万人近くの弁護士がいて、賠償金目当てに渉猟跋扈している。アメリカ政府も国益を考えて彼等をバックアップしている。 かたや日本の弁護士は二万人余り。企業は政府の援護も受けられない。しかも、アメリカは日本人には不慣れな「陪臣制度」を最大に活用してくるので、日本に勝ち目はない。 アメリカだけではなく、今ではオランダをはじめ、ヨーロッパの国々も、戦後賠償を盾にあの手この手で日本から金を引き出そうと企んでいる。このたかられ構造から脱するにはまず、日本政府が毅然とした態度を示さなければならない。 ・ODAは見直すべきだ。いや、思い切って景気が回復するまで一時凍結するぐらいでなければ、いつまでたってもお人好し国家・日本は世界の国々からつけ狙われ続ける。賠償王国になっては、われわれ国民が救われない。 |
高市早苗氏 近畿大学教授 正論3月号 平成17年度 中国政府からこんな囁きが聞こえてくるような気がする。 「歴史カードさえ持ち出せば、日本人は自国政府を攻撃してくれる。『総理の靖国神社参拝を止めない限り、北京・上海高速鉄道建設を日本企業が受注する事はない』と脅してみたら、日本企業が小泉首相を批判してくれる様になったものね」「原子力潜水艦で日本領海を侵犯しょうが、国連海洋法条約に違反して日中排他的経済水域重複海域で合意なくガス田開発を進めようが、日本の親中派政治家たちは今年も御用聞き外交に来てくれるという。有り難いね」、「今年は『抗日戦争勝利60周年』記念の年だ。この目出度い年の8月に、日本の中学校用教科書採択が行われる。日本の悪行を満載した教科書が採択される様に圧力をかけよう。韓国人の抗議に文部科学大臣が陳謝したばかりだから、うまくいくよ」、「『中国人民抗日戦争記念館』の大改装は莫大な出費だったが、日本の犯罪行為を内外に宣伝することのメリットは計り知れない。過日も日本の新聞には、中国旅行で記念館を見学した日本人女子高生が『日本がどんなに悪いことをしたかを学んで反省した』旨の投稿をしていた。大いに効果が現れている。中国に対して一生引け目を感じ続ける日本人を育てる事は、将来にわたって中国の国益に叶うからね」 いずれも想像だが、中国の対日戦略を要約するならこんなところだろう。 |
金美齢 評論家・台湾総統府国策顧問 SAPIO2005.7.13 「独立派」の台湾財界重鎮(許文龍氏)を「転向」させた中国「関門打狗」の罠が日本企業を狙う 「靖国神社参拝に賛成か反対か」という踏絵 さて、こうしたことが日本企業には無縁だと考えていたら、大間違いである。台湾問題同様、経済活動に政治問題を絡ませて難癖をつけるのに日本企業は格好の相手だ。いうまでもなく日本企業に対しては「歴史問題」を持ち出し、「靖国神社参拝に賛成か反対か」という踏絵を迫り易いからだ。 台湾企業に対するような露骨な圧力はないにしても、圧力の影がちらつくだけでも効果はある。例えば去年の5月、「新日中友好21世紀委員会」の日本側座長で冨士ゼロックス会長の小林陽太郎氏が<首相の地位にある人が、国と国との関係で相手の政府が『考えてくれ』という問題を、『私的』と位置づけることには無理があると、私は思う」と、靖国参拝に疑問を呈した(04年5月11日付朝日新聞朝刊)。続いて同年8月には日本経団連会長でトヨタ自動車会長の奥田碩氏が、同年12月には経済同友会代表幹事で日本IBM会長の北城烙太郎氏が小泉首相の靖国参拝に懸念を表明した。 また、アサヒビール名誉顧問の中条高徳氏が「新しい歴史教科書をつくる会」の会報で「靖国神社を参拝しない政治家に、政治にあたる資格はない」と発言したところ、今年3月、中国東北部でアサヒビール不買運動が起こった。すると同社の役員が「中条氏の発言は非常に残念だ」と述べるなど、やはり中国におもねる姿勢を見せた。4月に暴動的な反日デモが吹き荒れた直後には上海で開催されたモーターショーでは、日系メーカーはしきりに親中国姿勢を強調していた。 一方、中国は靖国参拝問題が新幹線技術採用の障害になっていることを示唆するなど、圧力をかけ続けている。アサヒビール不買運動も、裏で煽ったのは中国共産党である。 本来、靖国神社を参拝するかどうかは日本の内政問題だ。だが、中国にたびたびそれを持ち出されると、財界は経済活動へのマイナスの影響を懸念し、中国におもねる姿勢を示さざるを得なくなる。 日本企業が中国のこうした圧力に弱いのは今に始まったことではない。1972年に日中が国交を結ぶ前、中国と貿易ができる日本企業は、「中国はひとつであり、それは中華人民共和国である」といった政治三原則と貿易三原則を受け入れる「友好商社」に限られた。中国が言う「友好」とは「中国の主張を受け入れる」という意味なのだ。 財界の中国熱を見ていると、大事なことを忘れていることがわかる。中国はいまだ共産党による一党独裁国家であるということだ。それゆえ、民主主義下ではあり得ない圧力を平気でかけてくるのである。では中国の政治的主張を受け入れれば安全にビジネスができるかというと、そうではない。中国は法治国家ではなく人治国家であり、世界でも有数の汚職社会であるからだ。 数年前、私はある台湾企業の経営者から次のような恐ろしい話を打ち明けられたことがあった。中国に進出した当初、地方政府がいろいろと優遇措置を取ってくれた。例えば部品を台湾から輸入する際、とりあえず関税を課せられるが、間にたった中国企業が輸入証明書を役所に提出すると税金が還付されるといった具合だった。ところが、あるとき突然その書類に問題があるとされた。するとブローカーが現れ、「金を出せば問題をなかったことにしてやる」と言ってきた。 そもそも書類は中国企業が作成し、提出したものなので、ブローカーの要求を無視したところ、社員が逮捕され10年余りの禁固刑に処されてしまった。後で判明したことだが、地方政府の役人、中国企業、ブローカーは裏でつながっていたのである。結局、その経営者は中国に進出した5つの会社すべてをそこに残したまま、無一文で撤退することを余儀なくされた。これこそが、まさに「関門打狗」である。 中国でビジネスをすることはかくも危険であり、たとえ利益を出しても、日本の国益を損ねるような事態になりかねない。日本企業は許文龍氏のケースに学び、本当のチャイナ・リスクを肝に銘じておくべきだろう。 |
八木秀次 高崎大学助教授 諸君8月号 平成17年度 ・通常、隣家とトラブルになって民事裁判で争った場合、判決が出て賠償金を支払った後も繰り返し「誤れ、誤り方が足りない、反省していない」「もう少しカネを寄越せ」という話はあり得ません。そんなことをしていたら、かっての「被害者」が「加害者」として裁かれます。日本は近代国家であるにもかかわらず、中国や韓国のような近代以前の発想をしている国のペースに巻き込まれて、同じような発想をしているのではないでしょうか。 ・事実関係は全く逆で、日本政府が交渉過程で「韓国の戦争被害者に日本政府が個別に補償を行う」と提案したのに対し、韓国政府は「韓国政府へ一括して賠償金を支払って欲しい」と主張し、日本政府は合計8億ドル(現在の貨幣価値では20兆円弱)もの巨額のカネを韓国側に支払った。韓国の人々が個人補償を貰えなかった不満は本来なら韓国政府にぶつけるべきものですが、その矛先を巧みに日本に向けさせているといえるのです。 |