Print this Post Article Lists Back

不景気のあおりをまともに受ける非正規職(下)

臨時・日雇い職の求人、08年上半期14万減

◆低賃金の日雇い職に「寒い夏」

 建設の求人は通常、暖かい5‐6月になると増えるが、今年6月には逆に6万件も減った。建設現場で7年間働いているイ・ドンギュさん(43)=ソウル市盧原区=は、「こんなに仕事探しが大変なことはなかった。地方では、1万ウォン(約1000円)以上も安く使える中国の朝鮮族など外国人労働者を求めるため、仕事探しがさらに難しくなった」と語った。

 これに加え、飲食店など自営業者の廃業で、卸売・小売業や飲食宿泊業の求人も今年上半期に3万9000件も減った。ソウル市瑞草区にある「デシム職業紹介所」の関係者は、「今日も食堂での仕事を探す中年女性15人が事務所に出勤してきたが、仕事が見つかったのは二人だけだった。1年前なら、1日当たり20件以上の求人が入ってきていたのに、今では10分の1水準にまで急減した」と語った。ソウル市永登浦区にある「ロータリー職業紹介所」のカン・ヒョング所長は、「今年3、4月だけを取り上げてみても、求人の電話は1日当たり100本はかかってきていたが、最近では食堂の経営も大変なため、1、2本くらいしかない」と語った。

 さらに、物価は急騰しているのに、日雇い労働者の賃金はむしろ下がっている。全国就業情報のリュ・ハンソン所長は、「昨年だけでも、食堂で1カ月働ければ120万ウォン(約12万9300円)程度はもらえたが、最近では食堂の景気が悪く、1カ月に80万‐90万ウォン(約8万6200‐約9万6900円)しかもらえない」と語った。

 職業紹介所で出会ったピョン・ジョンスクさん(46)=ソウル市東大門区=は、女手一つで家庭を支えている。ピョンさんは「最近8日間は、1日5時間の食堂勤めを4日間しかできず、稼げたのはやっと12万ウォン。中学生と高校生の息子がいるが、1カ月80万ウォンでは子供に小遣いもあげられない」と嘆いた。

 ただ景気が回復するのを待つばかりで、政府もお手上げ状態だ。財政経済部の関係者は、「非正規職の拡大が行われたのに加え、景気が悪くなるや、簡単に解雇できる非正規職労働者を減らしたのが主な原因だ」と話した。現在経済研究院のユ・ビョンギュ経済研究本部長は、「低所得・庶民層の仕事が減って行けば、社会不安の要因となりかねない」と語った。

■日雇い労働者

 雇用契約期間が1カ月に満たないか、あるいは日々雇用され時給・日当を受け取って働く労働者。

■臨時職労働者

 雇用契約期間が1カ月以上1年未満の労働者。

鄭恵全(チョン・へジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
このページのトップに戻る