タイで失踪の日本人は人気ブロガー 遺体をDNA鑑定

meta-creation_date: 00/00/2008 00:00:00

微笑みの国・タイランドで日本人男性が行方不明になっている事件で、新たな情報が入ってきた。行方不明になっているのは、タイランド首都・バンコクのデンデン地区『シーワラーマンションII』に在住の棚橋貴秀さん（33歳）。日本人に人気の観光名所として名高いアユタヤで、彼の物と思われるマンションのキーや腕時計が発見され、さらに先へと進んだナコンラチャシマ県で日本人男性の遺体が発見されたのだ（棚橋さんの口座から約12万円を引き出す不振なタイ人も目撃されている）。警察は、その遺体が棚橋さんではないかとDNA鑑定を進めているという。そして、彼は人気ブロガーでもあったのだ。

棚橋さんは23歳で海外に渡り、為替FXや株取引、ファンドなどで収入を得ながら、生活をしていた。日本の1/3以下の物価でありながら、日本と同等（もしくはそれ以上）の生活ができるタイに落ち着いてからは、失踪に至るまで8年間をバンコクで生活している。棚橋さんはそんな自分の生活を2004年から自身のブログに書き記し、長寿ブログ＆人気ブロガーとして注目を集めていた。人気ブロガーであったことが功を奏してか、ライターとしても活躍の場を広め、幻冬舎コミックスから『外こもりのススメ』を2008年7月に発売している。

旅行者情報サイト『Traveler's Supportasia』では、棚橋さんと交流のあった“ふくちゃん”氏がこのように話している。「沈没組は仕事をしていないとはいえ同じ外国人であり、タイ人庶民からしたらずっといい暮らしをしています。それゆえにいつ、どこで金目当ての事件に巻き込まれても全然おかしくはないのです」と語っている。沈没組みとは、収入はないけれど物価が安くて人も優しいタイの居心地がよく、ずっとタイに長居してしまう人のことを意味する。棚橋さんは収入を得ながらタイにいるわけで、そう考えれば沈没組より狙われてもおかしくないのは確かだ。とはいえ、タイは平和な国である。なぜ、棚橋さんが狙われたのだろうか？

棚橋さんが狙われた理由の真相はわからないが、自衛策は以下のふたつだと、ふくちゃん氏は語る。

その1「不用意に自分の居所を教えないこと」。棚橋さんは自身のブログ『タイのバンコクで為替FX＆株＆ファンド』のコメント欄に、自分の住んでいるアパートを推測されてしまうヒントを載せていました。これによって推測されてしまえば、アパートに不審者が来ても、管理人は親しい友人だと判断して中に入れてしまいます。携帯電話やメールがあったとしても、詳しい居所をごく親しい友人以外に明かしてはいけません。

その2「自分の資金源を明かさない」。沈没組の中にはインターネットによる株取引などで数百万〜数千万円単位の資金を扱う人もいます。自身のブログ『タイのバンコクで為替FX＆株＆ファンド』でも、「○月×日、Ａ社の株を300株買った」などというくだりが出てきますが、それに対して『Yahoo!ファイナンス』で株価検索をかければ、その人がどれだけの儲けを得たかが一目瞭然です。投資をされている方、自分の投資成果を他人には明かさないほうが身のためです。

8月2日、棚橋さんからふくちゃん氏に、刷り上ったばかりの『外こもりのススメ』が届いたという。そして8月5日、ブログの更新が止まるとともに、棚橋さんが行方不明になった。


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記者：インターニューススタッフ