![金大附属病院の院内保育園に通う園児たち。秋には病児保育室も設けられる](/contents/017/274/298.mime7)
金大附属病院の院内保育園に通う園児たち。秋には病児保育室も設けられる
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医師不足が深刻化する中、県内の病院が女性医師の離職防止に乗り出している。金大附
属病院が子育て中の職員を対象に短時間勤務制を導入したほか、金沢医科大病院、県立中
央病院も育児支援の強化に動いている。女性医師の比重は小児科や産科など医師不足が深
刻な診療科ほど高く、就労条件改善の動きは今後も広がりそうだ。
金大附属病院が今年四月から導入した育児短時間勤務制は、小学校入学前の未就学児童
を持つ全職員が対象。男女とも利用でき、週二十時間または週二十五時間勤務のいずれか
を選び、希望する日や時間帯だけ勤務することができる。
既に開設している院内保育所のほかに、今年秋には子どもが病気でも預けることができ
る病児保育室も開設する計画で、「働きやすい環境を整えることで、女性医師の離職を防
ぎたい」(総務課)としている。
金沢医科大病院でも、女性医師と看護師を対象にした短時間労働制度の導入を検討して
いる。来年四月には病児保育を始める計画という。
県立中央病院は今年四月から、医師免許を取得したばかりの医師を嘱託採用した場合、
正規雇用に切り替えるまでの勤務年数を六年から五年に短縮した。育児休業制度が利用で
きる正規雇用への切り替えを早めて、若手女性医師をつなぎ止める狙いである。
厚生労働省の調査では、二〇〇六(平成十八)年十二月末現在、県内の医療施設に従事
している女性医師は三百九十九人で全体の14・2%を占め、三十代以下では三割に上っ
ている。