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「周産期救急患者搬送先、紹介します」(上)

 神奈川県で2007年4月から導入された周産期救急受入機関紹介システムが効果を上げている。搬送先探しを担うのは同県の委託で運営されている「神奈川県救急医療中央情報センター」。分娩施設からの周産期救急患者の搬送依頼があった際、救急医療中央情報センターが県内の医療機関に対して応需確認を行い、分娩施設に受け入れ先を案内する。それまで搬送先探しに忙殺されていた基幹病院の産科医の負担軽減につながっており、現場からは「非常に助かっている」との声が上がっているという。

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 神奈川県では、周産期救急を円滑に機能させるため、「周産期救急医療システム」を整備している。医療機関の機能に応じて基幹病院(8病院)、中核病院(11病院)、協力病院(12病院)を指定。基幹病院が24時間体制で患者の症例に応じた受け入れ先のあっせん業務を行っていた。だが、産科医の不足に伴い、緊急の搬送依頼が急増。基幹病院の産科医が受け入れ先の確保に忙殺され、大きな負担を強いられる事態になっていた。

 この状況を受け、神奈川県は救急医療中央情報センターでの受け入れ先あっせん業務の実施を検討。分娩施設から搬送依頼を受けた基幹病院が患者の情報を収集し、同センターに搬送先探しを打診するシステムを整備した=図@参照。
 同センターの水町友治副センター長は、「基幹病院からは『産科医の負担軽減につながっており、非常に助かっている』と評価されている」と話す。

 また、受け入れ先確保までの時間短縮にも効果を挙げている。07年4月20日―08年3月31日の実績によると、実際に受け入れ先を案内できた389件について、基幹病院の連絡を受けてから案内するまでの平均所要時間は39.6分=図A参照。「基幹病院側で受け入れ先を探していたときには1件当たり1時間を超えるケースが多かったと聞いている。時間短縮につながっているのではないか」と水町氏は述べる。

 一方で課題もある。同センターが07年度に受けた搬送先紹介の依頼は590件。紹介できた389件と、情報案内をすることができた6件を除く195件は、センターのサポートで搬送先を見つけられなかった案件だ。水町氏によると、195件の中には、妊産婦の容体が変わり、搬送の必要がなくなったものもあるが、やむなく分娩施設や基幹病院で収容したもの、基幹病院側が県外の病院に連絡して搬送したものなどもある。
 センターによる搬送先紹介システムが産科医の負担軽減に一定の効果を上げているものの、産科医不足や分娩施設の減少が、県内の周産期救急医療を依然、厳しいものにしている。

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更新:2008/08/14 14:07   キャリアブレイン


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