医療リスクへの支援体制を整備−厚労省
医療事故による死亡の原因究明・再発防止の一環として裁判外紛争解決(ADR)制度の活用推進を図ろうと、厚生労働省が「裁判外紛争解決制度活用推進協議会」を設置する方向で検討していることが分かった。同協議会は医療業界、法曹界、都道府県の医療安全支援センター、民間の裁判外紛争解決機関、法務省など関係省庁で構成する。
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診療中に患者が死亡する医療事故が発生した場合、紛争解決の手段として裁判に持ち込まれることが多いが、裁判は、▽解決までに時間がかかる▽費用が高い▽経過や結果が公開される−など制約が多いことから、医療業界でも「医療版ADR制度」の活用推進を望む声が多くなっている。このため、関係者による情報、意見交換の場を設け、医療版ADRの活用推進を図る。来年度の予算が確保できた時点で、委員の選定など具体的な事業の検討を始める。
同省はこのほか、医療リスクの支援体制整備の一環として、医療事故の発生予防・再発防止を目的に現在、8地域で行われ当ている「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」を、さらに拡充していく方針だ。また、09年1月にスタートする「産科医療補償制度」の運営組織、日本医療機能評価機構への事務費などの補助も行う。
【ADR】
裁判によらずに法的なトラブルを解決する方法や手段などを総称する言葉で、仲裁や調停などさまざまな解決手続きを含む。2007年4月、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(通称・ADR法)が施行された。
【産科医療補償制度】
出産時の医療事故で子どもが脳性まひになった場合、医師らの過失を立証しなくても民間の保険から補償金が支払われる制度。産科関連の訴訟を減らして産科医不足の解消につなげる狙いがある。
更新:2008/08/14 17:57 キャリアブレイン
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