「御巣鷹の尾根」に通じる道が土砂崩れで寸断され、仮設の歩道を歩く人たち=12日午前、上野村、福留庸友撮影
「御巣鷹の尾根」で墓標に手を合わせる親子=12日午前、福留庸友撮影
羽田発伊丹行きの日航ジャンボ機が群馬県上野村に墜落し、乗客・乗員520人が犠牲となってから12日で23年。現場となった「御巣鷹の尾根」には早朝から、遺族らが慰霊登山の列をつくった。尾根に点在する墓標にたどり着くと手を合わせ、故人への祈りをささげた。
今年は4月に登山口へ向かう村道が土砂崩れで通行止めになったため、急きょ崩落現場に歩道を仮設。前後の区間をマイクロバスでピストン輸送した。その影響もあってか、参加する遺族は例年に比べ少なめで、日本航空によると、正午現在で64家族223人にとどまっている。高齢のため、登山口で引き返す姿も見られた。
安全を祈る「聖地」として、信楽高原鉄道事故や中華航空機墜落事故、オーストリアのケーブルカー火災事故、東武・竹ノ塚駅踏切事故の遺族らも訪れた。午前10時半ごろ、尾根にある「昇魂之碑」の前に集まり、ともに犠牲者を悼んだ。