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【静岡】

県内ブラジル人100人に調査 「ブラジルの方が刑罰軽い」

2008年8月13日

 「ブラジルの方が日本より刑罰が軽い」との認識が、県内で暮らす日系人の間に広がっていることが、中日新聞東海本社による県内ブラジル人「100人アンケート」で分かった。日系人に絡む犯罪が起きるたび、遺族や捜査関係者を悩ませてきた母国逃亡の遠因とみられる。もっとも専門家は「一般的に、日伯に量刑格差はほとんどない」と指摘している。

 アンケートは7−8月、ブラジル人定住者が多い県西部地域(浜松、湖西、磐田市)で、主に対面式で実施した。6月にも湖西市でブラジル人殺人事件が起き、容疑者が母国に逃亡したばかり。ブラジル政府に裁きを委ねる「代理処罰」の運用が進む中でもあり、「なぜ容疑者はブラジルに逃げると思うか」をメーンに聞いた。

 その結果、ほぼ半数の44人が「ブラジルの方が罪が軽くて済むから」とした。

 こうした認識は、誤解の面が大きいようだ。国際弁護士でもある浜松ブラジル協会の石川エツオ代表(47)は「死刑がない点を除けば、日本の量刑とさほど差はない」と指摘する。

 ただ、殺人などの凶悪犯罪に限れば、死刑を免れようと逃亡する可能性もあり「量刑格差を論じる余地は出てくる」(司法専門家ら)という。

 

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