Yahoo! JAPAN週刊特集 Yahoo! JAPAN週刊特集 Vol.73 Yahoo! JAPAN
太平洋戦争をふりかえる 年表でみる戦争の歴史 語り継ぎたい戦争体験 戦争を今に伝えるコミック 戦争の実相を語りつづける遺跡 今週のコミック

「トラ・トラ・トラ」ワレ、奇襲ニ成功セリ【昭和16年(1941)10月19日〜12月8日】

○真珠湾奇襲攻撃隊の陣容
 昭和16年(1941)10月19日、山本五十六(やまもといそろく)連合艦隊司令長官から「真珠湾(しんじゅわん)攻撃が認められない場合は、司令長官を辞める」と詰め寄られた軍令部総長の永野修身(ながのおさみ)大将は、「山本長官がそれほどまでに自信があるというのならば、総長として責任を持ってご希望どおり実行するようにいたします」と折れ、山本案は日本海軍の正式作戦となった。真珠湾奇襲攻撃に参加する第一航空艦隊の空母部隊は次のようだった。
第一航空戦隊・空母「赤城(あかぎ)」「加賀(かが)」
第二航空戦隊・空母「蒼龍(そうりゅう)」「飛龍(ひりゅう)」
第五航空戦隊・空母「翔鶴(しょうかく)」「瑞鶴(ずいかく)」
  この世界初の機動艦隊の司令長官には南雲忠一(なぐもちゅういち)中将が就き、参謀長には草鹿龍之介(くさかりゅうのすけ)少将が選ばれた。そして艦爆機、水平爆撃機、雷撃機、制空隊(戦闘機)の各航空隊を指導統制する隊長には淵田美津雄(ふちだみつお)中佐が任命された。すなわち、空中における飛行機隊総指揮官である。そして航空隊は九州一円の基地に分散して猛訓練に入った。
  問題は雷撃(らいげき)であった。真珠湾の戦艦泊地は水深12メートルといわれている。当時の常識では、魚雷の沈度は最低でも60メートルあるといわれていた。それを、南雲機動部隊は訓練とアイデアで克服(こくふく)した。

○みごとに成功した奇襲攻撃
  昭和16年11月5日、日本政府は「帝国国策遂行要領」を決定し、永野軍令部総長は山本司令長官に出撃命令を下した。訓練に励んでいた各飛行隊は急遽(きゅうきょ)、母艦へ収容され、6隻の空母と随伴(ずいはん)艦は密かに秘密集結地の択捉(えとろふ)島の単冠(ひとかっぷ)湾に向かった。
  攻撃に参加する全艦船が単冠湾に集結した11月24日、飛行機の一般搭乗員に初めて真珠湾攻撃の企図が知らされた。そして11月26日の朝、機動部隊はいっせいに錨(いかり)を揚げ、一路ハワイをめざした。
  南雲中将率いる機動部隊は、事前のあらゆる危惧(きぐ)を覆(くつがえ)して昭和16年12月7日午前6時(日本時間8日午前1時30分)、攻撃隊発艦地点のオアフ島の北190浬(カイリ)に到達した。旗艦(きかん)「赤城」をはじめとする6空母は、いっせいに艦首を風上に向け、攻撃機の発艦を開始した。そして午前7時半過ぎ、淵田中佐を総指揮官とする第一次攻撃隊183機はオアフ島の北端に達した。
  午前7時49分、淵田中佐は「トトトトト(全軍突撃せよ)」のト連送を発信、続いて53分に機動部隊指揮官に「トラ・トラ・トラ」を連送した。「ワレ奇襲ニ成功セリ」という暗号電である。
  そして第一次攻撃隊の1時間後に発艦した嶋崎重和(しまざきしげかず)少佐指揮の第二次攻撃隊167機も、炎と黒煙に包まれた真珠湾上空に姿を現し、攻撃を続行。日本機の攻撃が終わったのは午前9時45分、東京では8日早朝の5時15分だった。真珠湾を出航していた米空母部隊は日本軍の攻撃を免(まぬが)れたが、米太平洋艦隊の主力艦(戦艦)は一瞬にして壊滅。日本軍の未帰還機は29機だった。


聞かせてください。あなたや家族の戦争体験談
実際に経験された方やそのご家族の方、ぜひ貴重なお話をお聞かせください。戦争の悲劇を繰り返さないために語り継いでいきましょう。
Yahoo!セカンドライフ 戦争体験談をサポーター広場に投稿する
体験談を投稿いただく際には、Yahoo!セカンドライフのサポーター登録が必要です。
登録の仕方はこちら(登録は無料です)>>
Yahoo!セカンドライフ サポーターとは?>>
 
真珠湾攻撃は綿密な計画のうえに実行された
真珠湾攻撃は綿密な計画のうえに実行された
※表示の時間は「日本時間」 拡大する

米太平洋艦隊真珠湾在泊艦艇

浅深度魚雷の構造

浅深度魚雷 浅深度魚雷
航空魚雷は標的の1000m手前で、高度50〜100mで落とすと、魚雷は海底60mまで沈んだあと、浮き上がって標的めがけて走りだす。ところが水深12mしかない真珠湾では魚雷が海底に突き刺さってしまう。そこで海面すれすれまで高度を下げ、標的に500mまで近づいて魚雷を落とす訓練をした。訓練は真珠湾に似ている鹿児島県の錦江(きんこう)湾で昭和16年9月〜11月上旬まで続けられた。

大爆発を起こして傾くアメリカ戦艦「アリゾナ」号

Yahoo!動画 動画で「日本軍、ハワイ・真珠湾を攻撃」をふりかえる

太平洋戦争 ロード・トゥ・トーキョー 太陽の帝国/夜盗のごとく/暗黒の日々 太平洋戦争 ロード・トゥ・トーキョー 太陽の帝国/夜盗のごとく/暗黒の日々
日中戦争を契機に急速に世界との対立が深まってゆく日本が未曾有の世界大戦へ突き進む。日本の突然のハワイ真珠湾奇襲攻撃により、日米の組織的戦闘が今、始まる……。
※「太平洋戦争 ロード・トゥ・トーキョー」は、全13話で構成されています。その第1話〜第3話をお送りします。
Yahoo!動画 太平洋戦争〜太陽の帝国〜
Yahoo!動画 太平洋戦争〜夜盗のごとく〜
Yahoo!動画 太平洋戦争〜暗黒の日々〜
Yahoo!動画 そのほかの作品をみる
情報提供:SPO(外部リンク)
「太平洋戦争 ロード・トゥ・トーキョー」の詳細はこちら(SPO:外部リンク)

貴重な写真と記事で「日本軍、ハワイ・真珠湾を攻撃」をふりかえる

Yahoo!知恵袋 「真珠湾攻撃」についてもっと調べる
問 日本が英米蘭全ての国と対戦した理由は?よく日本が太平洋戦争(大東亜戦争)に踏み切った理由については、アメリカの対日禁輸に...
答 日本が北インドシナに進駐した際、アメリカは日本への経済制裁と中国への援助強化を打ち出しましたよね。そして南インドシナに進...
問 ミッドウェイ海戦で戦争の勝敗はほぼ決していましたか?また そうだとしても、その後も米国は許さなかったでしょうか?
答 空母を失ったことはもちろん、「世界一の錬度」と謳われた熟練のパイロットを多数喪失したことはその後の戦況に大きな影響を及ぼ...
>> そのほかの質問


図解 ひと目でわかる!太平洋戦争
情報提供:図解 ひと目でわかる!太平洋戦争(学習研究社) 編・著:太平洋戦争研究会 価格:1000円(税込)
太平洋戦争全史を、図解と写真で紹介。主要戦闘で、日本大本営は、最前線はなぜそうしたのか、なぜ結果がそうなったのか。初期の勝利戦から悲惨極まりない敗戦までを、全体像を理解しながら、わかりやすく読めるように、人と物事の動きを時間軸に沿って構成。
学習研究社 公式サイト(外部リンク)
週刊特集Vol.73 トップYahoo! JAPAN
特集ページについてのご意見・ご感想をこちらまでお寄せください。
COPYRIGHT (C) GAKKEN CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
Copyright (C) 2008 時事通信社
Copyright (C) 2008 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.