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拉致再調査合意 全面解決へ抜け道許すな

 中国・瀋陽で行われた日朝公式実務者協議は、北朝鮮が拉致被害者に関する再調査に早期着手し、見返りとして日本側が対北朝鮮経済制裁の一部を解除することなどで合意した。

 再調査については、六月の前回協議で北朝鮮が「拉致問題は解決済み」との姿勢を転じて約束した。今回は、その具体的な内容を詰めるもので、経済制裁の一部解除の早期実施を求める北朝鮮側と進展に応じた解除を主張する日本側との間でぎりぎりの交渉が行われた。

 合意した主な内容は、再調査について「生存者を発見し帰国させるための全面的な調査」と位置付けた。その上で、権限を与えられた北朝鮮の調査委員会が迅速に行い、可能な限り今年秋に終える。進ちょく過程を日本側に随時通報し、生存者発見の場合は伝達して対応を協議する。関係者との面談や関係資料の共有などで、日本側が調査結果を直接確認できるよう北朝鮮が協力する。一方、日本側は再調査開始と同時に、人的往来と航空チャーター便の規制を解除するなどとしている。

 日本側が重点を置いたのは調査の主体や対象、期間、手段について北朝鮮側から詳細な提案を引き出すことだった。過去に何度も裏切られた教訓を踏まえ、再調査を実効性あるものにしようとの思いからだ。調査期間を今年秋までと短期に設定し、随時点検できるようにしたことで、一応は日本側の意向に沿ったものになったといえよう。

 だが、楽観はできない。今回の協議についても、北朝鮮は日本側の早期開催要請を拒み続けた。それが、米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除が可能になる今月十一日からの開催とした背景には、拉致問題への取り組みを働きかけた米国に好感を抱かせようとの狙いもうかがえる。指定解除が先送りとなったことで、北朝鮮がどう出るか注視する必要があろう。

 すべては、北朝鮮に合意内容をいかに履行させ具体的な前進が得られるかにかかっている。拉致問題の全面解決なくして北朝鮮が望む日朝国交正常化はあり得ない。今回の再調査は極めて重要な意味を持っていることを認識すべきだ。小出しにして日本側の譲歩を引き出すとか、時間稼ぎするようなことは許されない。

 日本側は「行動対行動の原則」に立って経済制裁のカードを有効に生かしていくことだ。北朝鮮に「抜け道」を与えないよう検証の態勢を整え、米国などとの連携を強めて毅然(きぜん)として誠意ある再調査の実施を迫っていくよう求めたい。


生保改善計画 信頼回復は着実な実行で

 保険金や給付金の不払い問題で業務改善命令を受けた生命保険十社は、再発防止策を盛り込んだ業務改善計画を金融庁に提出した。契約者の立場に立った誠実な業務運営を行うことで、生保業界は失った信頼を取り戻さねばならない。

 改善計画では、複雑だった保険商品の簡素化とともに保険金の支払い管理体制を強化することが大きな柱となっている。

 入院や手術に応じて多くの特約を付け、内容が複雑になってきたことが不払い多発を招いたとして、特約の種類を減らして分かりやすい商品とすることを重要課題と位置付けた。契約者に理解しやすい内容にすれば、給付金の支払い申請もしやすくなり、保険会社の案内漏れの発生も避けられよう。

 金融庁が求めていた内部管理態勢の強化策としては、保険金支払い状況を管理する支払検査室などの部署を設け内部監査を強化する。再発防止策検証チームを立ち上げ、改善計画の実効性を検証していく社もある。営業職員の能力向上や契約者への訪問活動強化なども盛り込まれている。支払い部門への経営の関与を強化する。

 改善計画の提出と合わせて各社は経営責任を明確化するため、社長ら取締役の役員報酬削減などの処分も行った。十社全体で百九十人に上っている。これで業界全体で計百三十五万件、九百七十三億円に上った不払い問題に一応のけじめをつけたことになる。

 しかし、改善計画の真価が問われるのはこれからだ。不払い問題の背景には、新規契約の拡大を優先し、契約者への保険金支払いを二の次としてきた業界のゆがんだ体質がある。消費者重視の経営へ転換するには、改善計画を着実に実行していくしかないだろう。

(2008年8月14日掲載)
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